「絵文字やスタンプどこまで許される?」「サボっていると思われないか不安」など、テレワークのモヤモヤ談に片桐あいさんが答えます。

index目次

お話を聞いたのは

片桐あいさん

「カスタマーズ・ファースト」代表取締役。人材育成コンサルタント、産業カウンセラーとして活躍。大学2年・高3の一男一女を持ち、保育園を利用していた先輩ママ。著書に「これからのテレワーク」(自由国民社)など。

▶コロナ禍でどう変化した?一緒に考えよう。私たちの「新しい働き方」

Q:緊急事態宣言前後で働き方に変化はありましたか?

首都圏では4/7~5/25に発令された、政府の緊急事態宣言。同宣言の前後で働き方に変化のあった人となかった人の割合は約半々という結果に。

※2020年7/6~9/5、ぎゅって読者にWebアンケート。有効回答数1686

テレワークモヤモヤ談

対面でのコミュニケーションが減っている今、急速に普及したオンラインツール。経験者のモヤモヤ談と、対処法を片桐さんに聞きました。

Q:絵文字やスタンプ、どこまで許されるもの?

answerスタンプは相手との関係性で判断を。ネガティブなことの伝達は電話とセットで

文字だけの情報は、表情や声などの情報がないので、どうしてもニュアンスが伝わりにくいもの。だからこそ、“お手数を掛けしますが”“差し支えなければ”といったクッション言葉を使ったり、文末をリクエスト型にするなど、少し配慮を。こじれそう、ネガティブなことを伝えないといけないときは、電話とセットにするのが賢明です。絵文字・スタンプは相手との関係性次第。相手が使ってきたら、使ってOKです。

Q:コミュニケーション不足になっているような…

answer朝礼や昼礼など、1日1回は顔を合わせるのがオススメ

テレワークは周囲との関係がよくないとうまくいきません。出社時は何気なく知り得ていた互いの状況(例えば当日の予定や子どもの体調など)も分からなくなるので、朝礼・昼礼など、1日1回10分程度で構わないので、顔を合わせるようにしてみて。“報・連・相”より少しゆるりと“雑相(雑談・相談)タイム”もオススメです。

Q:メールやチャットの返信速度が気になります

answer急ぎの場合は電話。スケジュールの“見える化”で状況把握を

急ぎの返事がほしいときは、電話を使いましょう。チームや部署で、チャットに関してのルールを決めておくのも大事。例えばスケジュールに、“集中タイム”と入れておくなど、返信が遅くなるタイミングを“見える化”すると、状況が分かって、お互いのストレスを減らすことができます。

Checkテレワークの落とし穴。メンタル不調に気を付けて!

いつでも始められて、いつまでも仕事ができてしまうのが、テレワークのメリットでありデメリットでもあります。同じ姿勢でずっとパソコンに向かって働き詰めになるのは、身体的にも精神的にもよくありません。他人と会ったり話す機会が減る場合も多く、メンタル不調に気付きにくくもなります。できれば1時間~ 1時間半に1回は立って歩いたり、休憩を取ったりして、ワークライフバランスを保ってくださいね。

Q:オンライン会議って発言の間が難しい!

answer意見のやりとりをするなら、3~4人が適当。間を意識して、挙手ボタンなども使ってみて

活発な意見のやり取りを交わしたいのなら、人数は3~4人までに。システム上、映像と声にどうしても遅れは発生するので、“間”を意識することが大切。多くのオンライン会議システムには、発言の機会をアピールする挙手ボタンやチャット機能があるので、うまく使ってみて。

checkリアル or オンライン、会議をより有益なものにするには?

情報共有、意思決定、議論など、会議にはさまざまな目的があります。もちろんオンラインで実施が可能ですが、リアルで実施するとき以上の準備が必要です。まずは議題(アジェンダ)を設定し、必ず参加者にも共有すること。司会は一方的に話すのではなく、“意見を引き出す司会”を目指すことが大切です。そのほか、書記やタイムキーパーを決めて役割分担すると、会議進行に集中できます。

アイデアを出したり、メンバーのコンセンサスを取る業務の打ち合わせは、リアル会議の得意分野。それぞれの良し悪しを知り、より成果を上げられる方法を選びましょう。

自分がどうしたいのかを考え、働き方を選べる時代にを作っていきましょう

テレワークは、決して子育て世代だけに有益な仕組みではありません。家族の看病や遠方に住む親の介護など、これまでは休みを取ったり、時には仕事を辞めなければいけなかった人にも、仕事との両立の可能性を与えてくれます。ご自身の環境も、いつそのようなことが起こるか分かりません。数日・数回でもテレワークを実践して感じたことがあれば、ぜひ会社に掛け合ってみる勇気を持ってください。

販売やサービス業の人も、テレワークできる可能性をゼロと思わず、仕事の一部分だけでも在宅でやってみると、新しい働き方が見えてくると思います。自分がどうしたいのか考え、働き方を選べる時代を作っていけるといいですね。(From片桐さん)

※この記事は、2020年10月発行の「ぎゅってAutums首都圏特別号」に掲載した記事を再編集したものです

イラスト/七月マイ