2018.07.29
夫婦間のちょっとしたすれ違いや悩みに専門家がアドバイス。今回は、「夫にしてほしいことが、うまく伝わらない」悩みへの対処法です。
お話を聞いたのは
- 高草木陽光さん(夫婦問題カウンセラー)
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(たかくさぎはるみ)「HaRu(ハル)カウンセリングオフィス」代表。カウンセリング・相談件数は累計7000件以上。著書に「なぜ夫はなにもしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか」(左右社)
question「夕食の支度中に、掃除をするのはやめて」どうすれば夫に険悪にならずに伝わる?
掃除をそれほど重視しない私と、大事と考える夫との意識のずれで、たびたびケンカになります。特に休日の夕方、私が食事の準備をしたい時間と夫が掃除をしたい時間がかぶり、その間子どもが放ったらかしになっている状況を改善したい。
「夕食の支度をしている時間に掃除をするのはやめて」と言うと、夫は「せっかく掃除をしているのに、なぜ文句を言うのか?」と、険悪な雰囲気に…。どうすればうまく伝わりますか? (Mさん・30歳)
自分のペースで家事をしたい夫、効率が気になる妻のすれ違い
夫は、平日朝の食事準備や保育園への送り、掃除を主に担当。私は平日夜と休日の食事準備、保育園迎えを主にしているのですが、「食事準備の時間帯は分かっているのだから、昼寝をせずに先にしておいてくれたらいいのに!」って責めたくなります。
answer相手を否定せず希望を伝える3つのポイントを実践してみましょう
【1】夫の性格・思考パターンに合わせた伝え方を
多くの男性は、冷静に、論理的に話すと耳を傾けるもの。「結論から話す」「5分だけいい?」と見通しを持たせるなど男性が理解しやすい話の流れを工夫してみましょう。
【2】相手の気分を上げた後に、本題に入る
誰でも会話の冒頭からダメ出しは聞きたくないもの。普段から夫のいいところをできるだけ褒め、感謝の気持ちを伝える意識を。明るい話題から始めると、聞く耳を持ちやすくなります。
【3】「I(アイ)」メッセージで伝える
「私」を主語にした伝え方は、柔らかいイメージを与え、前向きな言葉として伝わります。また、「していたよね」は、「してくれたよね」、「私は○○してあげた」は「私は○○した」にするなど、言葉の微妙なニュアンスで受け取り方が変わりますよ。
result7日間実践。責め口調を改めたら、希望がかなった!
1日目 普段の話し方や言葉を意識してみると、夫に対して「どうして○○してくれないの?」と怒り口調になっていて、いかに「キツイ」感じになっているかを痛感。
2~5日目 夫にお願いする際は、何か褒めたりマッサージ中だったり、相手が反抗しづらいタイミングを見計らうように。「ありがとう」「すごくきれいになったね」と掃除に対する感謝も伝えていくうちに、話を聞いてもらいやすい雰囲気ができました。
6~7日目 アドバイスを基に「休日は子どもをできるだけ一人にさせたくない。夕食の時間帯は子どもの面倒を見てほしい」と希望を伝えたら、掃除の時間をお昼に変えてくれました。昼食をゆっくり食べる時間が今度はなくなりましたが(笑)。
お互いを労わる言葉が日常的に出てくるようになり、「自分ならどう伝えられたら気持ちよく動けるか」を冷静に考えるようになれたのが良かったです。
※この記事は、2018年7月発行の「ぎゅって8月号」に掲載した記事を再編集したものです
illustration KATSUYAMA Keiko