/ 2020.09.18

大人だけではなく子どもたちも休園・休校の状況でストレスをためています。きょうだいゲンカが増えたり、声をあらげて怒ったり…。産業医であり働くママのメンタルヘルスについて研究している佐々木那津先生に子どもへの接し方についてお話を聞いてみました。

お話を聞いたのは

佐々木 那津先生

産業医。東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野 医学博士課程(社会医学専攻)所属。研究テーマは小さな子どもを育てながら働く女性のメンタルヘルス。2014年 東京大学医学部卒。子どもは3歳と5歳の男の子。

今の状況をごまかさずに伝えて

子どもたちも、いつもの生活との違いに戸惑いを感じています。ニュースを見て親が心配そうに話をしている様子から伝わるさまざまな情報に不安や恐怖、⼼配を感じている⼦どもたちもいるでしょう。

おねしょが増える、夜泣きや寝言が増える、⾔葉が乱暴になる、きょうだいゲンカ、モノに当たるなど、普段と違った姿を⾒せるかもしれません。好きなところに出かけられず、体力を持て余している子もいるでしょう。

子どもたちは無意識に感じているストレスを、言葉以外の行動や表現としてあらわすことがあります。それがママの子育てストレスになっていることもあるかもしれません。

まずは子どもが⾃分の気持ちを伝えたり、不安に関して質問しやすいような雰囲気を作ってあげましょう。新型コロナウイルス感染症に対して、本当のこと、わかっていることをごまかさずに伝えましょう。

大げさにしたり、恐怖心を強くあおるのではなく、「手を洗うことが一番大切なんだって。」「おうちにいると安全だよ。」と、今できる行動も一緒に教えてあげると安心します。

決まったサイクルで生活を

できるだけ毎日寝る時間・起きる時間を一定にすることも、子どもの情緒的な安定につながります。決まったサイクルで日常を送ることで、「明日はどうなるんだろう」という不確実さを減らすことにつながります。

寝る前や朝起きたときに、ざっくりとスケジュールについて話し、見通しがわかると子どもも安心します。

いつも以上にスキンシップを

子どもに潜在的なストレスがかかっているときは、いつも以上にスキンシップをとることも大切です。肌と肌が触れ合うと、オキシトシンという“幸せホルモン”が分泌されます。

気持ちを穏やかにし、安心感と幸福感がもたらされます。これは、触っている人、触られた人、両方に分泌されるものなので、子どもの行動を落ち着かせることにもつながります。

お膝にのせてギュっ、手洗いを一緒にする、髪をとかす、など日常的な動作もスキンシップであることを意識してみましょう。恥ずかしいと思う方は、子どもの寝顔をそっとなでたり、横にぴったりと寄り添ってテレビを見る、などから始めてみるのはいかがでしょうか。

【参考資料】

<研究参加者募集中>
2020年6月30日まで、未就学児を育てながら週30時間以上働いているワーキングマザーを募集しています。

ワーママのWebメンタルヘルストレーニングプログラム~Happiness Mom~