/ 2019.12.12

おっぱいバイバイ卒乳・断乳絵本

そろそろおっぱい卒業したいなと思っているママ、まわりから「大変!」と聞いたりして、少し不安になっていたりしませんか?

また、4月から保育園だしそれまでには…と考えている人もいるかもしれませんね。

私自身は、子どもが0歳から保育園に入れていたので、昼間に職場でおっぱいをしぼりつつ、保育園のお迎えと同時に飲ませたりしていました。その間に乳腺炎を繰り返したため、無理やり断乳という経緯をたどりました。

その時、身体はもちろん、心がなかなかついていかず辛かったので、これからその時期を迎えるみなさんには、親子ともどもスムーズに卒乳・断乳してほしいと思っています。

私は絵本専門士という仕事柄、たくさんの絵本に出合います。今回は、自分が事前に親子で読んでおきたかったと感じた絵本や、友人にプレゼントして喜ばれた絵本を紹介したいと思います。

親子で読んで、おいしいごはんに気持ちを切り替え 「おっぱいバイバイ / Milky」

「おっぱいバイバイ / Milky 」

作:武田舞、絵:今井未知、高村あゆみ、英訳:伊藤由起子(ゲートジャパン)

出典:あんふぁんWeb

おっぱいにバイバイする頃、ママのおっぱいに出てくる「おっぱいおばけ」。「おっぱいおばけ」はどうしておっぱいをやめるのかを教えてくれます。そろそろママのおっぱいにバイバイしようね、とやさしくおっぱいおばけは語りかけます。

作者自身が断乳や乳腺炎で苦労した体験をもとに作られたそうです。4人のママの思いがひとつになってできた絵本。「おっぱいバイバイしても大丈夫だよ」という親から子へのメッセージが込められています。

卒乳はもちろん、その後の食育についても親子で一緒に考えたい1冊。ピトッと親子でくっついて、リズミカルな文章を親子で楽しい雰囲気で読みたい絵本です。

「おっぱいにバイバイしたらおいしいものをいっぱいたべようね」と、絵本の中のおいしそうなものを指さしながら、同じものを一緒に食べられる楽しみやワクワクを伝えられたらいいですね。

ママもさみしい…母の立場から読みたい卒乳絵本 「おっぱいばいばい」

「おっぱいばいばい」

作:みついゆきこ、絵:くぜじゅんき(グランまま社)

出典:あんふぁんWeb

いっぱいいっぱい、おっぱいを飲んで、あなたはこんなに大きくなりました。わが子とおっぱいの思い出がたくさん思い出されます。名前と、おっぱいばいばいの日の記入欄付き。

親子で読むのもいいですが、ママにおすすめ。卒乳・断乳を考えると、ママ自身がちょっと淋しい気分になってしまうかもしれません。でも、この絵本を見ていると、こんなに大きくなってくれたわが子にも、わが子をこんなに大きく成長させてくれた自分のおっぱいにも感謝の気持ちがわいてきます。あらためて「ありがとう」という思いで、気持ちの切り替えができるのではないでしょうか。

卒乳した日付を入れられるようになっているので、成長した子どもへの記念のプレゼントに大切にとっておいて、いつか母子でおっぱいの思い出話をするのもいいかも。

少し長くおっぱいをあげている友人が、「おっぱいを卒業したいけどちょっとさみしい、でもそろそろ授乳のわずらわしさからも離れたい気持ちもあって」と言っていた時にプレゼントした本です。「ママの決意表明だね」と言っていた彼女は、うまく気持ちの切り替えができたようで、おっぱい卒業した後も、わが子も自分も自分の体もいとおしく思いながら、何度も手に取っているそうです。

しっかり気持ちを伝えて 「あなたがだいすき」

「あなたがだいすき」

作・絵:鈴木 まもる(ポプラ社)

出典:あんふぁんWeb

子どもがどうぶつたちに抱きしめられほおずりされ、しあわせそうに目をつぶっています。「どこへだってあなたをたすけにいく。いつだってあなたのみかた」。「みんなあなたが大好きだけど、あなたを特別好きなのは、私」という大きな愛が描かれています。

「かなしいときはだきしめてあげる」「あなたがだいすき」、だから、「おっぱいがなくたって大丈夫だよ、安心してね」の気持ちをこめて、おひざにだっこで密着して読みたい絵本です。

私自身にとってこの絵本は、子どもにというよりも、自分が子育てに何かつまづいた時や疲れた時に手に取る1冊。でも読むたびに、小さいうちから親子で一緒に、何度でも繰り返し読んでほしい作品だと感じます。ここに描かれた思いは、おっぱいとさよならするという一つの区切りを心穏やかに受け入れる力になってくれることでしょう。

親も子も卒乳・断乳には気持ちの切り替えや勇気も必要ですよね。でもいつかバイバイするのなら、気持ちよくさよならしたいものです。

絵本の助けも借りながら、親子で納得して前向きな気持ちでその日を迎えられるように準備しましょう。

<文・写真:ライター 鳥山由紀>