わが子には「得意なことを身に付けて自信を持ってほしい」と思うのが親心。でも習い事をさせる時間がない…と感じている人も多いようです。この連載では、筑波大学教授の徳田克己さんをアドバイザーに迎え、親が子どもにできることを考えていきます。

question文字の読み書きは、どのように子どもに教えるのが良いのでしょう。

小学校で習うとはいえ、ほとんどの子どもが入学前にひらがなの読み書きができるようになっていると聞きます。自宅で習得させるコツが知りたいです。

advice一番大切なのは「読み」。“ひらがな”にこだわらず、世の中にある文字体系で学び、語彙を増やして!

教えてくれたのは

徳田克己さん

筑波大学医学医療系教授。筑波大学発ベンチャー企業子ども支援研究所所長、教育学博士、臨床心理士。東京の私立幼稚園の先生や大学内保育所の責任者の経験も

まずは「読み」を優先させて

文字の習得のために一番大切なのは「読む」こと。4歳ごろまでは書くことを教えなくても良い、といっても過言ではありません。

読みの学習では、カードやドリルを使って五十音の一音一音を覚えさせるより、単語そのもので教えることが大切。例えば、〝銀行〟という単語。せっかくひらがなを覚えても、街中の看板やポスターで目にするのは漢字表記が大半です。その他、〝パンダ〟も同様で、ひらがなよりもカタカナ表記の方が多いと思います。

自宅でできるお薦めの遊びは、「配達屋さんごっこ」。冷蔵庫・テレビ・いすなど、普通に使う表記で書いたカードを用意し、子どもに渡してその家具に配達してもらいます。子どもは自然と文字の形や読みを覚え、語彙(ごい)も増えます。そうすれば、いざ「書く」ステップに進んでもスムーズにいくはずです。