夏、蒸し暑い日が続くと大人でも寝苦しさを感じますよね。大人よりも暑がりな子どもたちは、もっと寝苦しく感じているかもしれません。そんな夏の暑さと睡眠の関係や、入眠の質をあげる方法を乳幼児睡眠の専門家が解説します。

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夏の暑さと睡眠の関係

あまり知られていないのですが、実は寝つきの良さと睡眠の質には体温が関係しています。ヒトは眠りにつくときに、体の内側の体温(深部体温といいます)を下げて眠りにつくようにできています。

映画のワンシーンで、雪山で遭難してしまった主人公たちが「寝るな!寝たら死ぬぞ!」と声を掛け合っているシーンを見たことがある人も多いのではないでしょうか。まさにあれは、体温が下がってきて眠くなってきてしまっている状態なのです。

あの雪山と同じ理論(雪山理論と私は呼んでいます)で、体温がぐぐぐ〜っと下がってくると眠りやすくなるのです。お風呂に入った後に熱が冷めて、体温が下がってきたタイミングは眠りに最適です。

ところが夏は、暑さを理由に入浴をカットしたり、入浴時間が短くなったりしがちです。また、部屋そのものが暑くてお風呂あがりに体温が下がりにくくなります。すると寝つきが悪くなったり、睡眠の質が下がってしまうことにつながってしまうのです。

入浴することで入眠の質があがる

夏でも入浴した方が良いという理論はわかっても、子どもの場合、どうしても暑いと湯船に入りたがらないこともありますよね。そんなときにぴったりなのが、スーパーボールなど湯船で遊べるおもちゃです。

この夏、私(ねんねママ)が行った入浴実験では、日頃の入浴時間(湯船に浸かる時間)が3分以下の、1〜3歳の子どもがいる家庭5件に入浴時のおもちゃとしてスーパーボールを導入したところ、導入前と後で平均で約10分、入浴時間が伸びる結果となりました。

※誤飲に注意して、子どもから目を離さないようにしてください。今回の実験では、トイレットペーパーの芯よりも太い直径48cmの大玉を使用しています

実験に参加した家庭からは、「ボールを選ぼう!で、いつもより断然スムーズにお風呂へ向かってくれる」「副産物?としてママもお風呂が楽しみになった」「親としてもびっくりするぐらい入浴時間が伸びたなと感じました」などの声があがっていました。

スーパーボールは一例ですが、寝る前は39℃くらいのぬるめのお風呂にゆったりと浸かり、その後しっかり放熱すると眠りやすくなるので、寝苦しさに悩んでいる家庭はぜひ試してみてくださいね。

この記事を書いたライター

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ねんねママさん

乳幼児育児アドバイザー。小児スリープコンサルタント。0〜3歳モンテッソーリ教師。株式会社mominess代表。YouTube「ねんねママのもっとラクする子育て情報局」やInstagramなどで乳幼児の育児に関する発信を続け、2024年現在、SNSの総フォロワーは18万人超。運営する「寝かしつけ強化クラス」では月間200問以上の睡眠に関する質問回答を行っている。著書に『すぐ寝る、よく寝る 赤ちゃんの本』『○✕ですぐわかる!ねんねのお悩み消えちゃう本』がある

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