/ 2019.09.24

「魔女の宅急便」・「おばけのアッチ スパゲッティ・ノックダウン!」が大好きな長男

長男(3歳2か月)の最近のお気に入りは、DVD「魔女の宅急便」・絵本「おばけのアッチ スパゲッティ・ノックダウン!」。キキのお母さんがビーカーを持って薬を作っている様子を興味深く見ていたり、飛行船を見ながら「事件だ~!」と叫んだり、大人とまた違う感性の長男のリアクションをみて、私も楽しんでいます。また、今まで麺類は「ちゅるちゅるめんめん」と言ってたけど、「おばけのアッチ スパゲッティ・ノックダウン!」を読んでからは「スパゲッティ」と言えるようになりました。

ご存知の通り…作者は、角野英子さん。

長男が角野さんの作品を楽しむ傍ら、私は彼女の自叙伝やエッセイに夢中になっている今日この頃です。

角野英子さんについて

誰もが知っている「魔女の宅急便」の原作者であり、去年は児童文学のノーベル賞と言われる国際アンデルセン賞を受賞。アッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけシリーズも愛され続けて今年で40年を迎えます。子供の時から大ファンという方も多い中で、私が今回ここに書くこと自体おこがましいと思いますが… 今一番会ってみたい憧れの人なので、その想いを綴ります!

ちょっと生い立ちに触れつつ… 角野さんは1935年 東京・深川生まれ。1959年(当時24歳)から2年間ブラジルに滞在。1970年(当時35歳)、その体験をもとに描いたノンフィクション「ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて」(ポプラ社)でデビューしました。同年「あしあとだあれ」(ポプラ社)。この7年後に「ビルにきえたきつね」(ポプラ社)を出版して、42歳から本格的にプロになりました。デビュー作からの7年間は子育てをしながら、毎日書いていたそうです。子供の後を追いかけながら書き続けるほど、書くことが楽しかったと。

ふと、私は今2児の子育て中で「自分の時間がない」と毎日思ってしまいますが、本当に好きな事なら、どんな状況でもやるんだろうなぁと考えさせられます。同時に、忙しい育児中でも、ママだって好きな事を続けてもいいと勇気づけられました!

戦争体験

角野さんの作品「トンネルの森 1945」(KADOKAWA)を今年8月に読みました。本の主人公は5歳で母親を亡くし、父親の再婚、太平洋戦争中に疎開。すべて、角野さんも同じ体験をしています。この主人公は角野さんの戦争時代そのものではないかと思ってしまうほど…。角野さんの疎開先の登下校の道にはトンネルのように長くて暗い森があって、「5年2組、角野栄子通りまーす」と自己紹介して走っていったそうです。私は学童疎開を経験したおじいちゃんから、戦争中は毎日食べるものもギリギリで、栄養失調で歯ぐきから血が出てきたという実体験を聞いたことがあります。疎開中の角野さんも同じ状況だっと察します。彼女の作品の中で食べ物を題材にしているものが多く、もしかしたら、食べ物は平和のシンボル、という想いがあるかもしれません。

戦争が遠い過去のようになりつつある中、決して忘れてはいけない。二度と繰り返してはいけない。子供達がもう少し大きくなったら、一緒に読みたい一冊です。

ママはみんな魔法使い!

「角野栄子の毎日いろいろ 『魔女の宅急便』が生まれた魔法のくらし」(KADOKAWA)に書いてありましたが、角野さんは「魔女の宅急便」を書いた後に、魔女についての本を読み調べたり、魔女を辿る旅をするようになりました。そして、このような解釈をされていました。

昔、人々は厳しい自然の中でいつも命の不安を抱えて暮らしていて、子供が生まれても丈夫に育つとは限らない。なんとか家族を守りたい・愛しい人の命を守りたい。そうゆう母親の気持ちから魔女という存在が生まれてきた。魔女は見えない世界を想像して、そこにあるエネルギーを感じて、暮らしに取り入れていった。やがては不思議な力、魔法と呼ばれるようになったのでは。

そして、「魔法は一つ 誰でも持っている」と、本に書かれていました。私はこれを読んだとき、子どもにとって母親は魔法使い!!と思いました。ママは、我が子がお腹空いていることを察して母乳やミルクをくれる・ご飯やおやつをパッと出してくれる・好き嫌いを知っている・どこからともなくオモチャを出してくれる・一気にオモチャを片付けてくれる・他人だったら理解不能な滑舌の甘い言葉や単語の片言でも理解してくれる・優しく撫でてくれる・ぎゅって抱きしめてくれる。まさに、子供を想う愛情は魔法そのもの!


エッセイなどを通じて角野さんを知れば知るほど、彼女の作品を読むときに深みが増し、もっと好きになります。作家ご自身についてと作品の両方を読んでいくことで、実際の経験が反映されているかもと想像したり、それぞれの作品に共通の想いやメッセージが込められていることを感じたりできます。さらに、子どもに絵本を読むとき、色んな質問をしてみて、我が子の答えと作者の生い立ちを鑑みると、読み聞かせがとても面白くなります。

読書の秋。今夜は何を子供と読もうかな~

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エシカルマンマさん

家族:夫、息子2人(2歳・5歳)
宮城県仙台市出身、東京都在住。2011年の東日本大震災をきっかけに、エシカルな仕事をしたいと決意。2015年に一般社団法人エシカル協会の立ち上げから携わり、エシカル消費の普及啓発の活動をしています。エシカル子育てを日々考え、楽しみながら試行錯誤中。

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