「ちひろ美術館・東京」は誰もが一度は目にしたことのある、やさしいタッチの絵を描く、いわさきちひろさんの美術館です。美術館というと子連れでは行きづらいイメージですが、ここでは子どもと一緒に訪れてほしい、心がほっこりする美術館です。

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「ちひろ美術館・東京」について

誰もが一度は目にしたことのある、あのやさしいタッチの絵。国語の教科書の挿絵や絵本など、子どもにとっても身近にある、いわさきちひろさんの作品を堪能できる「ちひろ美術館・東京」は、東京都練馬区にあります。

西武新宿線の上井草駅から歩いて7分ほど。住宅街の中の緑に溶け込むようにたたずむ2階建ての建物。ここは、元々ちひろさんが生前過ごしていた、自宅兼アトリエ跡地でした。

「ちひろ美術館・東京」外観。木々に覆われた素敵な建物です

「ちひろ美術館・東京」は、ちひろさんの死から3年後の1977年9月に、世界で最初の絵本美術館として開館しました。

子どもが人生で初めて訪れる美術館「ファーストミュージアム」

「美術館」といえば、子連れには無縁の存在というイメージですが、「ちひろ美術館・東京」は子どもたちが人生で初めて訪れる「ファーストミュージアム」を提唱している、ぎゅって世代のファミリーにとっては、見逃せない存在の美術館です。

「昔はよく美術館鑑賞に出かけていたけど、子どもが生まれてからは行けていないな」「美術館は元々あまり行ったことないけれど、子連れで行けるなら行ってみようかな」。そんなパパ・ママ、一度足を運んでみてください。

私は後者の人間でしたが、娘が1歳の頃「ちひろ美術館・東京」の存在を知り、娘のファーストミュージアムに!と訪れました。

何でファーストミュージアムにぴったりなの?

子どもの目線に合わせた展示

基本的に、展示スペースの作品の中心は、床から135cmの位置にくるように展示し、子どもでも見やすい配置となっています。

110cmの娘でも、無理なく鑑賞できます。抱っこの赤ちゃんも見やすい高さになっています

︎絵本を約3000冊をそろえた「図書室」

美術館の2階には、国内外から取りそろえられた、約3000冊の絵本が並ぶ図書室があります。

子どもが座りやすい低いテーブルや椅子も置いてあり、親子で読書を楽しむことができます

ここでは、第2・第4土曜日の11:00から「えほんのじかん」と題した、読み聞かせのイベントが開催されています。そこで紹介された本が並んでいるコーナーもあります。

赤ちゃんから遊べる「こどものへや」

靴を脱いで上がる部屋で、赤ちゃん用の絵本やおもちゃが置いてあります。授乳室やオムツ交換台も、この部屋にあります。

子どもと参加できるイベントの開催

子どもと一緒に参加したいイベントが数多く開催されています。0~2歳の赤ちゃんと保護者を対象とした「あかちゃんのための鑑賞会」や、3~6歳の児童と保護者を対象とした「子どものための鑑賞会」など、たくさんの魅力的なイベントが開催されていますので、公式サイトをチェックしてみてください。

イベント一覧はこちらから。

バリアフリーな館内

2階建ての美術館は、全館バリアフリー対応となっていて、ベビーカーのまま入館可能です。エレベーター、多目的トイレ、授乳室などすべて完備。小さな子連れでのおでかけの際に、気になるポイントはすべてクリアです!

いわさきちひろ生誕100年「Life展」レポート(展示終了)

いわきちひろさん生誕100年を迎える今年は、現在活躍するさまざまな作家とコラボレートする「Life展」を開催しています。10月28日までは多様なメディアを使い、体験型の作品を展開し続けるアートユニット「plaplax」とのコラボレーションで、「あそぶ」をテーマとした企画展が開催されていました。

映像を駆使して、ちひろさんの絵の中に入って遊べたり、何もないところから絵が飛び出してきたり、と大人も子どもも夢中になってしまう仕掛けがたくさんの展示でした。

何もない真っ白なテーブルの上の道具に触れると…あら不思議。音楽とともに、ひちろさんの絵が飛び出してくるんです!

残念ながら、こちらの企画展は終わってしまっていますが、次の企画展も見逃せませんよ!

「作家で、母で つくる そだてる 長島有里枝」2019年1月31日まで

11月3日からの企画展は、アーティスト・長島有里枝さんとのコラボレーションで「作家で、母で つくる そだてる」。いわさきひちろさんと長島有里枝さんの共通点。「女性であり、母であり、作家であること。」同じ働く母として、女性として、ぎゅってママたちにも足を運んでいただきたい企画です。

【会期】2018/11/03(土)~2019/01/31(木)

いわさきちひろ 箱に入った少女「あかちゃんのくるひ」(至光社)より 1969年

子どもとほっこり「絵本カフェ」

展示を見終わった後は、ゆったりとカフェタイム♪ 館内1階には「絵本カフェ」があります。

緑の庭を眺められる「絵本カフェ」。カフェで読むことができる絵本が置いてあります

できるだけオーガニックや無添加の食材を使用した、メニューを提供しているカフェなので、子どもと一緒にゆっくり楽しむことができます。

スコーン2種・季節のコンフィチュール添え 紅茶セット1000円(税別)

小学生までの子ども用に、大人の約半量のぶどうジュースと、りんごジュースが用意されています。

子ども用ぶどうジュース260円(税別)。カップがかわいい!

最後に

青春時代に戦争を体験したちひろさんは、「世界中のこども みんなに 平和としあわせを」という言葉を残しています。そんなちひろさんのやさしい眼差しと、意思が受け継がれている「ちひろ美術館・東京」。子どもが人生で初めて訪れる美術館「ファーストミュージアム」におすすめする理由です。

仕事に育児に、忙しく毎日を過ごしているママにこそ訪れてもらいたい。ちひろさんの絵のある素敵な空間に、きっとほっこりとした、やさしい気持ちになれると思いますよ。

いわきさちひろ チューリップのなかのあかちゃん 1971年

「ちひろ美術館・東京」で子どもと一緒に、芸術の秋を味わってみませんか?

施設情報(アクセス・サービスなど)

名称 ちひろ美術館・東京
公式サイト https://chihiro.jp/tokyo/
※最新の情報はこちらでご確認を
おすすめ年齢 0歳~大人
料金 大人800円 ※高校生以下無料
営業時間 10:00~17:00(最終入館16:30)
※月曜休館日(祝休日は開館、翌平日休館)他臨時休館などあり
アクセス 〒177-0042 東京都練馬区下石神井4-7-2
西武新宿線「上井草」駅北出口から徒歩7分
駐車場 3台
サービス おむつ替えスペースあり / 授乳スペースあり / キッズエリアあり / ベビーカーレンタルあり

この記事を書いたライター

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ひいろあいこさん

9歳と6歳、1歳の3児のママです。フルタイムで働きバタバタの毎日を送っていましたが、現在産休中。趣味は旅。今まで20カ国ほど旅してきました。育休を利用して旅行業務取扱管理者資格を取得。

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