のりを使って「貼る」という活動は、以前紹介した「切る」という活動と共に子どもの指先の発達に役立つものです。単純に見えて、実は奥深い「のり」の活動。今回は自宅でもできるのりを使った活動のアイデアを紹介します。

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のりの活動のねらい

大人がのりを使うときは単に「貼り付ける」ことだけを目的にしていますが、小さな子どもの場合は少し違います。

子どもにとって「活動を楽しむ」ということが最も大切な点ではありますが、その背景には協応動作の訓練指先の運動といったねらいが達成されるということがあります。工作を楽しんでいるうちにデザインや色彩感覚が発達するというメリットもありますよ。

どんなのりがいいの?

私の勤務する「モンテッソーリ原宿子供の家」では、容器に入っているタイプののりを使用しています。子どもの手のサイズに合わせた筆を用意し、自分で扱えるように指導しています。使った後は筆を洗って元に戻すように、片付け方も教えます。

自宅ではスティックのりでも構いませんが、案外子どもには使いづらい場合があるようです。子どもに合わせて使いやすいタイプのものを選んでください。

のりを扱うときのポイント

量の調節

のりを筆に取りすぎて紙をベタベタにしがちなので、量を調節することを伝えます。筆に取りすぎたときには容器の端を使ってこそぎ落としましょう。

筆の使い方を見せる

筆を三本指で持ち、まっすぐに動かしているところ見せます。紙の真ん中だけでなく、隅の方までのりを伸ばしましょう。

ぴったり貼ってみよう!(目と手の協応動作)

物をつかんだり、何かの操作を行うためには、目と手が調和の取れた動きをしなければなりません。これを協応動作と呼びます。

2~3歳の子どもたちは、ちょうどこの動作を学ぶ時期にあります。図案に合わせて「ぴったり」貼るという活動がとても良いトレーニングになります。2歳前の子どもであれば、準備運動としてのりではなく「シール」で行ってみても良いでしょう。

「ぴったり貼る」活動例

感性で楽しむのり遊び

のりの扱いに慣れてきたら、色や形を合わせてデザインや色彩を楽しむ遊びにもチャレンジしてみましょう。色彩感覚や図形への興味が広がる3~4歳ごろになると、デザイン性を取り入れた作品作りも可能になります。

始めのうちは上手にできなくても「あら、なかなかいいね。上手になってきてるよ!」と子どもの気分をうまく盛り上げてみてください。ただし、集中しているときには声をかけずに夢中になるままにさせてあげてくださいね。