寝かしつけ改善やねんねトレーニング指導などを行っていると「泣き声がダメなんです」「頭に血が昇っちゃうんです。ダメですよね…」などのご相談をよくいただきます。そんなついカッとなってしまう子どもの泣き声とママの心理について解説します。

こういったご相談をいただいたときに私が1番に思うことは「わかる〜〜〜!!!!私も同じ!!!」です。子どもが泣いていると自分の至らなさを責められているような気持ちになります。

早く泣き止ませなきゃいけないのに泣き止ませられない自分の無力感を感じたり、自己嫌悪になったり、さまざまな感情が一気に襲ってきて押し潰されそうに、そして叫び出したくなりますよね。でも子どもの泣き声に嫌な感覚を覚えるのは当たり前です。泣き声に耐えられないことが決してダメな親ということではありません。

ねんね上手になるには、泣かせることが必要?

特に「寝かしつけ」ということを詳しく調べていくと、(私もそういった情報を出している張本人ですが)「泣いてもすぐに駆けつけないようにしましょう」「泣いてもしばらく見守ってあげましょう」という情報はたくさん出てきます。

すると「泣かせなくてはいけないのに耐えられない私はダメだ」という思考に至ってしまいがちなのですが、決してそんなことはありません。なるべく泣かせないようにするアプローチのねんねトレーニングも存在しますし、ほとんど泣かせることなくねんねを上達させていくことだって可能です。

ただ、赤ちゃんが泣いている=すぐに駆けつけて対応しなくてはいけない、というわけではないので、もし自分の用事もなにもかも投げ打ってすぐに駆けつけている自覚がある方がいらっしゃれば、赤ちゃんを安全なところにおいて先に自分のトイレを済ませるくらいはご自身を優先してくださいね。

赤ちゃんの泣き声が不快に感じる理由

赤ちゃんの泣き声が不快に感じるのは、人間の本能として当たり前のことなのです。もしこれが心地よく聞こえたら、赤ちゃんはすぐにお世話をしてもらえないですもんね?

大人の泣き声と動物の鳴き声と赤ちゃんの泣き声を聞いた時、脳内の反応の違いを調べた海外の研究があります。その研究の結果では、赤ちゃんの泣き声を聞いたときは大人の泣き声や動物の鳴き声を聞いたときに比べて非常に速い反応がみられることがわかっています。

つまり、脳が「対応しなくちゃ!」とすばやく信号を発するように本能的にできているのです。

それに、赤ちゃんの泣き声は想像以上に大きいものです。もちろん個人差はありますが、泣き声の大きい赤ちゃんの声は80dB以上とも言われています。80dBとはパチンコ店の店内くらいの音量です。

別の海外の研究では、とある子の泣き声は120デシベルを記録したということも発表されています。120dBとは飛行機のエンジンの近くの音に相当します。

それを恒常的に聞き続けて、リラックスしたり、自分のペースを保てたりするほうが難しいですよね。だから、イライラしてしまっても、何も悪いことはない、当たり前のことなのです。

泣かせたくはないけれどねんね上手になって欲しい

泣き声をできるだけ聞きたくないけれど、ねんねは上手になってほしい…という場合にまず取り組んでみていただきたいことは環境整備です。

寝つきを妨げる環境例

  • 部屋が明るい
  • 視界に光るものがある(豆電球や家電の電源ランプ含め)
  • テレビやスマホなどの画面がついている
  • 暑い(赤ちゃんは大人よりも1枚少なめに着せるのが目安)
  • 蒸している(湿度は40-60%が理想)
  • 服装が窮屈(スタイは外しましょう)

整った環境を用意し、ほんの少しだけでも良いので親のサポートを低めにできるように寝かしつけに取り組んでみてください。たとえば、抱っこゆらゆらで寝ついてからベッドにおろしている子なら、まずは「寝そうかな?」というときにゆらゆらを小さくしてみる…というところからスタートでOK!

ほんの小さな1歩ですが、積み重ねていくうちにねんね上手につながっていくので、焦らず一歩ずつ試してみてくださいね。数カ月単位で時間はかかる方法ですが、泣かせなくてもねんね改善は着実にしていくことができますよ♪

この記事を書いたライター

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ねんねママさん

乳幼児睡眠コンサルタント(CISA/米国IPHI資格)。個別コンサルテーションやねんね講座の他、運営する「寝かしつけ強化クラス」では月間200問以上の睡眠に関する質問回答を行っている。日本初の乳幼児睡眠を専門に学べるYouTube「寝かしつけ専門学校 ねんねママちゃんねる」を立ち上げ、運営。その他にもInstagramやVoicyなどのSNSでも寝かしつけに悩む親向けの情報を発信中

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