/ 2017.05.18

ケンカなど、保育園の友達トラブルで心配したママも多いのでは?「乳幼児期の友達トラブルは、健やかな心の成長に欠かせないもの」と語る、保育のエキスパートの今井和子さんに、トラブルを通じて育まれる力について教えてもらいました。

お話を聞いたのは

今井和子さん

「子どもとことば研究会」代表。元立教女学院短期大学教授。23年間に及ぶ保育士の経験から、子どもの心と言葉の発達を研究。全国の保育者研修も行う。著書に『遊びこそ豊かな学び』(ひとなる書房)他多数。

※この記事は、2016年6月発行の「あんふぁんぷらす 12月号」に掲載した記事を再編集したものです

1.自己主張する力

自分の気持ちや考えを表現する力。「◯◯したい」だけでなく、「このおもちゃは貸したくない」「イヤ! やめて!」なども大切な自己主張です。トラブルの多くは自己主張のぶつかり合いです。

2.相手の思いに気付く力・思いやり

自己主張をぶつけ合ううちに、相手の行動の意図に気付いたり、「自分だけが正しいわけじゃない」「相手もつらいんだ」と感じられるように。こうした経験が相手を尊重し、思いやる力につながっていきます。

3.問題解決力

相手との違いに気付けるようになると、「じゃあ、どうすればいいんだろう?」と考えが発展します。幼いながらも、お互いの考えを調整してトラブルを解消しようとする力が備わっていきます。

4.自律の力

トラブルを解消するには、自分と相手の気持ち、そのときの状況など、複数のことを考えて判断、調整することが必要です。ときには自分が我慢して折り合うことで、自律の力も身に付いていきます。

「トラブルを起こさない=順調に育っている」ではないのですね。ただ、家でのフォローは必要。その6つの心得については以下でご紹介しています。
かまれた、ケンカ… 保育園でのトラブル。家でフォローする時の6つの心得