整理整頓と育児の両立は、至難の業。忙しい毎日の中で、おうちの中が荒れてくると、イライラも余計に募ってきますよね。アンケートで集まった読者のリアルな声を紹介するとともに、3児の母でもある整理収納のプロにイロイロ相談してみました!

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身に覚えアリ!?イライラリビング風景

ぎゅって読者にアンケートをとると、「部屋が片付いておらず、イライラしたことがある」と答えた人は約8割に。ぎゅって読者のママ・パパから寄せられた日々のイライラポイントとは…。みなさんも、身に覚えはありますか?

Q.部屋が片付いておらずイライラしたことはありますか?

※2023年9月12日~10月5日/ぎゅって読者にアンケート/有効回答数599(※小数点第二位以下四捨五入のため100%にならない)

おもちゃ収納

ソファ

テーブル

3児の母・整理収納のプロにイロイロ相談してみた!

時間も余裕もあまりないぎゅってファミリー。でももうイライラしたくない…! 一体どうしたらいいのか、ご自身もワーキングマザーで、3人のお子さんがいる、整理収納のプロに話を聞きました。

聞き手:編集部O 夫、娘(6歳)、息子(2歳)と暮らすワーキングマザー

教えてくれたのは

水谷妙子さん

無印良品で商品企画・デザインを13年間務めたのち、整理収納アドバイザーとして活動。自身も3児の母であり、ファミリーに向けたアドバイスが得意で、ラクに暮らせるノウハウを紹介している。著書も多数。フォロワー6万人以上のInstagramも人気。@monotokazoku

「整理がつらい」のは頑張りすぎ!? 説

編集部O(以下、編)読者アンケートでは、「帰宅して、家が片付いていないとゲンナリ」「でも整理のハードルがあまりにも高い…」といった声がたくさん集まりました。
水谷さん(以下、水)私もワーキングマザーで、始めから整理ができていた訳ではないので、すごく分かります。私が思うに、ぎゅって読者の方はお仕事をされている方が多いからか、おうちでも仕事のような完璧さを目指されている方が多いのではと…。頑張りすぎです。
…!背中をなでてもらった気持ちです。
簡単なところから取り組み、まずは自己肯定感をあげることを優先してください。整理はまず、物を「使っている」「使っていない」に分けることから始まりますが、人間にとって「手放す」というのはつらいものです。そこでつまずく人がとても多いので、事務的に判断ができる「期限が書いてある物」や、思い入れが少ない紙袋など、簡単なところから始めてくださいね。逆に、思い入れがあるところは心がしんどいので後回しです。

ものの位置ってどう決めるの?

「使っている」「使っていない」に分けたら、次は物の置き場所を決めましょう。
アンケートでは、「よくSNSで“モノのおうちを決める”と聞くが、どこに置いたらいいのか分からない」という声もありました。
ポイントは使用頻度です。よく使う物は近くに、前に。使っていない物は遠く&奥に。例えば毎日ペンを使うのなら、引き出しから出すアクションですら億劫で、出しっぱなしの原因に。よく使う場所にペンスタンドを設置するなど工夫しましょう。また、意外と大切なのが高さです。人が使いやすい高さは「目線〜腰」の間なので、よく使う物はこのエリアに。
なるほど!家族によって心地よい高さは違いそうですね。
とくに子どもの物は目線を合わせてみると発見があるかもしれませんね。
子どもの「喉乾いた」コールの度に動かなくて済むよう、コップを子どもの取れる高さに配置

収納=モノのおうちを決める

使っているモノ「近い&前」

よく使う物は厳選してワンアクションで取れる位置に置く
たまに使う物やストックは引き出しなども活用

使っていないけど取っておきたいモノ「遠い&奥」

クリスマスツリーよりも使っていない物は、基本的に処分を。それでも取っておきたい思い出はクローゼット内のボックスなど、多少出し入れしにくい場所でもOK

家族が思い通りに動いてくれない原因は?

読者の声で「自分が頑張って整理収納しても、家族がその通りに片付けてくれない」といった声も多かったです。
イライラの原因になりますよね…!例えば会社で使うツールに何か変更があったら、必ずメールなり説明会なりで、丁寧な説明があると思うんです。それを家庭内でもやることは、一つ大切なことだと思います。
確かに家族だとつい、きちんと説明するのを省いてしまいがちかもしれません…。
こういう理由でここに置いたから、よろしく!と。もしかすると「こっちの方が良い」など意見が出て、より良い置き場所が見つかるかもしれません。
パパの帽子収納。自分以外の物の場所を決める時は、必ず本人と相談して
アイデアの出し合い素敵!
どうしても家族が片付けられない物は、置き場所が良くない場合もあると思います。忙しい日々の中では、扉を開け閉めするだとか、引き出しから出して戻すだとか、そういう手間でも面倒に感じるもの。たまに見るのが、子どものおもちゃがフタつきのボックスに入っている収納。フタなしのボックスを選び、棚に入れる場合は手を入れる隙間を10cm以上あけると、「子どもが自分で片付ける」ハードルが下がりますよ。
おもちゃは「ぶろっく」「にんぎょう」「いろいろ」など、“ざっくり”分類。ラベルは変更しやすいクリアの養生テープ+油性ペンを愛用

“頑張りすぎない”整理術で、イライラを減らしましょう!

イラスト/描き子

※この記事は、2023年12月発行の「ぎゅって1月号首都圏版」に掲載した記事を再編集したものです