家庭での様子を先生に、園での出来事を保護者に。子どもの成長を共に見守るため、大切な役割を持つ「連絡帳」。けれど、何を書いたらいいのか悩んだり、今日はネタがないと困ったり…。今回は、園長先生に聞いた連絡帳との向き合い方を紹介します。
後半では、読者5人のリアルな連絡帳も紹介。ぜひチェックしてくださいね。
index目次
お話を聞いたのは…
- 曽木書代先生
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陽だまりの丘保育園・陽だまりの丘保育園分園ふたば園長。中央教育審議会 初等中等教育分科会「幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会」委員。一般社団法人 東京都民間保育園協会理事、副事務局長
読者アンケート「連絡帳の記入は楽しいですか?」
※2022年1/11~2/4、ぎゅって読者アンケート。有効回答数682
- 寝かし付けの後、 書けるところだけ記入しておきます。普段忙しくてじっくり子どもを見られていないと思っているので、振り返って子どものことを考える時間にも(大阪府・38歳/ 6歳のママ)
- まだまだ新米ママですが、子どもと一緒に成長していることを連絡帳を通して実感します。保育園時代の思い出にもなりますし、これからも一生懸命書きます(千葉県・33歳/ 3歳のママ)
- 「家でこんなことしましたよ」などと書くと、園でも見せてくれました、というような返答を詳しく書いてくれるので、保育士さんと共に子育てをしている意識が持てて楽しい(東京都・40歳/ 1歳のパパ)
子どもの成長を24時間一緒に見守りましょう
園生活とは切っても切り離せない「連絡帳」。読者アンケートでは、約7割の人が楽しく記入しているという結果が出ましたが、皆さんはいかがですか?
「かわいいわが子のためとはいえ、さまざまな状況によって、負担に感じる日もあると思います。そんなママやパパにまず伝えたいのは、もっと肩の力を抜いて大丈夫。〝元気です〞の一言でも十分なんですよ」と話すのは、陽だまりの丘保育園・園長の曽木書代先生。
「この年代の子どもは24時間常に成長していて、変化があります。家庭と園で協力しながら見守るためには〝情報共有〞が大切。そこで活躍するツールが連絡帳なのです」
アプリを導入する園も少しずつ増えていますが、まだまだ主流は手書き。「ママが書いていることが多いと思いますが、パパの記入も大歓迎です。子どもと交わした会話や何気ない日常の記録は、きっといつか振り返るとき、親子の宝物になっているはずです」。
ママ・パパのたちQ&A
先生たちは特にどんなところをチェックしているの?
食事・睡眠などの基本データはやっぱり重要
もちろんすべてに目を通していますが、食事時間や睡眠時間などの生活リズム、体調変化に関する内容は日中の保育に直接影響する部分なので、きちんとチェックしています。少しでも普段と違う様子があったときは、その旨を書いてくださると助かります。
字がヘタで、書くのがおっくうです…
文字でママやパパの状況も察しています
判読できないのは問題ですが、字の上手下手は全然気にしていません。これは手書きのメリットの一つだと思っていますが、字には書き手のメンタルが表れるもの。乱れ気味の日が続くと、「ちょっと今忙しいのかな? 大丈夫かな?」と、お声掛けするきっかけにもなります。
外食や簡単メニューだった日の食事は書くのをためらいます
パーフェクトじゃなくていいんです
食事内容や栄養バランスを指摘したくて記入をお願いしている訳ではないです。例えば、お子さんが園で急に体調が悪くなったときに、“朝食は食べてきたかな? 昨夜は何を食べているかな?”というのは重要な情報の一つです。気負わずに、正直に書いてくださいね。
先生からのひとこと
- 保護者の忙しさやちょっとした変化に気付いたり、悩み事の記入があれば、記入を返したり、お迎えの時にヒアリングをするきっかけになっています(千葉県・A保育園/園長)
- 手書きの連絡帳は今の時代アナログですが、家庭での子どもたちの様子がよく分かり、園での子どもとの会話にもつながっていきます(埼玉県・B保育園/副園長)
- 子どもの日中の様子を保護者に伝える手段として、連絡帳は必須! アプリだと写真も共有しやすくて便利です。(神奈川県・C子ども園/園長)
イラスト/きどふみか
※この記事は、2022年4月発行の「ぎゅって5月号首都圏版」に掲載した記事を再編集したものです