2,000万円という数字が独り歩きしているだけ

老後に2,000万円不足するとはどういうことなのか、年金が100年安心って言っていたのは嘘なのか、などと、国会で大騒ぎになっています。こんな反応になるのは、ちょっとびっくりです。

2,000万円の元は、金融審議会・市場ワーキンググループが公表した「高齢社会における資産形成・管理」という報告書です。「高齢夫婦の無職世帯の毎月の赤字額が約5万円」なので、約5万円×12ヶ月×30年=だいたい2,000万円ぐらい、というざっくりとした計算に基づいています。

ただの平均値の掛け算なので、それ自体を取り上げて大騒ぎするのはどうかと思うのですが、国民の多くは報告書を読まずに「老後に2,000万円ないと生活できないなんてひどい」みたいに思ってくれるはずと、政治家の方々は考えたのでしょう。惑わされないようにしたいです。

本当に私たちが年金で遊んで暮らしたら、苦しむのは子どもたち

とはいえ、日本が超高齢化社会であり、今後も子どもが劇的に増えることは考えにくいのは事実です。つまり、私たちが現役を退いた後は、数としては少ない子ども世代が私たちを支えることになります。

仮に私たちが遊んで暮らせるほどの年金を受け取ったら、子ども世代が疲弊することになります。働いても働いても、親世代に搾取されていたら、豊かな生活を送ることは難しいでしょう。

私はそれは望みません。子どもたちには幸せになってほしいし、そのためには自分が稼いだお金は自分で使って欲しいです。だから、ある程度自分たちで老後の資金はどうにかしようと考えています。

なるべく長く働く、支出を減らす、も選択肢になる

ひとつは、なるべく長く働くということです。健康に気を遣って、学びを忘れないようにして、70代になっても自分が生活する分ぐらいは稼ぎたいです。老後にどれだけのお金がかかるのかは、未来が予想できない限り、どこまでいってもはっきりしません。不安を減らすには、今日自分がお金を稼いだという事実だけなのではないか、と思っています。

実際、この報告書に掲載されているアンケートでも、60歳以上で働いている人の半数以上が70代でも働きたいと答えています。

私たちが70代になる時代には、テクノロジーが発達して楽に働けるようになっているでしょうし、老後でも働くということがもっと一般的になっているような気がします。お仲間さんと楽しく働きたいです。

一方、支出を減らすというのも選択肢の一つです。ミニマリストのように少ない支出で心豊かに暮らしている人はいます。子どもに対してはある程度お金がかかることは覚悟していますが、自分たちについてはミニマルに暮らす工夫をしていきたいです。

そう考えれば、2,000万円は特に意味のない数字になってきます。

もちろん、私は資産運用はした方がいいと思っています。月1万円でも積立投資を続けていけば、それなりのまとまったお金になります。その過程で、お金について理解を深めることもできます。

お金の話だからといって熱くならず、冷静に。きちんと知識を得て、いろんな選択肢の中から選ぶことが大事だと思います。

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ことさくらさん

40代ワーママが目指すシンプルライフ。ズボラでも気持ちのいい暮らし、身を粉にせずに成果を出す仕事が目標です。お金についても考えていきます。夫、5歳の息子、2歳の娘、猫2匹との暮らし。カープファン。

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