子どもの興味や関心を伸ばすために習い事をさせたいと思っても、親の関わり方によっては子どもの可能性を奪ってしまうことも…。始め時ややめ時など、子どもの習い事への親の関わり方について紹介します。

お話を聞いたのは

徳田克己さん( 筑波大学医学医療系教授 )

筑波大学発ベンチャー企業子ども支援研究所所長、教育学博士、臨床心理士。専門は子ども支援学、子育て支援学、気になる子どもの保育。東京の私立幼稚園の先生や大学内保育所の責任者を務めた経験もある。

始め時…子どもが興味を持つのを待って

ある本で「習い事を3歳から始めるのでは遅い」と紹介されて話題になったことがありましたが、私はこれには反対です。実際には、習い事は何歳から始めても遅くありません。逆に早すぎるのは、「先取り教育の害」が問題です。例えば、手の筋肉が発達しきっていない2歳から無理に鉛筆を持たせて書かせようとしても意味がありません。

習い事は子どもが楽しんでやるもの。3〜4歳なら「ママやパパが昔やっていて楽しかった」ことを話したら関心を持つ場合も。5歳以上は「お友達がやっていて楽しそうだからやりたい」など。習い事の始め時は子どもが興味を引かれた時、といえそうです。

心構え…責めたり、他の子と比べるのはNG

習い事で子どもの興味・関心を育むことは、健やかな成長にもつながります。ここで親がやってしまいがちなのが「なんでできないの」「他の子はできていたわよ」などと責めること。他人と比較することは最も好ましくありません。誰かと比べるのではなく、過去のその子自身と比べ、成長を見守ってあげるべき。

子どもはプラスの報酬があるとうれしくなって、習い事も続きます。例えば「ママがうまくいったところを見てくれた」「褒めてくれた」など、子どもがうれしい気持ちになれる体験を重ねさせてあげましょう。どんな習い事でも、他人と競争して勝つよりも、楽しさを実感できることが一番です。

やめ時…行くときではなく帰りの様子で判断

楽しかった!と習い事から帰ってくるならOK。毎回「楽しくない、嫌だった」と帰ってくるなら、やめさせる方向で考えてもいいかもしれません。子どもが習い事をやめたいと言い出したら、まず1回お休みさせるなど、気分転換をはかってみます。1〜2カ月ほどは様子を見てみましょう。

避けたいのは「何が嫌なの?」「何が気に入らないの?」と子どもを尋問すること。無理に聞き出そうとしても解決には至りません。一つの習い事をやめたら、すぐに次を探すのではなく、空いた時間をしばらくは親子のコミュニケーションに充ててみては。いずれ、子どもから「次はこれをやってみたい」と言い出すかもしれません

続けるコツ…褒めて伸ばす 楽しいと思うことが大切

続けさせたいなら、褒めて伸ばすのが一番。褒めて子どもの「好き」を育み、「ママに見せたい」「褒めてもらいたい」という気持ちを持たせることが大切です。また、続けるにあたって教室や先生を選ぶことも多少は必要。

例えば、元有名ピアニストの先生でも、実際は実力重視のスパルタ教育だった…なんていうこともあります。譜面通りに上手に弾く技を習得するのもいいですが、まずはピアノや音楽そのものの楽しさを教えてくれる先生がいいでしょう。ピアノの音を聴く楽しさ、弾いて思い通りに奏でられる喜び、歌うことの愉快さなど、幼児期に体験させたい大切なことはたくさんあります。

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