言うことを聞かない男の子にママはいつもイライラ。ママを悩ませる困った行動の対処法をシリーズでお届けしています。ガミガミ叱るよりも、まずはやってみて!今回は「兄弟ゲンカの対処法」です。もちろん女の子にも使えます。

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きょういだいゲンカ勃発!そのとき親は?

さっきまできょうだいで仲良く遊んでいたのに、気が付けばいつの間にかケンカに発展!なんていうこと、よくありますね。

ここで気になるのが、子どもがケンカをしたら「いつ、どのように対応するか」。「やめなさい」と言って間に入っていくか、またはそのまま放っておくか。

ケンカが起こった場合、どのように対処したらいいのでしょうか?

基本的には本人たちに任せる

手が出たり、取っ組み合いのケンカになったりと、ひどいケンカでない限り、きょうだいゲンカは親が口出しせず終わるまで本人たちに任せましょう。

このように言われると、「大丈夫なの?」と心配する方もいるかもしれません。でもそんなに心配する必要はありません。人は、生きていれば誰かとぶつかり合うときがあります。

むしろ、誰とも対立せず永遠に仲良く過ごしていくことの方が難しいのです。ですから、ケンカが起こってしまったことを責めるよりも、どのように解決するのかが大切です。

きょうだいゲンカは、人と対立したときに、どのように解決したらよいかを学ぶ絶好のチャンス。

とはいえ、エスカレートすると、つい手が出てしまうことがありますので、そんなときは親が介入していきましょう。

親が介入するのはいつ?

子どもが相手をたたいたり、激しく罵倒し始めたら、親の介入のタイミングです。

子どもが手を出す前に介入できればよいのですが、手が出てしまった後に気付くこともあります。その場合は、気付いたらすぐに介入してとめましょう。また、「死ね」などの暴力的な言葉を言ったときもやめさせます。

きょうだいゲンカの対処のしかた

きょうだいゲンカに介入するときも、「子育て3ステップ会話法」を使います。

下記のように「ステップ1」→「ステップ2」→「ステップ3」の順に進めていきます。子どもの困った行動がなくなった時点で、ステップは終了です。

このシリーズの第1弾から第4までは相手が子ども1人の場合の対処法でしたが、今回は同時に対応する相手が子ども2人の場合の対処法について紹介します。

例として、弟がお兄ちゃんの使っているおもちゃを取ってしまい、お兄ちゃんが弟をたたいてしまったケースを考えてみましょう。

ステップ1:「子どもひとりひとりに共感する」

ステップ1は、「子どもに共感する」です。

子どもの気持ちに寄り添う言葉がけをします。このときのポイントは、「子ども一人一人に、別々に声をかける」ということです。なぜなら、お互いに置かれている状況や抱いている感情が違うからです。

このように、お兄ちゃんと弟それぞれに共感します。子どもは親に気持ちをくんでもらえると、気持ちが落ち着いてきます。

この後、子どもが何か訴えてきたら、じっくり話を聞いて「そうだったのね」「○○だったのね」と受け止めます。ここでは、どちらが悪いのかはジャッジしないで、話を聞くだけに留めましょう。

けんか両成敗の精神で、ひとりひとりの気持ちに寄り添います。ひとりずつの気持ちに寄り添ったら、2人がどうするかは自分自身で考えさせます。

ステップ1でもまだケンカが続く場合は、次のステップ2に進みましょう。

ステップ2:「ひとりひとりにママの気持ちを伝える」

ステップ2は、「ママの気持ちを伝える」です。これは、「理由+ママの気持ち」という形で伝えます。たとえば、「○○だから(理由)、ママは△△なの(気持ち)」というようにです。

頭ごなしに叱ると、子どもは反発して言い訳や口ごたえをしたくなるもの。ステップ2では、ママが自分の気持ちを伝えているだけなので、そのような反発も少なくなります。

ママの素直な気持ちを聞いた子どもは、「ママが困っているなら行動を変えてみようかな」と思いを巡らせます。ママが気持ちを伝えてもまだその行動が続く場合は、次のステップ3に進みましょう。

ステップ3:「3人でアイデアを出し合う」

ステップ3は、「アイデアを出し合う」です。「どうしたらよかったと思う?」などと切り出し、「3人でいい方法考えてみない?」と子どもが話しやすい状況を作って、お互いに案を出し合ってみます。子どもからアイデアが出ないようであれば、ママがいくつか提案してみましょう。

アイデアが出せたら、全員が賛成するアイデアを選びます。たとえば、みんなが弟のアイデアを選んだなら、さっそく実行してみましょう。

親に強制された解決策ではなく、話し合って自分で納得した解決策であれば、子どもは自分から進んでやってくれるでしょう。

「子育て3ステップ会話法」はWin-Winな解決方法

人が対立するときは、どちらかが勝って、どちらかが負けることが多いもの。「ケンカはダメ!」「あなたが悪い!」と子どもを叱って言うことを聞かせた場合、勝つのは親、負けるのは子どもです。

このとき、負けた方は少なからず勝った方に否定的な感情を持ちます。ステップ3の話し合いは誰も負けることのない、みんなが勝つ、まさに「Win-Win」の解決方法と言えます。

また、ステップ3で行う建設的な話し合いは、子どものコミュニケーション力と問題解決力を高めます。

これまで紹介してきた「困った行動の対処法」シリーズ。このシリーズでは子育て3ステップ会話法を使って具体的な声かけを紹介してきました。

最初は声かけの例をそのままマネすればOKです。徐々に自分でアレンジしていってくださいね。

この記事を書いたライター

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佐藤麻依子さん

大学院3年生と大学2年生の男児2人の母。子育て&中学受験カウンセラー歴18年。「子育て3ステップ会話法®」を考案。著書『男の子のための魔法のこえかけ 3ステップしつけ法』。独自のコーチング講座や子育て心理学協会の「ココロ貯金®」講座を提供。イヤイヤ期・思春期・反抗期・受験期の悩みを解決します!

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