30代前半の夫婦で3人の子育て中。すでに持ち家を購入し、貯蓄も多い優良家計ですが、今後ママの働き方が変わると、どうなるのでしょうか? お金のプロが答えます。

家計簿 Check!

月間収入(手取り)
パパ
280,000円
ママ
250,000円
児童手当
35,000円
その他(太陽光発電)
8,000円
月間支出
住居費
75,000円※
保育料
40,000円※
保険料
94,000円※
水道光熱費
22,000円※
通信費
13,000円※
車費(ガソリン代含む)
17,000円※

※固定費

パパお小遣い
30,000円
ママお小遣い
20,000円
食費
40,000円
レジャー費
30,000円
ママの財形
70,000円
その他(日用品など)
10,000円
ボーナス時収入(年間)
パパ
700,000円
ママ
450,000円
ボーナス時支出(年間)
旅行・帰省費用
300,000円
保険料
101,000円
ママの財形
250,000円
その他(家電購入など)
200,000円
現在の貯蓄
貯蓄
10,000,000円

ミニアドバイス1「固定費」

固定費が手取り収入の45%という優良家計。住宅ローンは繰り上げ返済をしなくても、63歳で完済。変動金利への切り替えはタイミングが重要なので、金利動向をチェックしながら見極めましょう。

ミニアドバイス2「保険料」

保険料は高めですが、死亡保障と学資準備を兼ねた、貯蓄型の保険を活用中。子ども3人に200万円以上ずつ用意しています。その時々で利回りのいい保険を工夫しながら選んでいますね。

advice 1子ども3人私立中高だと2100万円超

まずは教育費について、きょうだいに不公平が生じるのはよくないので、3人に同額をかけると想定して計算しましょう。

文部科学省の学習費調査(平成28年度)によると、私立に通った場合の1年間の教育費は、中学で132万円、高校で104万円。合計すると中高6年間で708万円、3人分では2124万円になります。これは全国平均での計算なので、首都圏ではもっと高くなるはず。

このほか中学受験のための塾代や、留学する場合はその費用も必要です。ちなみに、中高6年間公立だと、1人279万円、3人分で837万円です。

advice 2外部サービスを活用しながら正社員の継続を

ママが正社員を辞めてパートになった場合、手取り収入は約200万円減り、将来の年金受給額も減ってしまいます。正社員を続けていれば、3人を私立中高に通わせるのも不可能ではありませんが、パートになると、進路の選択肢は狭まります。

フルタイム勤務では、家事や子育ての時間のやりくりが非常に難しくなりますが、家事代行サービスやベビーシッターなど、外部サービスも使いながら、なんとか乗り越えるのがおすすめ。一時的に出費が大きくなって貯蓄ペースが落ちても、中長期的に見ると正社員のままが断然、有利です。

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result学費か働き方か優先事項を決めよう

結婚出産が早かったので、末っ子が22歳で就職すれば、ママ55歳、パパ54歳で教育費がゼロに。夫婦とも65歳まで正社員で働けば、学費も老後資金も問題ないでしょう。

一方、ママがパートになると時間の余裕はできますが、学費を抑えながら老後資金を蓄える必要があります。何を優先するかは夫婦の価値観によるので、よく相談しましょう。

診断してくれたのは

氏家祥美さん( ファイナンシャル・プランナー )

女性のためのお金と仕事の相談室「ハートマネー」代表。個人相談やメディアを通じ女性の活躍を支援。著書に「北欧式 お金と経済がわかる本」(翔泳社)他

※この記事は、2019年10月発行の「ぎゅって首都圏版」に掲載した記事を再編集したものです

illustration AKIBA Akiko