/ 2017.08.17

海外で暮らす日本人ママの毎日を紹介する連載の3回目は、イギリス。「子どもの可能性を伸ばしたい」というママの気持ちは世界共通。イギリスでも、ママたちの幼児教育やお稽古に対する関心はとても高くバラエティ豊富に揃っています。

生後7カ月の息子とおしゃべりできる?ベビーサイン教室とは

ベビーサインとは、発話前の乳幼児との手話や手振りのジェスチャーを用いて、コミュニケーションを行う手法のことです。

こちらの教室のマスコットキャラクターが子ども達に大人気。黒白の猫で、名前はジェシー。テーマソングに合わせてジェシーが登場すると、赤ちゃん全員がママのお膝を離れて一目散に高速ハイハイでジェシーのもとへ向かっていくほどの愛されぶり!

この教室を受けた後、「ミルク」や「もっと」などの簡単なものでしたが長男とサインでおしゃべりすることができるようになりました。

独自のメソッドで子どもの成長が実感できる音楽教室

次に、イギリスの音楽教室をご紹介します。Jo Jingles、Music Bugsなど全国展開のものが沢山ありますが、私は長男が3歳の時に、地元で設立されたMusical Treehouseを訪れました。

まずはサークルタイムで、ママやパパの膝の上に子どもが座り床の上に輪になります。講師が親子に「今日はどんな声で挨拶しますか」と順番に歌いかけ、「メゾピアノ」「アレグロ」「フォルテシモ」など強弱や速度を選んでから「マイネームイズ……」と自己紹介。

幼かったり恥ずかしくて自分で名前を言えない子どもがいると、親の出番。シャイな息子もこれが苦手で私は内心焦りつつも、別コーナーでは楽しそうに楽器を叩いたり踊ったりする息子を見て通い続け、一年後初めて自己紹介できたときは涙が出そうになりました。

他のコーナーも含め歌は全て教室創始者の講師オリジナル。動物やサメ、森など子どもたちが大好きな題材を用いて、カスタネット、太鼓、鈴、タンバリンなど、子どもが自分で選んだ楽器を使ったり、カラフルな布や紐を持って踊ったりと、とにかく盛りだくさん!毎週最後に歌っていたテディベアの歌は、長男が小学2年生になった今でも子守唄代わりに歌ってあげると喜びます。

生後数カ月から通い始める子も。イギリスでも人気のスイミング

イギリスで、特に人気があるのがスイミング教室です。

生後数カ月から通い始める熱心な保護者が多いことに驚きました。3歳になるまでは、インストラクターがいても必ず親がプールの中で付き添います。

早いうちに始めるほうが赤ちゃんがママの羊水の中にいた頃の記憶があるため、水に抵抗なく潜ることができるとか。3歳以上の親はプールに入る必要はなくなり、インストラクター1人に対して子どもが3人という風に、年齢につれ子どもの割合が増えていきます。

スイミングはとにかく人気のお稽古でどこの教室も常に空き待ちリストがあるほど!理由はイギリスの一般的な公立小学校にはプール設備がないからです。イギリス人ママ友は「命を守るための生涯スキルだから」と現在7歳の娘さんを0歳の時から通わせています。

ベビーと一緒にママもリラックス。ベビーヨガ教室


最後は、ベビーヨガについてです。ヨガというと難しそうに感じられますが、イギリスでのベビーヨガの特徴はママもベビーもリラックスできることなんです。

ママが赤ちゃんを重り代わりに抱っこしながらポーズしたり、赤ちゃんをヨガマットに寝かせて眼を見つめながら腕立ての姿勢をしたり、ゆる~い雰囲気で行われます。メディテーション用のBGMが流れているせいか、途中からスヤスヤ寝てしまう赤ちゃんも続出。

私が通っていた教室では最後に、ビスケットと紅茶あるいはハーブティーというイギリスらしいティータイムが10分ありました。家ではなかなか落ち着いてヨガに取り組む時間も余裕もないため、ヨガマットに座ったままいただくお茶も含め癒しのひとときでした。

イギリスのベビーと幼児のお稽古事情いかがでしたでしょうか? どの教室にも共通しているのは、親と子どもの絆をさらに深めることができる、親も子どもも楽しめる、という点なようですね。

レポートしてくれたのは

ハモンド 綾子さん

グローバルママ研究所リサーチャー。1999年より在英のライター/翻訳者。留学後、ロンドンで仏ブランドと日系ホテルに勤務。現在はイギリス人の夫、2人の息子と世界遺産の街バースで4人暮らし。
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