「子どもがもう一人ほしい。ワンオペに疲れて転職したくなる。でも、老後資金も不安…」そんな悩みを抱えるママの家計について、お金のプロが診断します。

家計簿 Check!

月間収入(手取り)
パパ
320,000円
ママ
150,000円
月間支出
住居費
120,000円
保険料・教育費
45,000円
保険料
19,000円
水道光熱費
26,000円
通信費
20,000円
車費(ガソリン代含む)
20,000円
駐輪場
3,500円
パパお小遣い
35,000円
パパ交際費
40,000円
ママお小遣い
43,000円
食費
40,000円
レジャー費
70,000円
貯蓄(学資保険含む)
61,000円
その他(日用品など)
7,000円
ボーナス時収入(年間)
パパ
1,400,000円
ボーナス時支出(年間)
特になし
0円
現在の貯蓄
貯蓄
1,000,000円

ミニアドバイス1「保育料・教育費」

企業年金がない会社員の場合、iDeCoの掛け金は毎月上限2万3000円。全額所得控除の対象なので、月2万円の掛け金でパパの場合は年間約5万円の節税効果も。60歳までの26年間で税金が約130万円浮くので、これも老後資金に。

ミニアドバイス2「保険料」

パパの生命保険料が貯蓄型の割に安いのが気になります。万が一のときの保障が確保できているか確認し、もし足りなければ保険料の安い掛け捨てタイプで補いましょう。

advice 1きちんと管理できていて貯蓄増の見込み

「各自のお小遣いや保険料などを差し引いた、残りの31万円(パパ25万円+ママ6万円)を一つの銀行口座に入れて、そこからクレジットカードで生活費を払っています」とのこと。忙しい夫婦でも、家計が管理しやすい良い方法ですね。

毎月7万9500円の赤字となっていますが、このうち6.1万円は貯蓄です。また、特別支出のハワイ旅行代なども月にならして計上しているので、ボーナスから余計な出費がないのはいいところです。

教育費は学資保険で準備。すでに格安携帯への切り替えや、レジャー費の減額も決めているそうなので、貯蓄も着実に増えていくでしょう。

advice 2無償化で浮いた保育料を老後資金に生かす

自営業や企業年金がない人には、投資信託などで老後資金を作る、私的年金制度「iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)」がおすすめです。

保育料無償化で浮く3万8000円のうち、2万円をiDeCoに回して。60歳まで毎月2万円を掛け続ければ、約600万円+運用益が受け取れます。iDeCoは節税効果も大きいので、検討してみてくださいね。

残りの1万8000円は、ぜひ家事代行サービスに使ってください。ママが疲弊して社員を辞めれば、生涯年収も年金も大幅減。この出費も、今の職を続けるための「投資」だと考えましょう。

【1】2万円をiDeCoで老後資金に
【2】1.8万円を家事代行サービスに

支出 Before After
保育料・教育費
保険料
45,000円
19,000円
7,000円
(-38,000円)

resultママが社員を続けて老後資金を確保しよう

将来も健全な家計を維持していくためには、ママは社員を続けて。二人めも考えているなら、なおさらです。

もしパートになって、子どもが少し大きくなったときに正社員で就職したいと思っても、不況なら職がない可能性も。

今の仕事を続けるために、家事代行やリフレッシュに少々お金を使ったとしても、生涯収支はプラスになるはずですよ。

診断してくれたのは

氏家祥美さん( ファイナンシャル・プランナー )

女性のためのお金と仕事の相談室「ハートマネー」代表。個人相談やメディアを通じ女性の活躍を支援。著書に「北欧式 お金と経済がわかる本」(翔泳社)他

※この記事は、2019年11月発行の「ぎゅって首都圏版」に掲載した記事を再編集したものです

illustration AKIBA Akiko