やりたい仕事や、ワークライフバランスを考えると、今のままでいいの? それとも転職? 迷うママも少なくありません。そこで、キャリアデザインセンター女の転職@type編集長に「働くママの転職事情」について教えてもらいました。

教えてくれたのは

女の転職@typeの編集長 古澤さん

キャリアデザインセンターが運営する、正社員で長く働きたい女性のための転職サイト「女の転職@type」の編集長。公式サイト https://woman.type.jp/

question女性の転職事情について教えてください。子持ち転職は可能ですか?やはり「年齢の壁」はありますか?

answer女性の「長く働き続けたい」想いに追い風! 企業側の女性活躍推進の機運が高まり、ワークライフバランスへの理解も深まっています

女性労働力の需要は高まっています

「できれば定年まで働きたい」「正社員として可能な限り働き続けたい」という意欲的な女性が増えています。長く働き続けるためにもプライベートとのバランスを保てる仕事を探している印象です。

企業側も女性を積極的に採用し、子育てをサポートする制度を整備する動きが広まっています。女性活躍促進や育児サポートの証となる厚生労働省の女性活躍推進企業「えるぼし」や子育てサポート企業「くるみん」の認定を受けている企業の求人掲載もここ最近増えているのもその表れといえます。

「時短勤務であってもパフォーマンスが高く、結果を出している優秀な女性が多い」という企業の声をよく聞きます。今後、日本の“労働人口”が減少していく背景を企業側も深刻に捉えているので、女性労働力の需要はますます高まっていきそうです。

転職したいママは増加傾向に

そのような中、働くママの応募者も増加傾向にあります。育児休暇から復職するときや、子どもが小学4年生になり手がかからなくなるタイミングで転職を検討する人が多いようです。

いわゆる「35歳の壁」など年齢的に転職できないのではないか?と考えるママもいるようですが、確かに将来的なキャリア形成を考えたとき年齢による有利・不利があることは否めません。ですが、以前よりは随分と緩やかになってきているように感じます。

question雇用ニーズが高まっている職種は?未経験で飛び込んでも大丈夫ですか

answerズバリ、IT系!未経験者を育てる環境も整ってきています

2017年4月東京都の有効求人倍率は2.07倍(※1)。IT系の職種に絞ると求人倍率はおよそ4.0倍ですので、人手不足であることがわかります。プログラマーやWebクリエイターは男性のイメージが強いですが、ここ最近では「未経験でもいいので女性を採用したい」という企業が増えています。

これまでIT業界は未経験者を育てる土壌が整っていない状態でしたが、未経験からスタートし、女性のIT系職種デビューをかなえている事例が生まれています新しい仕事にチャレンジしたい!と考えている女性にとって、転職の有力候補の一つになりうると思います。

※1 平成29年5月30日発表 厚生労働省報道資料

question「いざ転職!」となったとき、応募から内定までどれくらいの時間がかかりますか?

answer企業によってまちまち。複数の企業選考を同時に受けると効率的

応募から内定まで1週間で決まるケースもあれば、2カ月以上を要する企業もあります。狙いを定めた1社の選考を2カ月受けて、結果内定を勝ち取れなかったときの打撃は大きいですよね。効率的に転職活動を進めるのであれば、「10社ほどエントリー」が目安になります。

あくまでも自分の都合の許す限りですが、限りある時間を無駄にしないためにも、複数の企業選考を同時進行で受けることは有効です。その際は、他社選考も受けていることを正直に先方へ伝えることがマナーとして大切です。

question働くママが面接で成功するための秘訣はありますか?

answer家族の協力体制をアピールしましょう


「仕事をしながらの子育て、大丈夫ですか?」と質問をする企業が多いです。そのときに「大丈夫です!」と即答できるか、「少し心配です」と答えるか。当然、雇用する側としては、前者の方が安心できます。

より具体的には、「お子さんが熱を出したとき、頼れる人はいますか?」と確認されたとき、「夫のサポートがあります」「実家やきょうだいの協力を得られます」など、家族のサポートをアピールできると、採用する側の信頼感につながります。それぞれの家庭の事情はあると思いますが、お子さんの急なトラブルが発生したときのバックアップ体制を用意し、アピールできるといいですね。

questionこれから転職活動をする働くママへアドバイスをお願いします

answer遠慮しなくていいんです! 家庭も仕事もあきらめないで

子持ちだと企業に受け入れられないのではないか?転職できないのではないか?と後ろ向きに考えている働くママがまだまだ多い印象ですが、徐々にサポート体制が整ってきている実感があります。企業が行政と一体となって女性の雇用を促進している今、遠慮せずに「もっと欲張りになってもいいのではないか」と思います。

家庭と仕事の両立について、家族からの理解と協力を得ることが鍵となりますが、家庭環境は人それぞれ。決して無理にいろんなものを背負ってがんばるのではなく、自分の可能な働き方を見極めて、「いい企業に出合い、いい転職してもらえたら」とエールを送りたいです!