/ 2022.05.14

日々の計画をまとまるに際し、実用面ではカレンダーアプリが使われるようになり、紙のカレンダーを壁に貼る家庭は減ってきていると思います。それによって、紙のカレンダーに小さく書かれている季節の区分(節気)や行事を目にする機会も減っています。

それ自体は今の大人は紙のカレンダーで育ってきたので自然とインプットされており、また現代では日本の伝統行事を知らなくても問題ないのですが、これからの時代の子育てという観点では悩ましいところです。

祝日の意味を知っていた方が休みのありがたみが感じられるし、季節感を身に着けていた方が季節を楽しめます。

わが子の今後の教養定着を案じていたところ、神宮歴を見て感銘を受けました。

神宮暦とは

神宮暦(じんぐうれき)とは伊勢神宮の神宮司長が作成している、日本の年間行事や節句をまとめた暦です。

日本の暦は飛鳥時代(7世紀)に初めて作られたと伝えられています。それから明治初期まで、暦は農業に活用される一方、神事にも使われていました。

そのため中身は夏至や冬至などの科学的な情報だけでなく、神事的なもの、いわゆる迷信も含まれていました。

それに対して神宮暦は、明治16年から迷信的記述を排除し、科学的情報のみを記述した日本唯一の「正暦」として全国に頒布されました。そのような背景から、神宮暦は科学的で実用的な暦として配られています。

現在でも農林漁業を中心として広く活用されています。

神宮暦に書かれていること

神宮暦にはいろいろなことが書かれています。

写真だと小さくて読みにくいと思いますが、最初の2ページには年間を通した情報が載せられています。
・西暦 (2022年), 和暦 (令和4年), 干支 (壬寅)
・国民の祝日
・神宮の祭典の日
・日食、月食の日付
・二十四節気(1年を24の季節 (節気)に分けたもの)
・雑節(節分やお彼岸などの季節の変わり目)
・朔の日(新月の日。読み方は「ついたちのひ」)
・満潮、干潮時刻の地点修正

早くも、普段見慣れない単語のオンパレードです。上に書いたことを知って調べるだけで、大人でも新しい知識が身に付きます。

次のページからは、月ごとの情報が書かれています。

神宮暦の各月の情報

例として1月のページを載せています。

各月のページには次のような情報があります。
・干支
・月齢
・旧暦の日付
・月が出る時刻と沈む時刻
・満潮と干潮の時刻
・太陽の情報(日の出、南中、日の入りの時刻、昼間と夜間の時間、夜明けと日暮れの時刻)

干支が毎日変わっていくこと、ご存じだったでしょうか?

満潮や干潮は地域によっては関係ないと思いますが、月齢も簡単に確認することができます。

加えて月ごとに、農業に関するコラムが掲載されています。

6月のコラムは「持続可能な開発目標」として、最近話題に上がることが多いSDGsの視点から農業に展開しています。

また別の月のコラムでは農業技術の伝承にフォーカスし、以下を挙げています。
・現在はビッグデータを活用した農業が普及しつつあるが、自然環境は生物多様性や気象条件、社会情勢などの複合要因がある
・そのためデータ農業が熟練の生産者に追いつくには時間がかかるだろう
・まずは野菜工場など閉鎖系でデータを蓄積し、開放系では安定環境の水田に移り、その後に複雑系の畑地に広げていくことが期待される

神宮暦を手に取った時は昔ながらの伝統暦だと思っていたので、データ農業に対して肯定的、かつ効果的な展開方法を提案していることに驚愕しました。

昔からの伝統を守りつつ、新しいものも受け入れていて興味深く感じました。

神宮暦の入手方法

神宮暦は小歴と呼ばれる簡易版が200円、大歴と呼ばれる詳細版が500円と安価です。

発行元である伊勢神宮以外で手に入れる場合は、近くの比較的大きい神社だと取り扱いがある場合が多いです。もしくは各都道府県の神社庁に問い合わせる方法があります。

祝日や二十四節気、月の満ち欠けなどを日々の話題に取り入れて教養を自然と身に着けていく方法

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共働きおやじ研究所さん

4歳と2歳の姉妹を持つ30代中盤の父親です。妻は2022年4月に職場復帰。祖父母サポートなし共働き家庭を続けていくために、父親育児の手法を研究しています。
研究成果を公開し、親父の地位向上を目指しています。
仕事と家庭と自己実現の三方良しが人生の目標です。

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