「オルゴールを聞かせると寝る」「子守唄を歌うと寝る」など、寝かしつけに役立つ音のアイデアは昔からさまざまなものがシェアされてきました。一体どれが本当に寝てくれる音なのか、乳幼児睡眠の専門家が科学的根拠のある視点で解説していきます。

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赤ちゃんを寝かせる時、何を聞かせればいい?

世間ではオルゴールや子守唄などの定番ソングだけではなく、反町隆史さんの『POISON〜言いたい事も言えないこんな世の中は』やタケモトピアノのCMソングなどが「これを聞かせると泣き止む!寝てくれる!」という声として聞かれます。

もちろん、その子その子に合った好きな音・曲がありますので、それで寝てくれるのであれば問題はありません。ただし、上記のようなメロディーがある曲は、寝ている間も脳内に残りやすかったり、「音が止まっている!」とびっくりして起きてしまったりするなど、睡眠に少なからず影響を及ぼしてしまう可能性もあります。

一方、個人の趣味嗜好に関わらず、研究成果として証明されている赤ちゃんがぐっすり寝てくれるようになる音は「ホワイトノイズ」です。

赤ちゃんがぐっすり寝る「ホワイトノイズ」とは?

「ホワイトノイズ」とは、ザーーーサーーーという一定の音が連続して流れるノイズ音を指します。特定の周波数に偏っていないすべての周波数をほぼ均等に持つノイズです。

お母さんのおなかの中にいたときに聞いていた血液の音に似ているため、特に低月齢の赤ちゃんが安心してよく眠れるようになります。研究結果としても、「ホワイトノイズ」を聴かせたグループと聴かせないグループでは前者の方が5分以内に寝付いた割合が明らかに高かった、という結果が出ています。

また、防音効果としても有効です。ザーーーサーーーという音が“音の壁”となってくれるため、生活音やふいに起こる大きい音で赤ちゃんが目を覚ましてしまうのを防いでくれる効果もあります。特に赤ちゃんが先に寝た後、忍者のように音を立てないで過ごしている家庭には試してみることをおすすめします。

「ホワイトノイズ」の使い方

音量の目安は赤ちゃんの耳元で50dB(デシベル)程度が基準となります。これはアメリカの新生児室の騒音レベルの基準です。音量のデシベル数値はスマホアプリで計測することができます。

専用の機器(ホワイトノイズマシン)も販売されていますし、使わなくなったスマホのアプリなどを活用して流すことも可能です。最近ではベビーモニターや授乳ライトなどにホワイトノイズ機能が組み込まれているものもあります。

音源を置く位置はできるだけ赤ちゃんから離して(理想は2m以上離す)、ベッドの中などには置かないようにしましょう。

毎日の寝かしつけで苦労している人も多いと思います。時に巷の育児情報は期待した効果と裏目に出てしまうこともあるため、各家庭にあった正しい知識とアイテムを活用して、少しでもラクになることを願っています。

この記事を書いたライター

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ねんねママさん

乳幼児睡眠コンサルタント(CISA/米国IPHI資格)。個別コンサルテーションやねんね講座の他、運営する「寝かしつけ強化クラス」では月間200問以上の睡眠に関する質問回答を行っている。日本初の乳幼児睡眠を専門に学べるYouTube「寝かしつけ専門学校 ねんねママちゃんねる」を立ち上げ、運営。その他にもInstagramやVoicyなどのSNSでも寝かしつけに悩む親向けの情報を発信中

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