こんにちは、薬剤師のkikoです。季節の変わり目で体調を崩しやすいこの時期、みなさんお体は大丈夫ですか?

子どもが病院にかかると、粉薬(散剤)を処方されることが多いですよね。今回は粉薬の包装紙のお話です。

親切だけど処分が大変?

調剤薬局で粉薬をもらうと多くの場合、「氏名・医薬品名」などが包装紙(分包紙)に印刷されてきます。

これは患者さんの飲みまちがいを未然に防ぐための対策で、多くの薬局で取り入れられる工夫です。

…でも、これ「親」目線だとちょっと不便だと感じることがあります。氏名は現代では立派な「個人情報」。フルネームと飲んでいる薬の名前がはっきり記載された分包紙を捨てるとき、躊躇(ちゅうちょ)したことはありませんか?

粉薬の多くはオーダーメイド!

実はこの分包紙の印字、調剤薬局でそのつど手入力していることをご存知でしょうか。調剤にあたった薬剤師が色々なレイアウトがある中から必要な項目が印字できるもの選び、調剤時に手入力しているんです。

つまり、印字の内容について患者さまのご希望があればその場で対応できるケースがあります。

たとえば「プライバシーを守りたいので氏名を入れないでほしい」「飲む時間を忘れてしまうので、【朝食後】など用法を追加して印字ほしい」という場合も、薬局によっては対応可能ということです(薬局のルールによりますので、詳細は各薬局の店頭にてご確認ください)。

「服薬期間中、きょうだいが何も薬を飲んでいない」場合は、必ずしもフルネームでお薬を区別する必要ないかもしれない。

「飲んでいる薬のことを他人に知られたくない」場合は、不要な心配をせず気軽にゴミを捨てられるかもしれない。

患者さんが安心して服薬するためのささやかなニーズに、薬局は応えられる準備があります。

ただし、前述のとおり、これらの印字は飲み間違いを防ぐことが目的なので、誰がいつみても「誰の・何のための・いつもらった」薬かがわかることが大事です。

自宅では薬の用法が書かれた袋(薬袋)に入れて管理し、子どもの手が届かないところに置くなど工夫をするようにしてください。

もらった粉薬の期限は?保管場所は?

ちなみに、私が粉薬で一番多く受ける質問は飲み合わせについて、そして、二番目に多い質問が「粉薬の期限」についてです。

医療機関を受診してもらった薬は特別な指示がない限り「飲みきり」が基本です。その理由は症状がある程度落ち着き、服用したお薬の効果判定をするまでに必要な期間を試算して処方日数が決められているからです。

そのため、処方された日から処方日数を終える日までがお薬の期限といえます。

解熱剤、季節性のアレルギーの薬など「症状が出た時に飲んで」と言われて渡された薬は、受け取りの際にその場で期限を確認すると安心です。

また、一般的な粉薬の「保管場所」は冷蔵庫ではなく、冷暗所で湿気を避けておくことがおすすめです。特にこれから夏場になると暑い室内、冷蔵庫などでは外気温との差で結露を起こしお薬がカビてしまうことがあります。

粉薬は見た目は固体でも、服用時に水に溶けやすく飲みやすく設計されているため液化しやすいものもあります。粉薬は長期の保管はできないものだと知ってもらいたいです。

餅は餅屋!お薬のことはかかりつけ薬局へ気軽に相談を!

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kikoさん

現役薬剤師。元製薬会社勤務。第一子の産休中にフィナンシャルプランナー2級を取得し、家計管理はきっちり主義。2歳&5歳の男の子を育てる『ママレード・ボーイ』世代のアラサー主婦♪美味しいものが大好きなので、おうち献立は日々アップデートしたいと思っています!

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