/ 2019.09.20

こんにちは、kikoです。
今回は『マタニティ関連』の記事です。今一度タイトルをご確認いただき、デリケートな時期にある方は閲覧をお控えください。一体験談としてご覧いただけることを希望しています。

ご報告

私ごとではありますが、このたび待望の第二子を授かりました。すでに安定期に入り、つわりも落ち着き、パワフルな『ワーマママタニティライフ』を送っています。

初めての妊娠とはまた違った発見があり、最愛の息子にきょうだいができることを思い浮かべる日々。そして、些細なマイナートラブルにも不安を感じる日々。心の中はいつもピンクとブルーを行ったり来たりしているような感覚です。

出生前検査は受けるべき?夫婦間での意見の不一致。

つい先日も心が揺らぐ出来事がありました。

妊娠15週目以降、私の通う産院では希望者のみ「出生前検査」を受けることができます。一人目の出産ではこの検査の存在を知らず、素通りしてしまいました。息子の時には受けなかった検査なので、主人に「この検査は任意なんだけど、受けなくてもいいよね?」という聞き方をしました。

ところが「その検査は受けた方がいいでしょ。むしろ、なんで一人目のときは受けなかったの?」と主人に言われてしまいます。あれ?いつもみたいに「いいよ」って返事が返ってくると思っていたのに…。夫婦間での意見の不一致がそこで生じました。

母として、出生前検査を考える。

私が出生前検査について初めて考えたのはドラマ「コウノドリ」を観たとき。出生前検査を受けた2組の夫婦が、お腹にいる子供がダウン症である可能性が高いと知り、出産するか否か、それぞれ別々の選択をする…といった内容だったと思います。

私は涙が止まらなくなりました。何に対する涙かもわからない。でも、ただただ胸がいっぱいになりました。子を持つ親なら『命の尊さと現実の厳しさ』どちらもすごくわかる。そして、私自身が何に共感し、何を正しいと思うか。それはそのとき答えが出ませんでした。

出生前検査を受ける直前の心境は?

主人に促されたこともあり、出生前検査を申し込むと決めて向かった妊婦健診の日。その日は初めてお腹の上からエコーで赤ちゃんを確認できた日でした。

「あ、動いてる」

胎動が無いこの時期は、健診で赤ちゃんに会えるのが毎回待ち遠しいです。心拍が確認できることが嬉しくて、元気に育っていることがありがたくて、白黒に映るだけの我が子がとてもとても愛おしい。いつものようにそんなことを考えていたら、急にそのあと受けようとしている出生前検査が怖くなってしまいました。

「もしも陽性だったら…?」

この子の未来は思い描いていたものと変わってしまうのかもしれない。主人は、家族は、この子を産むことを許してくれるだろうか。「検査を受けろ」と言った主人の真意はなんだったんだろう…。混み合う待合室でこんなに思いつめた顔をした妊婦は、きっとあの日、私だけだったと思います。

医師から説明された検査の内容とは?

出生前検査を受ける前には主治医から検査内容の説明があります。そして「その内容を理解し、医師に促されたわけではなく自分の意思で検査を受けます」という趣旨の同意書にサインを書きます。

私が今回受けようとしていたのは『母体血清マーカー検査』。血液を採り、胎児が対象の疾患に罹患している確率を算出するスクリーニング検査です。より正確な情報を得るための羊水穿刺による検査や、画像診断の必要性を考慮する材料になる…というものです。(一部抜粋)

診察の際、検査を受ける希望を伝えると先生から「本当に検査を受けたいの?うちの産院でこの検査を受けた人の15%は結果が陽性です。15%という数字は決して少なくない。そして、陽性と診断された人が、確定診断のために次の羊水検査をする割合も100%ではない。何のために受けるのかをよく考えて。しっかり検査の内容を理解して、それでも受けたいと思うなら同意書にサインしてね。」と言われました。

検査内容の冊子と同意書を渡された私はまた待合室で一人になって考え始めます。

出生前検査を受けるメリットは何?

我が家にはすでに2歳の息子がいます。私たち親が生きている間はたとえ何らかの障害をもつ子供が生まれても乗り越えていく覚悟があります。

でも、息子が成人し、家庭を持ち、いずれ親を亡くし、きょうだいが障害を持っていたら…自分の人生を自由に生きられないと思うかもしれない。事前に陽性と分かり、命の選別をしたらそれは避けられるのか?

…もう、ここまで考えるのが限界。こんなことを考えること自体、お腹にいる子に申し訳がなくて、また泣きそうになりました。

夫は何事も計画的な性格なので、血液検査でわかることなら事前にはっきりさせたほうがいいという安易な考えで提案したのかもしれません。

でも、すでにこの子はこの日まで15週間、私をお母さんにしてくれました。すくすくと育ってくれる我が子を抱え、母親は心を乱すことなく『命を諦める』なんてことを考えられない。

ただ、主人もこの子の親です。彼の提案の意図もしっかり確認、相談しないままその日受診したため、父親の意思を尊重するかたちで出生前検査は受けて帰りました。

私は出生前検査を受けて後悔しました。

検査の結果が出るまでは約10日間。結果を待つ間、仕事や家事の合間に時間ができると、いつもその検査のことを考えています。悩んでも仕方がない、数日後には結果が分かることだと割り切っても、心の奥ではもやもやとした気持ちがずっと続きます。

私の体を今『母体』と呼ぶならば、この検査を受けたことは間違いなく「母体へのストレス」をかけました。きっと私ほど悩まない人もいるし、結果を受けて将来を見通し、できることを最大限するという考えもあると思います。でも、私にはそれができなかった。

今は医療が進歩して、…進歩しすぎて、知りたくないことまで知れるようになりました。知りたくないことを先延ばししたいわけではありません。ただ、デリケートな時期に母体に負担をかけることに私は強く抵抗を感じました。

母と子は今一心同体であることをもう一度考え、夫とよく相談した上で受ける検査だったと私は後悔したのです。

出生前検査、受ける目的はなんだろう?

今回は中立的な立場で意見するため、検査の結果を知る前にこの記事を書き上げました。結果を知ったあとでは、同じように綴ることはできないかもしれない、と考えたからです。

そして、これらは医療従事者としてではなく、母親としてではなく、一個人としての体験と考えです。取り巻く環境や家族の考えが違えば、この検査の重要度は変わるし、結果を待つ心境やその後の未来予想も変わるはず。

少なくとも私のように、検査前に曖昧な気持ちのまま受ける検査ではなかったように思います。

出生前検査を受ける決断は家族と一緒に!

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kikoさん

現役薬剤師。元製薬会社勤務。第一子の産休中にフィナンシャルプランナー2級を取得し、家計管理はきっちり主義。2歳&5歳の男の子を育てる『ママレード・ボーイ』世代のアラサー主婦♪美味しいものが大好きなので、おうち献立は日々アップデートしたいと思っています!

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