子育てに自信のあるママなんて、どこにもいない!家庭教師・塾講師、東大生・早大生を育てた母であり、子育てセミナーを主催する楠本佳子さんに教わる連載コラム「能力をのばす子育て」。今回は「育児に疲れたとき、元気がないときにおすすめしたい本」。
「こころの処方箋」で育児がラクに
心理療法家の河合隼雄氏の本です。私はこの本を読んで、子育てが少しラクになりました。
55の目次があり1タイトルにつき4ページなので、時間がないときは興味のあるところだけ読めばいいと思います。
子育てにも関連するタイトル
例えば
- 1:人の心などわかるはずがない
- 2:100%正しい忠告はまず役に立たない
- 5:「理解ある親」を持つ子はたまらない
- 13:マジメも休み休み言え
- 18:説教の効果はその長さと反比例する
- 44:物が豊かになると子育てが難しくなる
なかには「こうしなけらばいけない」と思いこんでいたものが、そんなことはないと気づかされたり、なるほどと納得したり、ためになるお話がたくさんあります。
「18 説教の効果はその長さと反比例する」には、
説教が長ければながいほど効果がない。短く焦点をしぼってインパクトがある方が効果も大きい
『こころの処方箋』河合隼雄(新潮文庫、1998年)
と書いています。
子どもを叱るときはなるべく短く、インパクトを大きくしましょう。
目次が人生の教訓のよう
また子育てだけでなく一般的なお話も参考になることがたくさんあります。
- 19:男女は協力し合えても理解し合うことは難しい
- 24:健康病が心身をむしばむ
- 32:うそは常備薬、真実は劇薬
- 48:羨ましかったら何かやってみる
19には男と女が理解し合うことはほとんど不可能、と書いてあります。
「こんな嫌なことあった」と話しをすると、女友達は「わかる!」と共感してくれますが、夫は「そもそも君は…」と説教が始まり、嫌な気分が倍増したという話をよく聞きます。
「夫が理解してくれない!」と思うのも当然。男と女は理解し合うのは不可能と思っていたら、少しわかってくれるだけでうれしくなるかもしれません。
1タイトル数分で読めます。秋の夜長、この本を読んで少し気持ちを楽にしませんか。