時短で、賢く、楽しく子育て。働くママでも、毎日たった5分からできる!知育や子どもの心と体を育てるノウハウを、SakuraEdu代表の荒井聖子さんに教えてもらいます。今回のテーマは「親子の絆」について。

親子の絆の深め方

「子どもが小さいうちに親子の絆を作っておきましょう!」とよく言われることですが、実際どんなことを心掛ければ良いのでしょうか?それには、子どもが「親といると心地よくて安心できる」、親が「子どもをたっぷり愛して守りたい」と感じる気持ちが基盤となり、たとえ腹が立っても、しかることがあっても、大げんかをしても揺るがない、「信頼感」を築くことが大切になるでしょう。

人が幸せを感じるときに関係するホルモンは、オキシトシン、メラトニン、ドーパミンなどがあげられますが、中でもオキシトシンは愛情ホルモンとも言われ、子どもは生まれた日から授乳や抱っこによって分泌されます。

オキシトシンはやさしいスキンシップ、楽しいコミュニケーション、見つめ合うことなどで親子双方に分泌され、その心地よさや安心感が親子の絆を作っていくのです。親がニコニコしていると子どももニコニコしていることが多いですよね。

その昔、スキンシップをしない、目を合わせない、話しかけないで育てた乳児たちがどのように育つか?というおそろしい実験が行われ、多くの命を失ってしまうという悲惨な結果になったそうです。

つまり、子どもは栄養と睡眠だけ与えれば良いわけではなく、心身共に健全に育つことが必要なのですね。愛情ホルモン「オキシトシン」は分泌まで約10分間必要だといわれています。それを踏まえて短時間でできることを考えてみましょう。

  • 授乳は、抱っこして目をみつめると子どもの安心感を高めます。スマホ授乳は、飲む速度や喉の詰まりの様子を見逃したり、落下して顔に当たったりすると危ないので、できるだけ避けられると良いですね
  • 抱っこする、体をさする、頭をなでる、手をつなぐなどのスキンシップは日常生活の中で十分行っていると思います。さらに、お風呂から出て乳液を塗るときや、寝かしつけのタイミングでスキンシップを意識して背中などをゆっくりさすれば、子どもにもしっかり伝わるでしょう
  • お話ができない乳児でも、親のやさしい声をたくさん聞くのはうれしいことです。着替えやおむつ替えのついでに、「お手々や足がよく動くね」「今日も元気だね」「かわいいね、いい子いい子」など話しかける、それが難しければ童謡を歌ってあげるのでも良いのです
  • 幼児になったら1つの玩具で一緒に遊んだり、一緒においしい物を食べるなど、うれしいことを共感するのもお互いの愛情が高まります。互いの温もりを感じたり、共感して笑顔を交わせば、その1つ1つの経験が親子の絆を作っていくことでしょう

私自身、子どものひどい癇癪(かんしゃく)に悩まされ、ニコニコ笑顔で接するのが難しい時期がありました。後から知ったのですが、子どもは生まれてから6歳までに脳がほぼ完成するので、その間に爆発的な成長を遂げます。

脳は不連続に発達すると言われており、その影響によって癇癪を起こしたり、むずがったり、イヤイヤ期が始まったりするのだそうです。なんと生後20カ月間に嵐が約10回来るとのこと!それを学んだときにそうだったのか、と納得してしまいました。これが通常だと知っていれば、絆作りになおさら役に立つかもしれませんね。

この記事を書いたライター

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荒井聖子さん

SakuraEdu代表 コドモンテワークショップ主宰 
目黒区民講座講師、幼児教室のコンサルティング、小学校受験指導をしながら、通算100回以上の企画開催。日本モンテッソーリ教育綜合研究所教師、NPO日本食育インストラクター1級などの資格を生かし子育て支援活動を行う。

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