子育てに自信のあるママなんてどこにもいない!家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。44回目は「家族が帰りたくなる家」について。

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子どもの世界も辛いときがある

子どもは遊ぶのが仕事、と言いますがときに子どものことが羨ましくなることがありませんか。

しかし、自分の子ども時代を思い出してみてください。楽しいことだけではありませんでしたよね?

学校でも、友達と遊んでいても、嫌なことはたくさんあります。人間関係のイザコザがあるのは、大人も子どもも同じなのです。

大人が仕事で上司とトラブルがあって、うんざりした気分で家に帰る日もあるように、子どもも友達とケンカして、落ち込んで家に帰る日もあります。

だからこそ、

せめて自分の家の中だけは、安心して過ごせる場所であってほしい

そう思いませんか。生きていれば、何かとトラブルはあるものです。子どもだって、落ち込んで帰ってくる日もあります。

特にこの時期、転園や進級、入学して間もない子どもたちは想像以上に精神的な負担を抱えて疲れている可能性もあります。

そんな日に、家に帰った途端、鬼の形相のお母さんから「早く手を洗って!」、「ぐずぐずしないの!」などと畳みかけるように言われたら、子どもはどんな気持ちになるでしょうか。

また、その怒り顔を見て、怒鳴り声を聞くご主人は、どう思うでしょうか。

子どもだけではなく夫にも影響が

お母さんは常に忙しく、思い通りに家事などを進めたい気持ちも分かります。特に働くお母さんは時間がありません。忙しく、ピリピリしてしまう気持ちも分かります。

しかし怒って、怒鳴ってばかりの家の中には帰ってくるのも憂鬱になってしまいます。

たとえば夫の帰る時間が遅くなる、帰る頻度が少なくなる、などというケースもあります。そうなると、妻であるお母さんはますます機嫌が悪くなり、子どもに当たり散らすことも考えられます。

そしてたまに帰ってくるお父さんは、子どもに優しく接し、子どもたちはお父さんが大好き。お父さんの味方になってしまうかもしれません。子どもには、大人の事情などわかりません。

母親である私は、こんなに一生懸命にやっているのに…。

子育てに協力してくれない夫のほうを慕うなんてひどい

など、どんどん負のスパイラルにはまっていく場合があるのです。

大事なのはお母さんの“笑顔”だけ

ご主人との関係がどうであれ、感情のままに子どもに当たるのは、やはり良くありません。それがどんなに大変なことか、私にもよく分かります。

でも、子どもが大きくなったときには必ずこの苦労は分かってくれます。そして、あなたが子どもに与えた以上の愛情を返してくれることでしょう。

あなたがどんなときも子どもの味方であったように、子どもがあなたの味方になってくれます。

子どもが帰りたくなる家。安心でき、落ち着き、癒される家。

それを実現するのは、難しいことをしなければならないわけではありません。ただ、お母さんが笑顔でいてくれればいいのです。

たとえば、常に目に入る位置に鏡を置いてみましょう。ふと目に入った自分の顔は、結構怖い顔していてびっくりすることあります。

心から笑わなくても、口角を上げることを心がけるだけで効果ありです。

この記事を書いたライター

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楠本佳子さん

こどもみらい塾(岡山)」塾長。自身の子育てや教育経験を活かし、ママを対象としたセミナーや個別相談も行っている。著作に「12歳までに勉強ぐせをつけるお母さんの習慣」>ホームページはこちら

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