/ 2020.04.04

出会いはふとしたきっかけ

平日は会社員、週末はパラレルキャリアで似顔絵のオーダーメイドをしている、2歳児の母、うかたそです。

先日、金曜ロードショーでピクサーの「リメンバー・ミー」を観ました。
この映画、たしかちょうど娘が生後3ヶ月も経ってない頃に上映されていたので、気になってはいたのですが、子供を置いて観に行くほどのモチベーションにはならず、いつの間にか忘れていました。

でも友人や、インターネットでの評価も高く、機会があったらいつか観たいなぁと思っていたところ、先日たまたま金曜ロードショーで放送していたので、娘と一緒に観ました。



ハマりました。

この映画を観てからというもの、私の頭の中ではいつも「リメンバー・ミー」や「ウン・ポコ・ロコ」の曲が流れ続け、仕事中もストーリーを思い出して涙したりしています。(仕事しろ)
いわば、オタクが推しメンを見つけたような状態。
この映画に完全にどっぷり浸かってしまったので、せっかくならどこに惚れ込んだのかとことん考察してみようじゃないかと思い、こうして書き起こしています。

こんな時だからこそ、楽しい話題を書こうじゃないか!

この映画のテーマは3つ!

(ここからはネタバレありになります。ご注意ください。)

なにがよいのか。

まず、この映画のテーマは3つだと思っています。
「家族愛」、「音楽」、「死」です。
そして、音楽が「家族愛」と「死」を鮮やかに浮かび上がらせるものになっています。

いわゆるディズニー映画は、ミュージカル調に登場人物たちが突然歌い出したりするのですが、このリメンバーミーの世界はミュージカルではなく、ミュージシャンとしてそれぞれが歌うという体をなしています。
その楽曲ひとつひとつが物語を進めるキーになっています。

たとえば、「あこがれのファニータ」は、ヘクターがミュージシャンであることを実感させるとともに、死者の国での「二度目の死」をミゲルに突きつけるきっかけになります。

「ウン・ポコ・ロコ」はミゲルがミュージシャンとして初めて評価されるきっかけに。

「音楽はぼくの家族」は、ミゲルがデラクルスに気付いてもらうための契機になると共に、その才能が完全に開花したと視聴者に分からせるものにもなっています。

「悲しきジョローナ」はイメルダとヘクターの夫婦としての愛を取り戻すきっかけに。イメルダの歌唱力もみどころです。

そして、ヘクターの歌う「リメンバー・ミー」は娘ココへの愛を視聴者に理解させるものになり、ここで多くの視聴者は涙すると思います。
(かくいう私も号泣。)

ミゲルの歌う「リメンバー・ミー」は、ココがパパのことを思い出すきっかけになります。

このように、すべての楽曲が、きちんと物語を動かす役割を果たしているのです。
軽快なラテンミュージック調のものや、しっとりと涙させるような調子で情感たっぷり込めて歌われているものもあったりと、音楽なしにこの物語は語れないというほど、とても印象的な曲たちになっています。

個人的には、「ウン・ポコ・ロコ」や「音楽はぼくの家族」を軽やかに歌い上げ、観客を魅了するシーンが最高に好き。

観終わって出てきた、7つの謎

さて、この物語の中で、観終わったあとに疑問に思う点がいくつか出てきました。
それについて考えてみたいと思います。

1. 劇中たくさん出てくるオレンジの花は何?
2. アレブリヘとは何?
3. デラクルスは本当に事故死なのか?
4. デラクルスが死ぬきっかけとなった鐘を落としてしまった劇場スタッフのおじいさんのその後は?
5. イメルダやココは、夫/パパの曲をデラクルスが歌っていることに疑問を感じなかったのか?
6. ミゲルという名前に込められた意味
7. なぜ一年後にはヘクターが脚光を浴びているのか?

ひとつひとつ考察してみたいと思います。

1. 劇中たくさん出てくるオレンジの花は何?

マリーゴールド。
メキシコの死者の日に欠かせない花だそうです。
(wikipedia調べ)
マリーゴールドって、「聖母マリアの黄金の花」という意味だそうで、つまり、英語だとマリアゴールドってことでしょうか。

日本だとお盆問わず、お墓には菊の花をお供えしますが、マリーゴールドも菊の一種。
死者の墓前に菊の花をお供えするのは世界共通の文化なんでしょうか?

そもそもメキシコの死者の日、日本のお盆のみならず、ハロウィンも同じように死者を祀る(祭る?)意味合いがありそうですし、宗教が全く違うのに同じようなお祭りが世界中にあるのが不思議ですよね。めちゃめちゃ興味深い。

2. アレブリヘとは何?

メキシコの伝統工芸品だそうです。
(wikipedia調べ)
以上。

3. デラクルスは本当に事故死なのか?

なんかあの鐘が落ちてきて死ぬのって、殺意ありそうじゃないですか?
金田一とかコナンを見て育った世代なので、ただの事故には見えないんですよね。

ただ、劇中で、なぜ鐘が落ちてきたのかは短い描写ですが説明されています。
スタッフのおじさんがうっかり肘をかけてしまった拍子に、レバーが外れて鐘が落ちてきてしまった、というシーンがあるんですよね。
でもこれ肘をかけたくらいでレバーが外れるっていうのもなんか危なすぎるというか、ちょっとあり得ない気もします。

こういう大掛かりなステージほど危険と隣り合わせなので、スタッフはきちんとリスクマネジメントしてるはずなので、これは誰かが故意に細工したんじゃないのかなと。
チャンスを掴むために殺人までしちゃうくらいの男なので、色んな人から恨みを買っていただろうし、殺されてもおかしくないんじゃないかな。

4. 劇場スタッフのおじさんのその後は?

さっきの話の続きですが、たぶんデラクルスの死は、このおじさんの過失ということで片付けられたのではないかな、と思います。
そうすると、何の罪もないこのおじさんは過失致死罪を問われ、おそらく懲役を受けたのではないかなぁ〜と。
なんか可哀想ですね。

5. イメルダやココは、夫/パパの曲をデラクルスが歌っていることに疑問を感じなかったのか?

まぁ、映画冒頭で「すべての音楽を家から追い出した」とあるので、イメルダやココは流行りのデラクルスの音楽すら聴かなかっただろうことは容易に想像できます。

ただ、学校とか街中でリメンバーミーが聴こえてきたりすることはあったのでは?と予想できるので、もしかしたら「夫/パパは音楽で成功したのかな?」と思っていたかもしれませんね。
そうなると、成功したはずなのに帰ってこない夫/パパに対してイメルダもココも不信感を抱いていたはず。
ココは劇中ではヘクターが破られた写真を見て「パパ、パパ〜」と親しげに呼びかけていましたし、確執は感じられませんでしたが、おそらく認知症になったからこそかなと。
記憶がなくなったから、幼少期のようにヘクターへの愛を語ってくれたのかなと思います。

6. ミゲルという名前に込められた意味

おばあちゃんであるエレナがミゲルのことを「天国からきたうちの可愛い天使」と表現するシーンがあり、私は「なんて不吉なことを・・・」と思っていたのですが、この名前の意味についてあとから気付きました。
ミゲルって、英語圏ではマイケル、フランス語圏ではミシェル。
これらに共通するのは、キリスト教の聖書においては大天使ミカエルが由来になっているということ。
エレナはそれもあり、ミゲルのことを「天使」と言ったのかぁと気付き、腑に落ちました。

7. なぜ一年後にはヘクターが脚光を浴びているのか?

デラクルスが殺人者で、ヘクターの曲を盗作していたということは死者の国では周知の事実とはなったものの、生者の国でも一年後には当たり前のように知れ渡っていたのはなぜなんだろうと疑問です。
ミゲルが言ったとしても、子供の言うことだから大人はまともに聞かないだろうし・・・。
ただ、ココが残していたヘクターの手紙は、デラクルスが盗作をしていたエビデンスにはなり得るので、ミゲルの証言+ココの持っていた手紙で、説得力は少し増すかもしれませんね。
とは言え、国民的スターなので、世間は簡単には信じてくれないのではないかとも思います。
本当にここについては謎で、若干ご都合主義を感じます。

最後に#細かすぎて伝わらない映画の好きなシーン を

(1) ミゲルが「ウン・ポコ・ロコ」を歌った後に
ヘクターが「ハレルノ、ミゲリート!」と言うのですが、そこが最高に好きです。

(2) あと、ヘクターの回想シーンで、ココに向かって語りかけるように「リメンバーミー」を歌うシーンも好きです。何回観てもこのシーン泣きます。

(3) それから、一年後の死者の日に、ヘクターが出国ゲートを通過したあと、ナチュラルにイメルダとキスをするシーンも良いですね。

こうやってみると、私はヘクター推しということが分かります。

観終わったあとは、夫と子供への愛情が増す素敵な映画。
親になったからこそ、沁みるのだと思います。

自宅にこもりがちな今のご時世、ぜひ「リメンバー・ミー」をおうちロードショーしませんか?

以上、「リメンバー・ミー」について愛のある考察でした!

子供と一緒にもう一度観て、温かい気持ちに。

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うかたそさん

会社員。夫と3歳娘と3人暮らし。都内在住。好きなものはお酒と旅行と絵を描くこと。「母になってもやりたいことを諦めない」「自分らしく生きる」がモットー。コロナ禍の心の支えは、スペイン語学習とバランスボールエクササイズです。

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