/ 2020.04.17

もし、今までまったく学校活動に参加してこなかったママが、突然PTA役員になってしまったら?

人生とは、時に思いもよらないことが起こるようで、クラス委員さえほとんどやってこなかった私が、2年間PTA役員として活動することになりました。2人の子どもが2年生と6年生だった時のことです。

がむしゃらだった1年目、そしてもっとこうしたら有意義な活動になるのではないかと考え、動いた2年目。

今回の記事では、その2年間で私なりに感じたことをお伝えできればと思います。

出典:あんふぁんWeb

PTA活動に一番やりがいを感じた点は

「PTA」は、【Parents and Teachers’s Association】の略です。

学校では先生からの発信によって、保護者が動くことが多いかと思いますが、PTAがあることによって先生も親も一緒に、家庭・学校・地域社会のための様々な活動をよりクリーンに行うことが可能になります。

つまり、保護者からの発信を行う代表が、PTA役員という位置づけではないでしょうか。

■PTAの提案で変えられることがある

私が一番、活動にやりがいを感じたのは、「PTAの提案が受け入れられ、変えられることがある」という点でした。

学校側から言われたことは決定事項であり、受け入れることしかできないと思っていたのですが、「こうした方がいい!」「こうするのはどうか?」とPTAから提案することによって、絶対変わらないと思っていたことが案外変えられたりするのです。

それは、運動会の見回りの場所であったり、お祭りのカレーの作り方であったり、保護者会の運営方法であったり、一つ一つは小さなことですが、保護者がより参加しやすいように、子ども達がより安全なようにという思いが、提案によって変えていけると知ったことは大きな事実でした。

■自分の居場所があるという喜び

また、会社に所属しているように、大きな組織に属することで、自分の居場所を見つけられたのも嬉しかったです。

PTAでは自分の役割が明確であり、与えられた仕事には責任があります。もちろん大変なことも多いですが、やり遂げる達成感も存分に感じることができました。

引き受けたのは、魅力的なポイント制度と「子どものため」に

それまで関わってこなかったPTA役員を引き受けた理由は2点。

学校によって違いがありますが、私の子どもが通う学校ではポイント制が導入されています。PTA役員になると、他の委員にはないポイントがつく制度です。

子どもの小学校では、きょうだい両方にポイントがつく、6年間有効、またその後入学する子どもにも適用されるなど、それはそれは魅力的で。私もその文言にのってしまった一人です(笑)。

もはや、「仕事をしている」「小さい子どもがいる」は、辞退の理由にはなりません。地域柄、働いている保護者がほとんどですし、小さいお子さんを連れて活動しているママもいるからです。

また、電話、面接、また電話…と長期間に渡る勧誘の末、その時の会長の「子どものための活動である」「あくまでボランティア活動なのでできることだけすればよい」という言葉に負けて、引き受けることを決意しました。

その時点で、2人の子どもが小学校に通っていたので、1年の任務で、その後何年も活動をしなくていいのも効率的で、大きな魅力だと感じたのです(結局2年やりましたが)。

PTAとして活動する中で忘れがちなのが、この時に聞いた「子どものための活動」という点です。

大人ばかりの中で意見交換や、文書作りをしているとどうしてもこの原点を忘れそうになってしまいます。

意見が割れてしまった時には、この「子どものため」には何が一番大切なのかを考えることで、進むべき道がズレなかったような気がします。

出典:あんふぁんWeb

時短をキーワードに活動を効率化

1年目は初めてのことばかりでほとんど覚えていないのですが、2年目は1年目で感じたデメリットを変えていくことをより考えて活動しました。

まず「時短」です。今までの活動では、毎月の全体会合に加え、週1~2回の活動日と呼ばれる作業日など、学校で集まる時間が多くありました。

■オンライン会議やカレンダーアプリで予定を把握

しかし、8人ほどいる役員の予定を合わせるのはとても大変ですし、仕事を持つ人も多くいます。また子どものために活動しているのに、放課後子どもを家に残して学校に行くことにも、少し違和感がありました。

そこで、ITを活用して、ZOOMでオンライン会議を行ったり、TimeTreeというカレンダーアプリを使って、役員の動きを把握したり、全員で集まらなければいけない状況をできる限り減らしました。

学校側にも協力してもらい、家庭数で配布していた文書はHP上に掲載してもらう、また保護者に対しても、例えば親睦会の出欠などをオンライン上で行うなど、紙の発行を減らし、印刷作業の分量を少なくしていきました。

このことで時間を制約されることがだいぶ減り、ストレスも軽減されたのではないかなと思います。

2年間の活動では叶わなかったのですが、マンネリ化してしまっている親睦行事やお祭りなどを、もっと魅力あるイベントにアップデートしたいという野望もありました。

毎年同じような内容の行事は年々参加者が減り、盛り上がりに欠ける部分がありました。

ママの中には多彩な才能や資格を持っている方も多く、そういったママたちを講師に招いて講座を開催するなどの構想もあったので、ぜひ次年度に引き継いでいきたいと思います。

出典:あんふぁんWeb

私が考えるPTA役員のなり手を増やす方法

実際に活動してみて、PTA活動をやりたくないと感じる一番の原因は、「何をやっているか分からない」「とりあえず大変そう」というイメージが先行していることだと感じました。

■活動内容を明確にして動画で配信

もっと活動内容を明確にして、どのくらいの時間を取られるのか、こんなことができる!など実際の活動内容を保護者が知ることができれば、なりたいという人も増えるのはないでしょうか。

CMのように、活動を動画にして配信してもいいなと思いました。

■PTA役員に謝礼を支払う、得意分野を生かす

また、うちの学校ではPTA会費を全校生徒から徴収するのですが、その中から給料、とまではいかなくても活動費として謝礼を支払うのも、なり手を増やす一案かと思います。

作業を細分化して、それぞれ得意分野が異なる保護者にお願いするというのも効率化につながります。

PC作業、内職、ハンドメイド、集計など自宅でできる作業は分散して、もっと多くの保護者に関わってもらい、一人一人の負担を軽くできれば、「それくらいならできるかな」という気持ちを産むかもしれません。

英語本来のvolunteer(ボランティア)は「自ら志願して行う」という意味があり、日本で使われている言葉と若干ニュアンスが異なります。

2年間の活動の中でこの言葉の重さを感じ、心構えを考えました。

あくまで自分の意思で、前向きに行う本来のボランティア精神を持って、PTA活動を担う人が増えるといいなと感じています。

<文・写真:ライター よこも>