うちの子、最近は数字に興味があるみたい…と思ったら、家庭でどんなことをしたら良いでしょうか。今回は2歳半から簡単にできる数の遊び方を取り上げてみます。

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3歳ごろから芽生える数字への興味

3歳ごろになると、身の回りにある数字に興味を持つ子供が増えます。特に教えたわけではないのに、「これは、いち」「これは、に」と読んで楽しんだり、歌のように「いち、に、さん、し…」と口ずさんだりします。周りの人の会話やテレビなどから聞こえてくる数字が子どもの記憶に残っていて、あるときふと口をついて出てくるのでしょうか。

はじめのうち、子どもにとっての「数」とは単なることばや記号にすぎません。そこに「」を結びつけることではじめて数の概念を理解し始めるのです。

せっかく芽生えた数への興味を、子どもの純粋な興味・楽しみとして深めていくにはどうしたらいいでしょう。何度もこのコラムで書いていることですが、モンテッソーリが実践する「子ども自身が楽しいと思えるように」大人が手伝うという言葉にヒントがあります。

おはじき1つを子どもの手に持たせて「これが1」、2つ持たせて「これが2」、3つ持たせて「これが3」…というように、モンテッソーリ・メソッドでは、3歳ぐらいの子どもたちが「数字」と「量」を結びつけて理解する活動を繰り返し行います。

一足飛びに計算をさせるなど難しいことをやらせてしまうと、むしろ数に苦手意識を持ってしまうことも。単なる「お勉強」としてではなく、子どもの興味に答えるやりかたで、遊びながら数に親しめるといいですね。

「数字」と「量」を結びつける

数とは姿・形のない抽象的な概念です。本来は実体を持たない数を身の回りの物に置き換えることで、子どもの頭の中に数のイメージができます。この段階にじっくりと時間をかけて、子どもが楽しめば楽しむほど、数についてのより良い土台ができます。

頭の中に数をイメージとして持つ、というのはちょっとわかりづらい表現かもしれません。わかりやすく例をあげると、そろばんは数を珠に置き換えています。そろばんを使えば、計算の過程で変化する数を珠の量によってイメージとして捉えることができます。

小さい数では珠の量は少なく、大きい数なら玉の量は多くなります。このように数に実体を持たせると、操作がぐっと簡単になるのです。そろばんを習ったことのある人は、おそらく暗算をするときにも頭の中にそろばんの珠を思い浮かべていると思います。

量をイメージできれば、数字同士の関係についても理解しやすくなります。2は1が「ふたつ」集まったもの、3なら1が「みっつ」集まったもの、4は1が「よっつ」集まったもの…この仕組みがわかっていれば掛け算や割り算、倍数の考え方が断然理解しやすくなります。

物を使うことで、身をもって四則演算を体験することもできます。だからこそ、実際に手で「数に触れる」機会をたくさん持つと良いのです。

楽しく数字に親しむ方法あれこれ

単なる「お勉強」ではなく、生活の中でどんなふうに数を楽しんだら良いでしょうか。いくつかアイデアを紹介します。

数字に慣れる、覚える

量によくなれてきたら

これに限らず、子どもの興味や理解度に合わせて工夫してみてください。改めて時間をとるのではなく、生活の中で何かのついでに遊び感覚でやってみるのがコツです。答えが間違っていたら、親子でもう一度数えてみましょう。ちょっとした待ち時間や暇なときにやってみるのもいいですね。