気になる新型コロナウイルスワクチンの情報ー私が接種しようと思う理由ー

2021.06.03

昨年からのコロナ渦の下、ようやく日本でもワクチン接種が進んできましたね。

5月21日にモデルナとアストロゼネカのワクチンが承認され、24日からは東京と大阪で大規模接種がスタートしました。医療従事者はもうワクチン接種をしていると思いますが、多くの人（16歳以上の一般の人）は7月以降になりそうですね。

今回はみんなが気になる新型コロナウイルスワクチンについてお伝えしたいと思います。

というのも…私の本業は臨床検査技師。そう、今よくテレビ等で耳にする「PCR検査」をしている職種です。

先日、職場で「新型コロナウイルスワクチンについて」の勉強会（プレゼンターは前職でワクチン開発に携わっていた研究者）があったので、こちらの情報も交え新型コロナウイルスワクチンについて簡単にまとめてみました。

＊現在は医療機関ではなく事務としてオフィスで働いているので、私もワクチン接種はまだ受けていないです

mRNAワクチンの安全性は？

日本でワクチン接種が始まっているファイザー/ビオンテック社とモデルナ社のワクチンはmRNAワクチン。

実際にヒトに実用化するのは今回が初めてとのこと。それゆえ、その安全性や有効性が気になるところですよね。

とはいってもmRNAワクチンの開発が始まったのは15年くらい前。最近開発された技術ではないのです。

初めはがんワクチンの開発に使われており、各種がんに対してのmRNAワクチン臨床試験はすでに行われていたようです。そして昨今の新型コロナウイルスの流行によりmRNAワクチンが脚光をあび、新型コロナワクチンに応用されることになったようです。

mRNAの大きな特徴として分解されやすいという性質があります。そのため、mRNAが長期間細胞内に残存することはなく、ヒトの染色体に組み込まれることがないため安全性は高いとされています。

実際、米国ではこれまでに1億2000万人がmRNAワクチンを接種して今のところ安全性に大きな問題はないようです（AnswersNews）。

mRNAワクチンの有効性は？

有効性に関してもmRNAワクチンは評価されています。イスラエルでは4月中旬までに人口の54％がmRNAワクチンの2回目接種を終えていて、1日の新規感染者数は10人以下になったそうです（2021年1月には1万人を超えていた）。

感染予防効果は94%、重症化予防効果は97%と報告されています（5/5 Lancet doi.org/10.1016/S0140-6736(21)00947-8）。

また、ファイザー/ビオンテックとモデルナのワクチンは、それぞれ4万人及び3万人の大規模で行われた臨床試験において95％前後の有効性を示しています（AnswersNews）。

米国の新型コロナウイルスワクチンの承認条件として提示されていた有効率50％をはるかに上回っていて、インフルエンザワクチンの有効率が約53％と報告されていることを考えると、mRNAワクチンの有効性がいかに高いかということが分かりますね。

ファイザー/ビオンテックとモデルナのmRNAワクチンはどっちがいい？

両社のmRNAワクチンは臨床試験での有効性はほぼ同等です。職場の研究者いわく「mRNAワクチン接種チャンスが来たらどちらでも迷わず受けるのがベストチョイス」とのことでした。

参考になるサイト

◆厚生労働省のサイト◆
新型コロナ感染や新型コロナウイルスについての情報はやはり厚生労働省のサイトを見るのが良いかと思います。国内外の様々な情報を端的にまとめてあり信頼できる情報です。特にQ&Ａは多くの人が抱くであろう質問や疑問を簡潔に平易な言葉で説明しているので参考になりますよ。

◆AnswersNews◆
製薬業界で話題のニュースや情報が配信されています。新型コロナウイルスの情報についても定期的に更新され、図や表などが多様されていて視覚的にも分かりやすいサイトです。