/ 2019.11.20

同じお薬なのにどうして1回量が違うの?

こんにちは。薬剤師ママのママとこどものおくすりやさんです。

皆さん、こどもの風邪などで病院を受診して、お薬の処方箋を薬局にもっていくことありますよね。そのお薬がシロップだった場合のお話です。

(A薬局の場合)
シロップのお薬は1回〇ミリになります。付属の計量カップの〇ミリまで入れて飲ませてあげてください。

(B薬局の場合)
シロップのお薬は1回▲目盛りになります。このシロップの入っている容器の▲目盛りにそって飲ませてあげてください。

同じお薬のはずなのに、薬局によって1回量が違う場合があります。
実際は同じ薬なのに・・・?ではなぜ、1回量がこんなにも違うのでしょうか?

薬剤師はこどもが飲みやすい量に調整します。

お医者さんは、ごどもの年齢や体重から薬の量を決めます。通常、それが飲みやすい量かどうかまでは考えていません。そのため、お医者さんの処方箋のまま作ると1回3.36ミリなど、測って飲むのが大変な量になってしまいます。それを飲みやすく作るのが薬剤師のお仕事です。

1回量をミリにするのか、目盛りにするのかは薬局のルールや薬剤師の裁量によって決まります。

その1回量をミリにするか、目盛りにするかは、主にその薬局のルールや薬剤師の裁量によって決まります。
調整方法ですが、1回量をきれいな数でとれるように、できるだけ少ない量のお水(湯冷ましなど)、または単シロップを混ぜて調整します。単シロップとは簡単にいうとお砂糖の入ったシロップです。一般的にお水のほうが、細菌が繁殖しやすく、単シロップのほうが長持ちします。(糖度65%以上だと細菌が繁殖しにくいといわれていて、単シロップは通常85%となっています。)ただし、単シロップのほうがコストがかかってしまうので、私の経験上ではお水で調整する場合が多かったです。
そのため、ほとんどの薬局では日数が1週間かどうかを目安にし、日数が1週間以上の場合だと、初めからすべて単シロップで調整する場合。また、初めの1週間分は水で調整し、残りの日数分は原液のままお渡しし、飲む直前に自宅であらかじめ指定した線までご自身で水を入れてもらって飲んでもらう場合。などさまざまな調整法があります。
ちなみに、まれに単シロップで調整するように処方箋に指示がある場合があります。この場合単シロップの料金も他のお薬同様かかってしまうことがありますが、通常記載がないことが多いので料金がかかることはほどんどありません。

粉薬も飲みやすく調整します

余談ですが、粉薬の場合も 1回量があまりにも少なく、袋についてしまって飲みきれない場合があります。そのようなときも、薬の効果に影響のない、乳糖などで1回分をかさ増しし飲みやすくすることがあります。

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ママとこどものおくすりやさん

◆薬剤師ママ
◆私 主人7歳と4歳の娘 の4人家族
◆横浜市在住
調剤薬局併設のドラッグストアに勤務し、地域医療に貢献中!薬剤師の資格を活かした医療ネタや娘との日々の生活、クレイフラワーの習い事について書いていきたいと思います♪

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