私の勤務している保育園では、ちょっとした空き時間に子ども同士でクイズを出し合ったり、先生が問題を出したりしては遊んでいます。年齢や興味に合わせてバリエーションが様々ありますが、今回は「インタビュー形式」の問題を紹介したいと思います。

index目次

ちょっとした空き時間にできる「インタビュー形式」問題

今回紹介するのは以前掲載した「連想遊び」の発展バージョン、「インタビュー問題」「反対語問題」です。

私は語彙や知識が増えてきた3学期あたりの年長、年中児とよくこの形式の遊びをしています。「問題」という言葉が付きますが、お勉強的な「問題」ではなく、クイズや軽い質問の類です。

保育者の目線で見れば、子どもと楽しみながらそれぞれの発達度合いや性格などの個性を見るのにちょうど良いものでもあります。

インタビュー問題

そのときの思いつきで、いろいろなことを子どもに質問してみます。私は普段たくさんの園児と一緒なので、全員に同じ問題を出して各自ひとつずつ回答を出してもらう形式にしていますが、子どもがひとりの場合は大人と子どもが交互に答えを出してもいいと思います。

実際にやってみると出るわ出るわ、珍回答!の数々。子どもの発想というのは本当に自由です。今回は私が実際に子どもたちに出した問題を、そのときのエピソードを添えて紹介します。

「寒いときに食べたいものはなあに?」

<回答例>

お鍋、おでん、カレー、シチュー、肉まん、ココア、スープなど

外遊びに出たら凍えそうなほど寒かった日に出した質問ですが、子どものセンスが出て楽しいです。

「きりたんぽ!」と答えた子がいたので、食べたことがあるのかと聞いたところ「まだない」そうですが、たまたまテレビで見て興味を持ったようです。もしかしたら、言葉の音(おん)が楽しかっただけかもしれません。

「カレーライスを作るには、何を入れる?」

<回答例>

にんじん、じゃがいも、玉ねぎ、トマト、ピーマン、カレールー、牛乳、お肉など

家庭それぞれ、いろいろなものを入れているのがわかって楽しい質問です。このときは野菜の名前がポンポン出てきましたが、不思議なことに最後まで「お肉」が出ませんでした。なぜだか「おはぎ」と答えた子どももいました(笑)。

「お母さん/お父さんのお料理で好きなものは?」

<回答例>

カレーライス、ハンバーグ、卵焼き、唐揚げ、ミートボール、魚の煮付けなど

「パン!」と嬉しそうに答えた子どもがいました。パン作りの上手なお母さんのようで、いろんな種類のパンを作ってくれるそうです。思わず「いいなあ」と言ったら、「頼んであげる!」とのことでした。楽しみです。

「海水浴に何を持っていく?」

<回答例>

水着、浮き輪、サンダル、バケツ、スイカ、帽子、水中眼鏡など

「早く暑くならないかなあ、海に行きたいなあ」と言うので、夏を連想させる問題を出しました。

誰かが「アイス!」と言ったせいで、その後の答えが「いちごアイス」、「ソーダアイス」、「ハーゲンダッツ」と全てアイスになってしまいました。子どもは寒い日でもアイスを連想するようですが、多分持っていく間に溶けますよね。

反対語問題

こちらはもっぱら年長児向けですが、反対語を答えてもらう問題です。「小さい」という問題なら「大きい」が答えというように、主に「状態」を表す言葉を選ぶと子どもでも答えやすく、楽しめます。

出題例

先日はとっさにいい問題が思いつかなくて「うるさいの反対は?」と問題を出したら「うるさくない」と答えが返ってきてしまいました。

別の子どもが「静か」と答えてくれましたが、年長児向けの問題としてはやや不適だったと反省しました。子どもの状態に合わせて難易度を調整することが大切ですね。

モンテッソーリの言葉遊び

モンテッソーリは言葉遊びを「ルールに従って行い」、「ゲーム性を取り入れること」でより充実したものになると述べています。

また、「大人が率先して言葉遊びを楽しむこと」も重要なポイントです。

抽象的な言葉から「具体物」をイメージできるようになるのは、個人差もありますがだいたい4歳、5歳(年中)から5歳、6歳(年長)のころです。

「連想遊び」は、モンテッソーリ本人が提唱したものではありませんが、モンテッソーリが重視した点を満たしたうえで、この年代の子どもの活動が生き生きとするようにと考えられています。ぜひ、親子で楽しんでみてください。