2020.10.18
コロナ禍で大きく変化した私たちの生活。小さな子どもがいるからこそ、働き方や仕事観・子育て観を見つめ直した人もいるのではないでしょうか? 読者ママの声と、人材育成コンサルタント・片桐あいさんのアドバイスをお届けします。
index目次
お話を聞いたのは
- 片桐あいさん
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「カスタマーズ・ファースト」代表取締役。人材育成コンサルタント、産業カウンセラーとして活躍。大学2年・高3の一男一女を持ち、保育園を利用していた先輩ママ。著書に「これからのテレワーク」(自由国民社)など。
▶やってみてどうだった?テレワークのモヤモヤ談と対処法はコチラ
Q:緊急事態宣言前後で働き方に変化はありましたか?
首都圏では4/7~5/25に発令された、政府の緊急事態宣言。同宣言の前後で働き方に変化のあった人となかった人の割合は約半々という結果に。

働き方の選択肢の一つとしての「テレワーク」に
これまで、ごく限られた人の間でしか聞かれなかった「テレワーク」という言葉が一気に普及し、身近な存在になりました。子どもの送迎や時短勤務など、多くの制約がある中で働いているママにとっては、テレワークの広がりはメリットがあると思います。
企業側も従業員側も手探りでのスタートだったとはいえ、一段落した今、「思ったよりうまくやれた」と感じている人が多いはず。その一方で、職種によってはテレワークができなかったり、ルールなどのソフト面がまだ整っておらず、戸惑いの声があるのも事実です。
アフターコロナの時代になっても、オフラインとテレワークの併用は続いていくでしょう。大事なのは〝出社できない〞ゆえのテレワークではなく、〝仕事効率や成果をより上げるため〞の選択肢の一つだと頭をスイッチすること。テレワークでしっかり成果を上げられるスキルがあれば、どこでもどんな方法でも仕事はできるのです。
読者ママたちは「新しい働き方」をどう感じている?
在宅ワーク時は時間的・精神的にゆとりが生まれた
在宅ワークをしてみて、通勤時間の短縮により家のことを余裕を持ってできるようになった。在宅の日があるだけで、時間的にも精神的にも余裕が生まれ、仕事面だけでなく家庭内もうまく回るようになった。(東京都・32歳・事務)
パートタイマーに補償のない休業は困る
コロナは不安だが、パートで時給制の場合、補償がない休業は困る。 リモートワークも良いとは思うが、子育て中は職場に行くことも気分転換になっているので、半々が理想的。(東京都・46歳・物流)
コミュニケーションの時間も重要だと実感
基本、仕事はやる気があれば場所は関係ないと思っている。ただ、一人で仕事をしていると煮詰まることも多いので、同僚とのコミュニケーションの時間も重要だと改めて感じさせられた。 保育園に子どもを通わせていると、体調不良などで休むことも増えるため、出社と在宅の選択ができるようになれば助かる。(東京都・36歳・事務)
通勤時間はオンオフの切り替えだったことに気付く
子どもを見ながらの在宅ワークは正直難しいと感じた。 同僚とコミュニケーションがうまく取れなかったり、通勤時間も自分にとってはオンとオフの切り替えになり、全く出勤しないのは逆によくないかもしれないと感じた。 働く場所は自分の仕事の効率が上がるようフレキシブルに選べることが理想だと思う。(東京都・34歳・営業)
テレワークができる仕事への転職も視野に
通勤時間がなくなるのはとてもいいなと思った。 今の職場ではテレワークができる環境ではなく、自分自身のステップアップもしたくて転職も考え中。(埼玉県・36歳・事務)
夫の働き方の変化も影響は大きい!
夫がテレワークになり、子どものお迎えに行ってもらえるようになって、仕事と家庭の両立が少し楽に。ワンオペだったこれまでと比べ、自分の仕事と子どものどっちが大切なのか、などと思い詰めることが少なくなり、家庭も仕事も楽しくなった。 私自身の働き方は大きくは変わらずも、パートナーの働き方が変わることの好影響を身を持って感じ、社会全体にもこう思える人が増えるといいなと思った。(神奈川県・35歳・専門職)
仕事のやりがい・家族との間で葛藤
看護師なのでコロナ禍でも働き方は変わらず、むしろ必要な職業ということを改めて実感。仕事に誇りややりがいを感じ、ずっと続けていきたいと思うけれど、感染のリスクは高いので、自分の仕事のせいで家族に影響が出る可能性を考えると、仕事より家族を優先したい気持ちの方が強くなった。「仕事のやりがい」「家族」との間で今も葛藤中。(神奈川県・34歳・医療)
※この記事は、2020年10月発行の「ぎゅってAutums首都圏特別号」に掲載した記事を再編集したものです
イラスト/七月マイ