不満ばかりをため込むと夫婦関係は悪くなる一方。お互いに認め合えるイイ関係を築くためにはどうすればいい? 臨床心理士で夫婦関係の悩み相談なども受け付けている野末武義さんに話を聞きました。

お話を聞いたのは

明治学院大学 心理学科教授 野末武義さん

臨床心理士・家族心理士。夫婦・親子・家族関係にまつわる悩み相談を受け付けるIPI統合的心理療法研究所の所長も務める。著書に『夫婦・カップルのためのアサーション』など。

相手のことを認め合い「ありがとう」を言える夫婦に

お互いの気持ちや考えを認識するために、大切なのは話し合うこと。女性は仕事の大変さもよく話しますが、男性は話したところで解決ができないからと、話さない人が多いです。

でも言わないから聞かない=相手が分からない→分からないから関心がなくなる→関心がないからさらに聞かないし言わなくなる。それでは、親密さを育むことはできません。“相手の気持ちや考えを聴くこと”を意識しましょう。

次に必要なのが“想像力”です。あなたは相手が考えていることが分かりますか?職場や家で何をしてどんなことを感じ、考えているのか。相手の行動や気持ちを共感的に想像することで、自然と思いやれるようになります。

職場で起きたことは、良くも悪くも家庭で影響が出ます。ストレスを互いにねぎらい合えるのが理想です。

そして、「ありがとう」「ごめんなさい」を言うこと。長くいい関係を続ける夫婦も、短期間で別れてしまう夫婦でも直面する問題は同じです。

そこでどれだけポジティブな言葉を伝えられるか、葛藤や問題が起きたときに修復しようと努力をするのかで、その後の関係が変わります。

さらに、夫婦における平等とは5対5で分担することとは限りません。お互いの忙しさ、責任、体力、得意不得意をよく理解し合い、歩み寄って決めることができれば、関係に対する満足度は高くなります。

ステキな夫婦関係のための3カ条

  1. 自分の思いを話し、相手の話を聴く
  2. 相手の職場や家での様子や思いを想像する
  3. ありがとう、ごめんなさいを声に出して言う

※この記事は、2018年6月発行の「ぎゅって7月号」に掲載した記事を再編集したものです