2020.10.17 / 2020.10.19
片耳難聴と診断されたら?
「片耳が聞こえていない」。これは、私の時代は本人が気づくまで周囲もわからないことがほとんどでした。でも、今は新生児のスクリーニングでほとんど判明します。
とはいえ、進行性のあるものでない場合、特段何ができるわけでもなく、親へのレクチャーもほぼなく…「そういう人結構多いので大丈夫ですよ」と言われてしまうのではないでしょうか?
片耳難聴は「聞こえる」生活です
基本的には「聞こえる」生活です。一対一で静かな部屋で、テレビを見ながら会話ができます。しかし、じゃあ完全に両耳聞こえる人と同じかと言うと、そうもいかないのが現実です。
1.ザワザワしている場所は苦手
居酒屋、ライブ会場、駅…混雑していろいろな音がザワザワなる場所は苦手です。一緒にいる人との会話は、集中していないと無理ですし、飲み会などの会話は聞こえてないしわかってないけれど雰囲気でうなずくこともあります。
また、電気屋さんなど複数の音が鳴り続けている場所はとても疲れやすく、頭痛につながることもあります。
2.音の方向性がわかりにくい
大きな音がしたとき、それがどっちから聞こえているかわかりにくいです。ぼうっとしているとき、車などが思わぬ方向からぬっとあらわれたように感じて、驚きます。怖いのが自転車で、どちらの方に避けたらいいのか、とっさにはわからないことも。
3.呼びかけが聞こえない
後ろから声をかけられても、なかなか気づけません。これが子どもの頃は「無視した」などのトラブルを呼んでしまうことがあります。
4.どこまでカミングアウトするか難しい
聞こえない側に立たれて話をするとなると、とても難しい。では、一緒に帰るAちゃんには言う?クラスのお友だちには?3でも書いた通り、無視した・されたのトラブルに巻き込まれないために言うのか…という悩みが付きまといます。
5.「聞く」ということが疲れること
わたしも両耳が健聴だったことがないので、なんとなくの感覚でしかないのですが、たぶん片耳で聞くのは疲れます。意識的に「静かな時間」を持つなどして、リラックスできるとすごく回復できると思います。
6.コミュニケーションを嫌いになりやすい
どうしても「騒がしい場」が苦手なので、お出かけしたり、飲み会やパーティに参加すると、どっと疲れてしまいます。それが片耳難聴の特性だと知らないと、どうしても「人と合うのが苦手」「教室で話しかけられるのが怖い」につながりかねません。
7.公的支援も、情報もほとんどない
わたしは補聴器が使えないタイプで、進行性ではありません。そうなると、こどもの頃年数回の「聞こえの教室」に行くだけで、他に支援はありませんでした。あくまで「健聴者」だからです。医者に行っても、当時は「聞こえてるんで大丈夫でしょう」と言われるだけだったとか。
赤ちゃんが片耳だって言われた!問題はないって言われたけれどどうしよう…と検索沼にハマらないようお気を付けください。インターネットには、医療のフリをした嘘情報もたくさんあります。まずは信頼できる耳鼻科をみつけて、定期健診からはじめましょう!!
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