/ 2019.10.04

出典:あんふぁんWeb

10月1日から幼児教育と保育の無償化がスタートしました。私は2人の子どもが幼稚園年長・年少の時、保育料が家計を圧迫するほどの負担を感じていました。当時専業主婦だった私は働くことを考えたものの、どんな仕事をしたいのか自分を見つめる時間もなかったように思います。

現在は、「今自分にできること」を中心に、不定期でできる仕事を担っていますが、フルタイムで働くママ友が輝いて見え、もやもやしてしまうことも。

そんな思いを一掃するため、ご本人も3人の子育て真っ最中のキャリアコンサルタント・新井香奈さんに、「自分らしい働き方」を見つけるためのアクションを聞きました。

選択肢は自分が考えているよりも多い!

出典:あんふぁんWeb

「労働条件など、自分の希望を言うとワガママと思われがちだったひと昔前。社会の変化、会社の体制変化に伴って働き方は多様化しています。“正社員として”“大手企業で”働くという枠にとらわれなければ、選択肢は自分が考えているよりも多いということをまず知りましょう」と新井さん。

あんふぁん世代のママは、子どもが幼稚園児~小学校低学年という人がほとんど。仕事を始めたり、復帰することで、子どもに寂しい思いをさせてしまうのでは?と不安や罪悪感をもつ人も多いと思います。

「その気持ちはごく普通のこと。物理的、精神的にも出産前と同じようには働けないということを前提に、自分にできる社会貢献=価値(仕事)を考えることが第一歩です!」と新井さん。

好きなことが仕事になる時代!あなたの好きなことは?

企業に雇われるか、自分で何かを始めるのかの違いだけで、好きなことは仕事に繋がります。直接的な場合だけでなく、発想の転換で間接的に繋がってくこともできるとのこと。

例えば、「レジでの会計」を仕事として選んだとします。その環境の中で、自分の好きなことに携わる方法を考えていくと、食品・雑貨・本など、何を扱うのか選択することにより、チャンスが訪れます。

ここで、自分は何が好きなのか、浮かばないという人もいるかもしれません。新井さんは、「幼少期(10歳ころまで)の記憶をたどってみてください。親に言われたからではなく、自分で選択できる事柄において、どんなことが好きだったか、嫌いだったかを思い出してみると、快or不快の両方が思い起こされると思います」と話します。

・こんな雰囲気が好きだったな

・こういうことはイヤだったな

抽象的な表現ですが、自分の「核」がここにあるそうです。成長するにつれて、経験が増えていき、核に肉付けされ、自分が大切にしたいものが育まれていきます。

例)束縛されることは嫌い⇒私らしくいたい

自分だけが幸せなのはイヤ⇒人の幸せにつながる仕事がしたい

「私の大切なものは〇〇です!と、限定的な言葉で語れたら、カッコいいのかもしれませんが、今それがなくても大丈夫。言語化できない感情も含めて、今の自分を形成している核を時間をかけて見つけてみてください。子育てをしている人だけが経験できる日常の中に、核を見つけるための“種”があるんですよ」と教えてもらいました。

一歩を踏み出すために

■「仕事をしたい」と宣言

社会の変化と、自分の環境の変化のスピードには大きな開きがあります。そのギャップを埋めるためには、どうしたら良いのかをひとりで考えていても悶々としてしまいますよね。

そんな時、まずは「私は仕事をしたいと思っている」と家族や周囲に宣言してみましょう。「自分ひとりで考えているだけだと、経験や思い込みが邪魔をしてしまいます。言葉にすることで、自分では考えつかなかった意見が聞けることもありますよ」と新井さん。

■縁を大切に

求人の仕組みについて興味深いお話を聞きました。ある会社で人が必要になった時、1)社内で探す 2)社員から人づてに探す 3)求人を外部に出す、という順に求人活動が行われるそう。

2)の場合、3)とは違い、雇う側も雇われる側も、よりスムーズに信頼関係を築くことができ双方にメリットが生じるとのこと。

あくまでもご縁ではありますが、人とのつながりを大切にしながら生きていくことが、ますます求められる時代なのだなと感じました。

■ハローワーク(マザーズハローワーク)も有効な手段

ハローワークは求人の件数が多く、地元企業への強みがあります。学びなおしや専門性を身につけたいと考えている方には、教育訓練給付金制度の活用もおすすめです。

教育訓練給付金には、一般教育訓練給付金と専門実践教育訓練給付金があり、新井さんは専門実践教育訓練給付金の制度を活用して、国家資格である「キャリアコンサルタント」の資格を取得されたそう。新井さんの友人にも、看護師や弁護士を志し、ママになってから資格を取り活躍されている人がいるとのこと。

本当にやりたいことが見つかれば、環境や制度は整っていているということを教えてもらい、私も何かチャレンジしてみたくなりました!

フルタイム? 週に何回かのパートタイム? 自宅での仕事?

私は息子が生まれてから、初めての育児への不安や葛藤を文章にし、積極的に新聞各紙へ投書してきました。これまで複数回掲載されたことから、書くことを仕事にしたいと思うように。その後、あんふぁんwebのママライターのお仕事に出合い、現在に至ります。

その他にも仕事をしていますが、1か月のうち、仕事をしている日は数える程度。フルタイムでもパートタイムでもありません。原稿を考えるのはどこでもできるので、在宅ワーカーとも言い難いような働き方です。子どもや学校の予定を最優先させ、ママ友との時間も楽しみ、実家の母の介護も手伝いたいという自分のワガママを叶えるため、悩みながらたどり着いた結果、このようになりました。

新井さんに教わったことですが、自分が大切にしたい「核」さえブレなければ、自分の選択に自信が持てます。

私も、自分の大切なことを改めて考えたことで、「フルタイムでバリバリ働くママはカッコいい」という自分が描くイメージを払拭でき、今の自分にとってベストな働き方をしているという自信を持つことができました。

先のことは、子どもたちの成長に合わせて、学び直しを含めた計画をじっくり立てようと考えています。

これから「働く」ことを考えているあんふぁん世代のママたちが、新井さんのアドバイスを通して、不安や焦りを一つひとつ解消していけますように!

■取材協力

キャリアコンサルタント 新井香奈さん

https://arai-kana.jimdosite.com

連絡先メールアドレス kana.arai.career@gmail.com

■教育訓練給付制度について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html

<文・写真:ライター よしだひろこ>