抽象的な言葉から「具体物」をイメージできるようになるのは、だいたい3歳から6歳にかけてです。モンテッソーリ流言葉遊び「連想遊び」をご紹介します。子どもと一緒に楽しみながらやってみてください。

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イメージすることで楽しむ「連想遊び」

「言語の敏感期」に適した言葉遊びのうち、主に年中以降の子どもと楽しめる「連想遊び」をご紹介します。

この遊びは、以前紹介した「なぞなぞ3択問題」と同様に、隙間時間に楽しむことができます。

モンテッソーリは言葉遊びを「ルールに従って行い」、「ゲーム性を取り入れること」でより充実したものになると述べています。

また、「大人が率先して言葉遊びを楽しむこと」も重要なポイントです。

抽象的な言葉から「具体物」をイメージできるようになるのは、個人差もありますがだいたい4歳、5歳(年中)から5歳、6歳(年長)のころです。

「連想遊び」は、モンテッソーリ本人が提唱したものではありませんが、モンテッソーリが重視した点を満たしたうえで、この年代の子どもの活動が生き生きとするように考えられています。ぜひ、親子で楽しんでみてください。

「連想遊び」の遊び方

1.お題を伝える

「何か“赤いもの”を教えてね。“赤いもの”なあーんだ?」

2.お題から連想するものを子どもに答えてもらう

出題時に出題者が一つ例を伝えるのも良いです。

3.子ども→出題者→子ども…。と順に答えを言っていく

答えが複数出そうな場合は、出題者が相づちを打ちながら聞きましょう。または「たくさん答えられた方が勝ち!」などとゲーム要素を取り入れても良いですね。

色で連想してみよう

赤いもの

青いもの

黄色いもの

黒いもの

自然界に存在する色味で

本来、バラやアジサイなどの花にはさまざまな色があって一色に限定できないものですが、あくまでも「連想」なのでかまいません。

「赤いバラ」「黄色いバラ」などと、どの色にも同じ物を当てはめないようにします。

ポストのように、あえて「赤い」という形容詞を使わずしても「赤い」ことがわかる名称を選びましょう。

子どもにとっては混色よりも原色の方がわかりやすいため、身近な自然界に存在している色でやってみましょう

白、茶、緑など、ほかの色でもやってみてくださいね。

形で連想してみよう

丸いもの

三角のもの

四角いもの

感覚で連想してみよう

ふわふわしているもの

ピカピカしているもの

冷たいもの

温かいもの

答えは名詞で

大人が答えを言うときには具体物(名詞)で答えるようにしましょう。

「温かいもの」という問いに対する答えとして「お母さん」や「愛情」などと答えるのは間違ってはいませんが、抽象的すぎてこの年齢の連想遊びとしてやや難しくなってしまいます。

頭の中でイメージするのに慣れないうちは、部屋の中にあるものから答えを探したり、屋外をお散歩しながら探してみるのも楽しいです。

子どもが間違えたら

言葉遊びの目的は、言葉の敏感期の子供の興味を満たすことであって、問題に正解することではありません。ですから、子どもの答えが明らかに違っていたとしても訂正しないでください。

「あたり!」とか「はずれ!」などと大人が決めるのもよくありません。

「赤いバナナってあったっけ?」

例えば「赤」と言うお題に対して、子どもが「バナナ!」と答えたとしても間違えを指摘しないでください。

大人主導で訂正せずに、子どもに気づかせる方法としては「あれ、赤いバナナってあったっけ?見たことある?」のように声をかけてみてください。

そうすると「間違えちゃった~」と言うかもしれませんし、エヘヘと笑うかもしれません。

それでも、子どもが「いいや、あるんだよ!」と言うならば、「そうか、あるんだね」と言う程度にしておきましょう。

「赤いのなーんだ?」というお題に対して「赤い」と答えるなど、明らかに問題の意図を理解していないときは、この問題を出すにはまだ早すぎるということです。

抽象的な言葉から具体物をイメージするというのは、言葉に対する理解が進んでいないと難しいことですから、もう少し言葉の理解が進んだときにまたチャレンジしてみましょう。

子どもの敏感期については、拙著「子供の才能を伸ばす最高の方法モンテッソーリ・メソッド」でも詳しく紹介していますので、ご参考ください。

次回は家庭で簡単にできるおもちゃの第4弾をご紹介します。