2018.03.18
暦の上ではすっかり春ですが、朝晩の冷え込みにまだまだ身体が縮こまる毎日。しかし、子どもたちの身体は大人に比べて、とても敏感に小さな春を感じ取っているように思います。今回は、五感を使って、楽しく春を感じる「絵本ごっこ」を紹介します。
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子どもの嗅覚って動物並み?
実はうちの4歳になる息子は、どうも嗅覚がすぐれているらしく、もう何でもかんでもすぐに匂いをかぎます。通っている園では「この服は○○君の!匂いかいでみて!」と、匂いだけで迷子になっている服の持ち主を当てるほど。
そんな息子に「ちょうどいいかな?」と思って、選んだ絵本が「はなをくんくん」です。この本を使って「絵本ごっこ」をしてみようと思います。
春の訪れを感じる絵本「はなをくんくん」

場面は雪の積もる森の中。白黒の世界で、動物たちは木の中や地面の下で、眠りながらじっと暖かくなるのを待ち続けます。すると、何かを感じ取った動物たち。はなをくんくんと鳴らしながら、雪の中をかけていきます。さまざまな動物たちが集まったその先にあったのは、一輪の可愛いお花でした。
絵本は、最初からずっと白黒で描かれているのですが、最後のページで登場する、雪の降る中に咲くお花だけ、黄色く塗られています。鮮やかな黄色が印象的な春の訪れを、見事に表現した絵本です。
目安は「読んであげるなら3才から」だそうですが、「もう少し小さい子でも楽しめるのではないか」と息子に読んでいて思いました。
絵本ごっこで春探し!
絵本ごっこは、絵本同様に雪の降る寒いなか、外にあるいろいろな匂いから小さな春を見つけたいと思ったのですが、残念ながら私の住んでいる地域は、冬でもほぼ雪の降らない場所。そのため、できるだけ絵本の世界に合うように、少し曇った日にやってみました。
実際、何をしたのかと言うと、ちょうど息子が欲しがった黄色いラナンキュラスを庭に植えたばかりだったので、まずはそれではなをくんくん。
「どんな匂いがする?」と聞いても、「この花、匂いしない!」と息子。あれまあ。嗅覚の鋭いあなたですら感じない匂いとは。「これにてごっご終了か?」と思ったら、そこは泥んこ遊びの大好きな4歳児。
とりあえず、スコップを持ち出して庭の土を掘ります。ざくざく掘っているとやっぱり楽しいようで、「土の匂いがする!」「あっ、てんとう虫!」「この石は鳥に似ている」と、次から次へと小さな春を見つけます。
手当たり次第に穴を掘りたがるので、しめしめと思いながら、春探しのついでにビオラの苗を植えてもらいました。
他の花との色合いや距離などを、一緒に考えながら穴を掘ったり、苗を植えたりしていたかと思えば、ちぎった花を妹の薄毛の頭に乗せてみたり、じょうろの水をまき散らして遊んだりと、程よく脱線しながら、楽しんでやってくれました。
今回紹介したのは、「鼻」さえあればどこでもいつでも誰でもできる絵本ごっこです。何と言っても、はなをくんくんさせるだけなので!
子どもは、大人より動物的で小さな違いや変化に気が付きやすいそうです。せっかく子どもが感じている生活の中の小さな変化も、誰かと話したり、共有したり、確認したりしないと、だんだんと当たり前になって気が付かなくなってしまいます。それでは、何だかもったいないし、寂しいですよね。
われながらかなり欲張りだなと思いますが、ささいな変化を感じることで、次第に感性が磨かれていけばいいなと思った今回の絵本ごっこでした。
この記事を書いたライター
ライター一覧- ゆかさん
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保育園に通うの男の子とまだ赤ちゃんの女の子のママです。現在は育児休暇中です。 私が読書大好きなので、子どもにも絵本好きになってもらおうと、読み聞かせをしたり、絵本をもとに遊んだりと日々奮闘しております。