2児のパパ目線、そして新聞記者の目線で子育てや世の中の気になることを読み解く、高橋天地さんの「新聞記者パパのニュースな子育て」。今回はこの夏子どもと見たい新作の映画をご紹介。

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この夏、大作が続々と公開へ

ちびっ子たちは夏休みを迎えた。7、8月のファミリー向け映画は昨年大ヒットした「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」や「怪盗グルーのミニオン大脱走」などと同様、洋画のシリーズものと、邦画アニメーションの大作が並んだ。

「ジュラシック・ワールド/炎の王国」

7月の洋画は、平成27年度年間興行収入1位(95億3000万円)を記録した「ジュラシック・ワールド」の続編「ジュラシック・ワールド/炎の王国」(7/13公開)が目玉作品となる。

©Universal Pictures

興行通信社の発表によると、公開2週目の週末となる7月21~22日の全国観客動員ランキングは、動員48万6000人、興行収入7億570万円を記録した同作が2週連続首位となった。

累計(22日現在)では、動員240万人3900人、興収35億円を突破。世界累計興収は69カ国と地域で約1200億円超と大ヒットしている。

宣伝担当者は

よりリアルに映画の世界を感じることができる仕掛けが満載のMX4D、4DX、IMAXの上映館でリピーター客が目立つ。

「MX4Dで7回も鑑賞した観客もいます。国内興収100億円突破はクリアできるのではないか」と話す。

8月公開の洋画はコレに注目

「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」
©2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

8月の洋画は、トム・クルーズ主演のシリーズ第6作「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」(8/3公開)。犯罪コメディー「オーシャンズ」シリーズのキャストをすべて女性に変更した「オーシャンズ8」(8/10公開)も期待を集めている。

「インクレディブル・ファミリー」

©2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

アニメについては、興収52億6000万円を記録し、米アカデミー賞長編アニメ映画賞に輝いたディズニー・ピクサー作品「Mr.インクレディブル」(2004年)の続編で、「インクレディブル・ファミリー」(8/1)が公開を待つ。

正義の味方として米国の街の治安を守る超能力を持った5人家族の活躍を描く。

今回の主人公は妻、ヘレンことイラスティガール(声・ホリー・ハンター、吹き替え版・黒木瞳)。赤ちゃんの育児に追われ、存分に正義の味方として活躍できず、不満を募らせていた彼女が、いかに仕事と育児を両立させながら、巨悪をやっつけ、国民のヒーローとなったかが、テンポよくダイナミックに描かれている。

©2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

映画ジャーナリストの大高宏雄さんは「過去に実績があればこそ映画はシリーズ化される。日本では家族連れを当て込んで夏休みが草刈り場となる」と話し、洋画の勢いのよさを強調した。

絶賛公開中!充実の邦画アニメ

一方、邦画はアニメの大作が顔をそろえる。 細田守監督のオリジナル長編「未来のミライ」 と、シリーズ第21作「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」が公開中だ。

「未来のミライ」

© 2018 スタジオ地図、東宝提供

「未来のミライ」は、主人公は4歳になった 甘えん坊の男の子、くんちゃん(声・上白石萌歌)。

生まれたばかりの妹、ミライちゃんにばかり注意を向ける両親に不満を爆発させる日々を送っていたが、ある日、未来からやってきたミライちゃん(声・黒木華)との冒険を通して、さまざまな家族の愛の形に触れる。

建築家の〝主夫〟のおとうさん(声・星野源)と育児休暇を終えた編集者のおかあさん(声・麻生久美子)の家事の分担をめぐるトゲのあるやりとりは実にリアル。

見ていてどきっとさせられる場面が散りばめられている。週末の全国観客動員ランキング(21~22日)は初登場2位。 動員29万5000人、興収4億円をあげた。

近年、細田作品が「サマーウォーズ」(16億5000万円)、「おおかみこどもの雨と雪」(42億2000万円)、「バケモノの子」(58億5000万円)と右肩上がりで興収を伸ばしてきた経緯を踏まえ、大高さんは「『未来のミライ』が台風の目になりそうだ。『バケモノの子』超えの可否が映画ファン最大の関心事となる」と指摘した。

「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」

©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon ©2018 ピカチュウプロジェクト

「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」は、公開1週目の週末観客動員ランキング (7月14~15日)で2位スタート(同通信社調べ )。

2週目の2日間(21~22日)は3位に順位を下げたものの、観客動員は20万2000人、興収2億3800万円に上り、累計では動員103万人突破、興収も12億円に迫る勢いだという。

この記事を書いたライター

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高橋天地さん

1995年、慶應義塾大文学部独文学専攻を卒業後、産経新聞社へ入社。水戸支局、整理部、多摩支局、運動部などを経て、SANKEI EXPRESSで9年間映画取材に従事。現在は文化部。学芸班(文学)、生活班(育児、ファッション、介護、医療、食事、マネーなど)を経て、2017年10月から芸能メディア班に所属し、映画取材を担当。2019年5月1日より公式サイト「産経ニュース」のWEB編集チームに所属

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