/ 2017.08.04

うちの子、まだおむつをしているけれど大丈夫かな?そろそろパンツを履かせた方がいいのかな… 。なにかと心配なトイレトレーニングのこと。そこで、2歳児クラスの保育園の先生に、トイレトレーニングに関する素朴な疑問について答えてもらいました。

教えてくれたのは

保育士の若林友美子さん、松永沙希さん

「認定こども園はらのこ はら保育園」すくすく(2歳児)担任。横浜市瀬谷区の保育園・幼稚園両方の機能を持つ幼保連携型認定こども園。学校法人平成学園により平成23年4月に開園。0~2歳児は、はら保育園で、3~5歳児は、はら保育園からの進級児と幼稚園の子どもたちがいっしょに学んでいます。

index目次

トイレトレーニングのはじめ時は?

保育園でトイレトレーニングをはじめる目安は(1)トイレでおしっこができるようになり、(2)おむつを濡らさない日が2~3日続いたらという2点です。年齢は1歳半から3歳と個人差があります。

おむつを見る度に濡れているようなら、まだ早いです。いつかは必ず外せるので、あせらずに進めてください。ただ、幼稚園入園(満3歳)までにはおむつはとれていた方がいいですね。

トイレトレーニングの進め方

まず家で “成功体験”を

「トイレトレーニングのやり方が分からないので、保育園で進めてください」とパンツを持ってくるママもいますが、まず家で “成功体験”を重ね、子どもに自信をつけさせてあげてください。

園でトイレに行けるようになり、おむつを濡らさない日が数日続いたら「そろそろ、おむつがとれそうです。おうちでもトイレトレーニングを進めてください」というお知らせをします。

そうしたらお休みの日に、おうちでもおむつを外して過ごさせてください。30分から1時間おきなど、そろそろおしっこが出そうだなという間隔でトイレに誘います。上手にトイレでおしっこができたらいっぱい褒めてあげてくださいね。

失敗しても怒らないように

とはいえ、失敗しない子はいません。もらしても叱るのではなく「失敗してもいいんだよ。次はパンツが濡れちゃう前に行ってみようか」と声をかけましょう。トイレトレーニングには親の覚悟も必要です。失敗しても怒らないように。失敗はずっとは続きませんから。

家でも問題なく過ごせるようになったら、園でも本格的にパンツで過ごします。ここまで時間をかけてゆっくりトイレトレーニングを進めたら、失敗することはほとんどありませんよ。

こんなとき、どうする?

おまるがいいの?補助便座がいいの?

現代の住宅事情や衛生面を考えると、補助便座の方がいいのでは?と思います。おまるを使う場合は、おしっこやうんちをしたらすぐに処理をしなくてはいけないので大変です。またトイレに慣れる意味でも、補助便座の方がいいのかもしれません。

トイレに行きたがらない

子どもをトイレに誘い「やだ」と言われたら、1回はその気持ちを受けとめ「今はしたくないのね。次、ママが声をかけたときに行こうね」と伝えましょう。その後、もらしてしまうことも多いのですが…。失敗も大切な経験です。

またトイレを好きになる工夫も大切です。保育園では水を流すのが好きな子が多いので、「トイレに行ったら、ジャーできるよ!」と声をかけています。

おうちでは、子どもが好きなキャラクターの補助便座を使う、トイレでおしっこが出来たらシールを貼ってあげるなどの工夫もいいですね。トイレを身近に感じる絵本もあります。「ひとりでうんち」がおすすめです。

「でない」と言われたら?

トイレに連れて行っても「でない」と言われたときは、「じゃあ、座って10数えようか」と促します。そのうち、10数えているうちにおしっこが出るよう習慣付いてきますよ。好きな歌を1フレーズ歌い終わるまで座らせるのもアリです。

失敗してしまったら?

「大丈夫だよ。さっぱりしようね」と優しく声をかけてあげましょう。ママも大変ですが、怒らないように。普段優しいママが急に怒り出すと、その原因となったトイレやおしっこが嫌いになってしまいます。

長時間の外出をするので、パンツでは心配…

一度トイレトレーニングをはじめたら、「今日は電車に乗るから、おむつでいいよ」というようにブレてしまうのはNG。外出のときに定期的にトイレに誘うのはもちろん、おもらしをしてもいいように着替えを多めに持っていく、遠出は控えるなど、覚悟を持って取り組みたいですね。

おねしょをしてしまう

子どもにとって睡眠はとても大切なものです。トイレトレーニング中であっても、夜はぐっすり眠れるよう、おむつを履かせていいと思います。たとえ、おねしょをしてしまっても「大丈夫だよ。ぐっずり眠れてよかったね」と安心させてあげてください。

トイレでうんちが出来ない

おしっこは完璧でも、うんちはトイレで出来ない子が多くいます。(1)便座に座ると力の入れ方が分からない、(2)トイレでうんちをすることに対する恐怖心が原因だと思っています。

(1)の力の入れ方ですが、おむつのとき実はうんちをするスタイルは人さまざまで、立ってする子や机の下にもぐってする子、しゃがんでする子などがいます。それを便座に座った状態でとなると、とたんに力の入れ方が分からなくなるのです。そんなときは大人がやり方をジェスチャーで教えてあげるといいです。

(2)のトイレでうんちをすることに対する恐怖心ですが、ニオイやお尻をゴシゴシとふかれてしまうことにあります。うんちが出そうなのにトイレに誘われたとたんに便意がなくなってしまうことも。そんなときはちょっと様子を見て、トイレの外でうんちをしはじめたなと思ったらそのままトイレに連れていき、「ぽちゃんっ!」と便器にうんちをする成功体験をさせてあげてください。また、トイレでうんちをしている間は手をにぎってあげ恐怖心をとることなども有効です。

男の子、女の子の注意点

男の子のおしっこの場合、(1)便座に座ってするとき前にとぶ、(2)立ってするとき足をつたうことがあります。(1)は指で押さえて下にむける、(2)は腰を前に出して指で前に向かせるといいです。パパがお見本を見せるのもいいでしょう。

女の子のおしっこの場合も、(1)前に飛ばしてしまう子、(2)足をつたってしまう子がいます。どちらの場合も足は開きすぎず、手を前について座ると上手にできます。トイレットペーパーで拭くときは、ゴシゴシしないでちょんちょんと軽く前から後ろに拭くように教えてください。

大切なのは「焦らない」「褒める」「覚悟」

トイレトレーニングをする上での三大原則は以下です。ママも大変ですが子どもと一緒に取り組み、「出来るようになったね!」と一緒に成長を喜んであげてくださいね。

【1】焦らない

いつかは絶対に外れます。焦らないで。個人差が大きいので、その子の発育にあわせて進めましょう。1つの目安としては満3歳までと考えてください。

【2】褒める

トイレでおしっこやうんちが出来たら、パンツを汚さずに過ごせたら、たくさん褒めて、子どもに自信をもたせてください。

【3】覚悟

トイレトレーニングをすると決めたら、覚悟をもって取り組みましょう。「昨日はパンツ、今日はおむつ」という風にブレるのはNGです。ただ眠るときと下痢などで体調が悪いときは例外です。