2022.03.18 / 2022.03.20
赤ちゃんの歯磨きは難しい
離乳食が始まって、歯が生え始めると赤ちゃんの歯磨きがスタートします。歯の本数の目安は「月齢-6」と覚えましょう。歯が生え始めるのは大体6カ月ごろですね。でも赤ちゃんは口を触られるのが嫌いなので、歯磨きは慣れるまでとても大変です。
赤ちゃんの歯磨きが思うようにいかなくて悩んでいるママは多いのではないでしょうか。「しっかり磨けているのかな?」「虫歯になったらどうしよう」と心配になることもあると思います。今回は、乳歯の虫歯について書いていこうと思います。
虫歯の原因は?
虫歯は、虫歯菌が口の中の糖分を分解するときに作られる酸によって、歯の表面のエナメル質が溶けることで起こります。虫歯菌は何種類もいるのですが、その代表がミュータンス菌です。ミュータンス菌は実は、新生児の口の中には存在していません。両親などから唾液を介して感染してしまうのです。
もともと虫歯菌はいない、 大人からうつる
ミュータンス菌は歯の表面に住みつくので、乳歯の生え始める生後6カ月以降は特に注意が必要です。ちょうどこの時期に離乳食を開始することになりますが、口移しをしない、同じお箸やスプーンを使わないなどの対策が大切です。
生後約19〜31カ月は「感染の窓」と呼ばれ、特にミュータンス菌に感染しやすい時期です。この時期の赤ちゃんは特に注意しましょう。
糖分はミュータンス菌のエサ
ミュータンス菌のエサは糖分です。甘いものを食べすぎたり、歯磨きが不十分になると、口の中に糖分が残り、ミュータンス菌の餌になります。そして歯を溶かす酸が産生されるというわけです。
虫歯予防のために重要なこと
以上のことから、虫歯予防に重要なのは「1.ミュータンス菌をうつさない」ことと「2.口の中に糖分を残さない」こととなります。ところで、いくら歯磨きをしても虫歯になりやすい人、逆にあんまり歯磨きをしないのに全然虫歯になりにくい人っていますよね。
ある程度の年齢になると、口腔内に虫歯菌が定着してしまうので、歯磨きに関わらず虫歯ができやすかったりできにくかったりするわけです。
ちなみに、口腔内が無菌という人はいません。多かれ少なかれ菌は存在しています。腸の中に腸内細菌がいたり、皮膚に常在菌がいるのと同じで、口腔内にもいろんな雑菌がいてバランスを保っています。
僕たちが一生懸命やっている歯磨きは「2.口の中に糖分を残さない」ために行っていることです。「1.ミュータンス菌をうつさない」というのは3歳くらいまでしかできないことなのです。
乳歯に虫歯って起こるのか?
乳歯は、永久歯に比べてエナメル質が薄いという特徴があります。そのため、一度虫歯になるとすぐに深部まで進行してしまいます。また、虫歯は歯の隙間の見えにくいところに起こりやすく、見つかったことにはかなり進行しているということもあるようです。赤ちゃん自身も痛みなどに気づきにくいので早期の発見は難しいです。
哺乳瓶う蝕(虫歯)とは?
乳児の虫歯として有名なのが哺乳瓶う蝕(虫歯)です。ジュースやスポーツドリンクなどの甘い飲み物をほ乳びんで、飲ませていると起こりやすくなります。哺乳瓶で飲むと口に飲み物が溜まっている時間が長くなるので、歯に糖分が接触している時間が長くなり、虫歯になりやすいと考えられています。
「哺乳瓶う歯」で画像検索すると怖い写真がたくさん出てきます。
哺乳瓶でミルクを与えるのは1歳くらいまでにするようにしましょう。また、ジュースなどの甘い飲み物は哺乳瓶で与えないようにすること、早期のうちはできるだけ与えないことが大切です。
甘いものは一度飲ませるとおいしいのでどんどん欲しがるようになり後が大変です。
永久歯に影響はあるの?
乳歯は食べ物を噛むだけではなく、実は永久歯を誘導する働きを持っています。乳歯の下にはすでに永久歯がスタンバイしていますので、乳歯がどう生えて抜けていくかが永久歯にも影響を与えるのです。
○歯並びに影響
歯は両隣の歯と支え合うようにバランスを取っているのですが、乳歯に虫歯ができて欠けたり抜けたりするとバランスが崩れて傾いたりずれたりします。すると、次に生えてくる永久歯もずれて生えてきてしまい歯並びに影響が出る可能性があります。
○虫歯のできやすさに影響
乳歯が虫歯になるということは、ミュータンス菌が繁殖しやすい環境が作られているということなので、永久歯が虫歯になる可能性も高くなります。
歯医者さんには行った方がよい?
生まれたばかりの頃はミュータンス菌もおらず、乳児で口内環境が乱れているということはほとんどありません。そのため、歯が生え始めたころに虫歯になるということはほとんどありません。
しかし、歯医者さんに行くことで、歯磨きの方法を教えてもらえたり、噛み合わせをみてもらえたりと虫歯以外のこともアドバイスしてもらえます。
ママの不安を解消する意味でも歯医者さんに通院するメリットは大きいです。不安があるようであれば迷わず歯医者さんに行ってみましょう。ただし、乳児を診てもらえるかは事前に確認しておいた方がよいかもしれません。
赤ちゃんのうちに口腔内環境を整えることが重要であるとお話してきました。
「1.ミュータンス菌をうつさない」ために口移しや食器の使い回しをしない。
「2.口の中に糖分を残さない」ために歯磨きをする。
以上が重要です。しかし、赤ちゃんや子供の歯磨きはなかなかうまくいきません。でも大丈夫。ミュータンス菌をできるだけうつさないようにすれば、多少食べ残しが残っても虫歯はできないはずです。歯磨きは習慣が大事だと思います。いずれちゃんとできるようになります。
無理やりやって怖がったり嫌がったりしすぎてしまうと、そもそも歯磨き自体をしてくれなくなってしまうリスクもあるので、できる範囲でやるのがよいと思います。
でも、大人のミュータンス菌を赤ちゃんにうつさない、というのは徹底できるはずです。意識して虫歯になりにくい子に育てましょう。
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ゆう先生さん やっと気がつきました!ママの大変さ偉大さ
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僕は一児のパパです。うちでは妻が育休を取っていて、育児をメインでやっているのは妻です。妻は育児、夫は仕事、という古い形になってしまっています。そんな中で、僕も少しでも妻の力になれるように日々奮闘しているところです。
僕はいわゆるイクメンパパではありません。記事の中で父親失格なのではという行動も多々登場するかと思いますが、それを承知の上で書いています。もちろん記事は妻にも読んでもらっています。温かい目で読んでいただけると幸いです。