育児雑誌が集結し、2022年最も話題となった「ヒト」「モノ・サービス」「コト」を表彰する「第15回 ペアレンティングアワード」で、カップル部門を受賞したプロ野球選手の源田壮亮さんとモデルの衛藤美彩さん夫妻。子育てに奮闘する毎日の様子を伺いました。

初めての子育ては一人だけど一人じゃない

─お子さんが誕生してからのこの1年、振り返ってみるといかがですか?

衛藤妊娠中から心構えをしていたつもりでしたが、出産も子育ても想像していたよりはるかに大変。息子が生まれてすぐに夫が春季キャンプで約1カ月不在だったときは、肉体的な疲労に加え、慣れないことの連続で、“この世の終わり”のように泣いた日もありました(笑)。
源田あの時は本当にきつそうで、申し訳ないなあと…。
衛藤そんな産後を経て、最近ようやく少し落ち着いて、赤ちゃんがいる生活や親になった実感を持てるようになりました。とにかく駆け抜けた一年でしたが、今振り返ると“笑顔”の日の方が多かったんです。

─「笑顔」で過ごせた秘けつは何だったのでしょう?

衛藤夫が本当にすごいんです。息子と関わる一瞬一瞬を大切にしていることが伝わってくるし、たとえ隣にいなくても、いろいろと私を精神的に支えてくれました。物理的には一人のことが多くても、あまり一人でやっている感じがしなかったのが、笑顔で過ごせた理由だと思います。
源田仕事の都合上、1カ月の半分くらいは遠征で家を空けてしまいます。その間は、妻が一人で頑張ってくれているので、せめて家にいるときは、自分ができることは全部やりたいと思っています!

─育児の困り事や悩みはどのように解決していますか?

衛藤一番の相談相手は夫と母親ですね。例えば、「離乳食を食べてくれない。どうしよう」という悩みに対して、アドバイスもほしいけれど、まずはこの追い詰められた気持ちを誰かに受け止めてほしいと思ったりしませんか? 聞き上手な夫はまさに“共感の神”。とにかく全部話を聞いてくれるので、それで悩みは半分解決です(笑)。具体的な解決策は、母からのアドバイスを参考にしています。

相手に期待しすぎず、自分ができることをやる

─お二人のような夫婦間コミュニケーションが取れないという読者の声も聞くのですが、アドバイスをお願いできますか?

衛藤彼は元々優しくて穏やかでおおらかな性格というのもあるのですが、そこに甘えてはいけないと思っています。子育ても家庭も“二人で作り上げていくもの”だと意識していますね。
源田そんなに褒めてくれてありがとう(笑)。よく家事の分担ややり方の違いでもめることがあると聞くけれど、僕も一回失敗したことがあります。
衛藤結婚してすぐの話なのですが、朝、彼にごみ出しをお願いして私は仕事に出掛けたんです。お昼過ぎに帰宅したら、何とまだごみがそのままで。「なんで? 普通午前中に捨てるものじゃない?」と、結構イライラ…。でもそのときに、“ダメだ。私が具体的にお願いをしていなかった”と反省。夫とはいえ、全て自分の思ったようにやってくれるのは無理。やってほしいことは細かく具体的に伝えるように心掛けています。そうすると、文句でなくありがとうと感謝を伝えられるのでいいですよ。
源田家事初心者の僕としては、断然そっちの方が良くて。ごみ出しに関しては、もうプロです。息子のお世話に関しても同じく、最初は細かくやり方を教えてもらって、段々できることが増えてきました。どれも妻より時間は掛かってしまいますが…。
衛藤それは、やっている数が違うからしょうがないよ。特に洋服を着替えさせるのに時間が掛かるのですが、そんな時に思い出す母の教えがあって。「子どものやっていることのスピードの遅さにイライラした時は、その子の手先でなく目を見なさい。真剣だから」と。夫は大人ですが(笑)、息子のお世話をしている目は真剣そのもの。時間は掛かるけれど、丁寧なんです。そんな夫の新たな顔も知ることができたし、子どもはかわいいし、子育てって楽しいですね。


PROFILE●
げんだ そうすけ 大分県出身。プロ野球「埼玉西武ライオンズ」に所属。ポジションは内野手。4年連続でベストナインとゴールデングラブ賞に選出されるなど、攻守両面でチームの要的存在。
えとう みさ 大分県出身。2011年に「乃木坂46」の1期生オーディションに合格。2019年に同グループを卒業し、現在はモデルとしても活躍。2022年1月に第1子となる男の子を出産。