災害対策として、常日頃から生活必需品を備蓄している家庭も多いのではないでしょうか。その中でも飲料や食品などは期限の管理も必要なので、使いながら備蓄する「ローリングストック法」がおすすめ。今回は、ローリングストック法の実例を紹介します。

ローリングストック法とは?

自然災害によって在宅避難を余儀なくされたり、コロナ禍で長期間外出できなかった経験も記憶に新しく、普段から飲料水や非常食などを備蓄するようになった方も多いと思います。家族の人数分、最低3日分から1週間分程度の量が必要とされていますが、それだけの量の物を期限を含めて管理するのはなかなか大変です。

そこで、普段から使っている物を常に多めにストックして使いながら備蓄する「ローリングストック法」を活用すれば、量と期限の管理を無理なく続けることができます。やり方はシンプルで、普段買っている飲料・食料・日用品を多めに買い置きしておき、古い物や期限の短い物から使っていって、その都度買い足していく、というものです。このサイクルを続けることで、常に一定量の備蓄がされている状態を保つことができます。

備蓄品の収納実例

備蓄品の最適な保管場所というのは、災害発生時の自宅の状況によっても変わってきます。万が一自宅が被災した場合、もし持ち出せる余裕があって、避難先で使うことを考えるなら、持ち出しやすい収納用品を使い、玄関の近くやその他避難経路上にまとめて収納しておくことが考えられます。一方、在宅避難を想定すれば、パントリーや納戸などにまとめて置いたり、使う場所の近くに分散収納したりする方が使いやすいかもしれません。災害発生時の状況はその時になってみないとわからないので、複数箇所に分けて収納することも考える必要があります。

わが家の防災備蓄は、主に在宅避難を想定した分散収納をしています。ここからは、品目ごとに実例を紹介していきます。

1日に必要な水の量は、飲料用と調理用で1人3L程度だそうです。4人家族の3日分を蓄えるとすると36L、2Lのペットボトルで18本分になります。飲料用は、水だけでなく、普段飲み慣れているお茶のペットボトルなどもあると安心ですし、容量は500mL程度のペットボトルの方が持ち歩きしやすいといったこともあるので、用途に合わせて揃えるといいと思います。長期保存水などもうまく活用して、必要な量を確保しましょう。もし賞味期限が切れてしまっても、すぐに飲めなくなるわけではありませんが、気になるようなら生活用水として使うこともできます。

水の保管の第一関門は、場所の確保です。高温多湿にならない場所で、何十本ものペットボトルを保管しておく必要があります。ローリングストックで使いながら補充していくために、わが家では、主に使うキッチンだけでなく、避難経路上にある収納にも分散させて収納しています。

キャスター付きのボックスにお茶のペットボトルを収納

まずは冷蔵庫の中に2〜3本、冷蔵庫前のキャスター付きボックスに飲料用のお茶を4〜5本。それから、冷蔵庫前にあるカラーボックスの最下段に、お茶と水合わせて9本ほど入れています。

冷蔵庫前のカラーボックス最下段にお茶と水を収納

キッチンに収まらなかった水と長期保存水は、玄関のそばにある収納に保管しています。

玄関そばの収納に長期保存水を収納

買い足したものは、玄関そばの収納→カラーボックス→キャスター付きボックス→冷蔵庫、の順で在庫が流れていくように補充しています。

また、飲料用・調理用だけでなく、手や物を洗ったり、トイレを流したりするための生活用水も必要で、目安量は1日で10L程度と言われています。備蓄には、ポリタンクに水道水を溜めておいたり、浴槽にお風呂の水を溜めておいたりするほか、期限の切れたペットボトル水も活用できます。

食品

食品は、普段から買い置きしている日持ちのする食材に、乾麺や即席スープ、缶詰・レトルト食品など、できれば1回以上食べたことがある、食べ慣れた物を多めに買い置きしておくようにします。量の目安は、家族全員分の3日~1週間分。4人家族で3食×3日分だと、36食分が必要です。炭水化物(アルファ米、パックご飯、パンの缶詰、パスタなど)、おかず類(レトルトおかず、ごはんにかける系、パスタソースなど)、野菜果物類、スープ類、おやつ類など、バランスよくストックしておけると安心ですね。

また、消費期限のある食料品を確実に回していくために、期限の短いものから手前に収納するルールにしておくと、期限管理がしやすくなります。

食器棚の引き出しに食料備蓄を収納。期限の短いものを手前に。

日用品

トイレットペーパー・ティッシュペーパーなどの日用品も、多めにストックしておくと安心です。例えば、今使っている分にプラスして最低でも1パックは常にストックしておき、ストック分のパッケージを開封したら新たに1パック買い足す、といったルールを決めておくと買い忘れを防げます。

ペーパー類をまとめて収納。常に各1パック以上ストックしておく。

ペーパー類だけでなく、生理用品やおむつなど絶対に切らしたくないものや、カセットボンベや電池など使用期限のあるものについても、ローリングストックで使いながら補充するサイクルにすると、無理なく備蓄しておくことができます。

長く安心して暮らせる家づくりを目指すなら
富士住建の完全フル装備の家

この記事を書いたライター

ライター一覧 arrow-right
ぽりこさん

整理収納アドバイザー。小4男子と中1女子の二児の母。整理・収納・インテリアとお絵かきが趣味です。暮らしやすい家をめざして日々奮闘中!

ぽりこさんの記事一覧 v-right