子育てに自信のあるママなんてどこにもいない!家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。45回目は「朝の準備が遅い子ども」について。

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毎朝準備が遅い子どもにイライラ

あるお母さんから「うちの子、朝の準備が遅いのですがどうすれば良いでしょうか?」と相談されたことがあります。

毎朝、タラタラと準備しているわが子を見て、保育園・幼稚園に遅れそう…!と朝からイライラしているお母さんは多いのではないでしょうか。

子どもによって、それぞれどこで時間をとっているかは違います。全般的に朝の動作が遅い子どももいれば、食べるのにものすごく時間がかかっている子どももいるかもしれません。

まず、自分の子どもがどこで何に時間を取っているのか観察してみましょう。

そもそも、朝起きるのをもう少し早くしないと、まだすっきり目が覚めてないのかもしれません。

もしくは夜ご飯が多く、まだお腹が空いていないために食べるのに時間がかかっているのかもしれません。

この相談をしてきたお母さんに、どこで時間をとられているのか聞いたところ、食事のあと、洗面所で歯磨きなどをするのに、ものすごく時間をかけていたとのこと。

食事はテレビ番組が終わるまでにと決めているので、そこはしっかりと時間を守れているそうです。

「洗面所に時計はありますか?」と聞いたところ、洗面所には無いとのこと。いくら早くしなさいと言われても、まだ感覚では分かりません。

ましてや小さい子どもです。大人でさえ洗面所で色々なことをしていると、気が付いたときにはこんな時間!というのはありがちです。

時計を置いて「見える化」を

大人の感覚と子どもの感覚は違います。ましてや時間はそのときの気分で、長くも短くも感じるものです。人によっても違います。

仕事も「早くしてください」と言われ、言ったほうは1日以内のつもり、でも言われたほうは2、3日のつもりということもあります。

〇月〇日〇時まで、と伝えるようにすれば誤解は生じません。それは子どもに対しても同じことです。

先の相談してくれたお母さんには、

目で見てわかるように、洗面所にも時計を置いてみてはいかがですか。

とアドバイスをしました。例えば「長い針が10のところにくるまでに、歯磨きを終わらせてね」と約束すれば、子どもに「早くして」というよりも伝わりやすくなります。

生活の中で時計の勉強にもなりますし、あと時間がどのくらいあるのか、無いのか、子どもも段々と分かるようになります。

洗面所だけでなく、子ども自身が具体的に時間が分かるよう、小さいものでも良いので時計を見えるところに置く、時計の見えるところで準備をするなど、工夫してみてください。

この記事を書いたライター

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楠本佳子さん

こどもみらい塾(岡山)」塾長。自身の子育てや教育経験を活かし、ママを対象としたセミナーや個別相談も行っている。著作に「12歳までに勉強ぐせをつけるお母さんの習慣」>ホームページはこちら

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