【調剤薬局の舞台裏】新型コロナウイルス治療薬「ラゲブリオ」が届くまで

こんにちは。薬剤師のママと子どものおくすりやさんです。今回も書かせてもらうことに致しました！【調剤薬局の舞台裏】シリーズ。とは言っても今回で3回目ですが。。。

このシリーズは私が調剤薬局に勤めていて、当たり前と思っていることでも、薬局の内部事情を知らない人たちからすると目からウロコな話題なのかな？と思うことを私なりに綴っているシリーズです。あくまで私の経験を元にして書いていますのでご参考までに。

そして、今回は今話題の新型コロナワクチンの話・・・ではなく、その治療薬の一つの『ラゲブリオ』が実際に誰にどうやって処方され、どのように手元に届くのかをお伝えしたいと思います。

今回、この『ラゲブリオ』の話題を書こうと思ったキッカケですが、医療機関のお医者さまのブログではちらほら『ラゲブリオ』の話題が発信されているのに対し、それを実際に在庫している薬局からの発信がなかったので、それなら私が書いてみよう！と意気込んでみました。

『ラゲブリオ』は新型コロナウイルスのお薬です

そもそも『ラゲブリオ』とは？2021年12月24日に日本で特例承認された製薬会社MSDさんから発売されている新型コロナウイルスの治療薬です。

日本で承認されている新型コロナウイルスの治療薬は他にも何種類かありますが、この薬の最大の強みは外来で処方可能なため、早いうちから投与でき、重症化につながるリスクを減らせることだと思います。

他の薬は注射だったり、点滴だったりと自己管理の難しい薬（一部内服薬もあります）でしたが、この『ラゲブリオ』はカプセル状の内服薬なので特別服用が難しいということはないと思います。では、次から実際に誰にどのように処方されて、どうやって手元に届くかを紹介していきます。

発熱外来やオンライン診療で『ラゲブリオ』が処方されます

ラゲブリオ登録センターに登録された発熱外来やオンライン診療を実施している医療機関で新型コロナウイルスと診断を受けた患者さんに処方されます。

ちなみに、新型コロナウイルスの患者さん誰にでも処方できるという訳ではなく、この薬の安定供給が見込めるまでは、患者さんの年齢、基礎疾患など諸々の重症化因子を総合的に検討し、真に必要な場合に処方できるという仕組みになっています。

薬局に『ラゲブリオ』の在庫があるかどうか問い合わせがきます

現在、『ラゲブリオ』はどこの薬局にでも在庫しているという訳ではなく、ラゲブリオ登録センターと都道府県に登録を受けた薬局に在庫できるという仕組みになっています。私の勤める薬局は登録してあります。

FAXにて処方せん内容が送られてきます

問い合わせで、在庫があることを伝えした後、FAXにて処方せんの内容が送られてきます（FAX処方せんは仮のものなので、後で処方せんの原本が医療機関により郵便で送られてきます）。

FAX処方せんをもとにお薬を準備します。『ラゲブリオ』の処方せんはもう何度も見慣れたとはいえ、毎回緊張しながら調剤します。

オンラインにてお薬の説明を行います

お薬の準備ができたらオンラインにてお薬の説明を行います（私の職場は電話で）。余談ですが、病院でのオンライン診療のみならず、薬局でも今後、画面を通して患者さんにオンラインにてお薬の説明を行うオンライン服薬指導が普及していくそうです。

オンライン服薬指導が利用できれば、お薬は自宅などに配達されてくるので、薬局に行く手間が省けますね。特に、ぎゅって世代のパパママは小さい子どもを持つ人が多くいると思うので、わざわざ子連れで薬局に行かなくてもいいという点に魅力を感じませんか？

お薬を配達します

当然、本人も同居家族（濃厚接触者の可能性が高い）もお薬を取りにくることができないので、私たちがその日の内に配達に行きます（早急な服用が必要なため）。対面での受け渡しは避けたいところなので、ポストに入れたり、ドアノブにかけたりして受け渡しをしています。

『ラゲブリオ』のお薬代はかかりません

現在、『ラゲブリオ』のお薬代は公費でまかなわれているので、本人にはお支払いは発生しません。薬局側としてもお会計が発生しないので、お会計で本人と対面しなくて済むのでありがたいところです。

もちろん薬局によって多少の違いはあると思いますが、患者さんに『ラゲブリオ』が手元に届く流れはざっとこのような感じです。説明が下手で読みにくい箇所があったかもしれません。読んでくださった皆さまありがとうございます。

より詳しい内容の私が住んでいる神奈川県のホームページのリンクを下に貼っておきます。