ママは37歳で第2子を出産したばかり。もう1人生んで3人とも大学に行かせたいけれど、老後も心配で…お金のプロが「今からやるべきこと」をアドバイスします。

家計簿 Check!

月間収入(手取り)
パパ
400,000円
ママ
150,000円
月間支出
住居費
150,000円
保育料・教育費
20,000円【注1】
保険料
11,000円
水道・光熱費
20,000円
食費
50,000円
日用品
20,000円
通信費
10,000円
パパお小遣い
30,000円
ママお小遣い
30,000円
車費
20,000円
レジャー費
20,000円
その他
20,000円

【注1】今後増える可能性大

月々の貯蓄
個人年金・財形貯蓄・確定拠出年金
114,000円【注2】

【注2】うち5万は教育費&住宅ローン用の貯蓄に(年60万円)

ボーナス時収入(年間)
パパ
2,000,000円
ママ
1,000,000円
ボーナス時支出
旅行等
1,400,000円
【注3】

【注3】月間支出が増えたらここを節約

現在の貯蓄
貯蓄
10,000,000円

ミニアドバイス1

次女が保育園に入ると2歳児クラスまで保育料が発生し、数年後には長女の習い事費も膨らみそう。そうなっても臨時お小遣いや雑費などを抑えて、年200万円の貯蓄ペースを守りましょう。

ミニアドバイス2

厚生年金に加え、個人年金と確定拠出年金も。退職金もあるでしょうし、しっかり準備ができていますね。教育ローンや住宅ローンが老後に食い込まないようにしておけば、安泰でしょう。

advice 1教育費がかかり始めると苦しくなる

収入も貯蓄もあり、家計管理もしているので、問題ないように見えますが、教育費がかかり始めると苦しくなります。2年後に3人目が生まれたとして、その子が就職するときママは62歳。一般的に、昇給は50歳で頭打ち、60歳以降は再雇用で、給与がそれまでの6~7割に下がります。年金は開始後よりその手前が苦しくなるのです。

また、子どもの大学は国立を想定していますが、本人の夢や学びたいことや受験結果によって、私立になる可能性も。教育費は中高で私立よりも、大学で私立を選択できるように準備しておくのがおすすめです。

advice 215年で教育費と住宅ローンのめどをつける

老後のためには、今から15年間が勝負です。教育費が膨らむ時期になると貯蓄が難しくなるので、早めに教育費と住宅ローンのめどをつけて。ママの財形貯蓄の月5万円と、ボーナスからの貯蓄を合わせて、毎年200万円ずつ貯めましょう。

まずは大学入学時の準備として1人500万円、3人分で1500万円を確保。これは7年半で貯まる計算です。その次は、住宅ローンの繰り上げ返済資金。住宅ローン控除がある10年間が終わったら、200万円×7年半=1500万円分を順次繰り上げ返済して、65歳完済まで縮めましょう

月々5万(年60万)+ボーナス140万
 ↓
年200万円ずつ貯める

result「貯めどき」を逃さず使いすぎに注意して

出産が遅めの夫婦の場合、20代の頃よりも収入が増えて余裕がある分、家族旅行や、子どもの習い事にお金を使ってしまう傾向が。その結果、気付かないうちに「貯めどき」を逃してしまい、「老後もローン返済で苦しむ」という人が珍しくありません。S.Kさんも、今から15年間、使いすぎないように注意して、楽しい老後に備えてくださいね。

診断してくれたのは

氏家祥美さん( ファイナンシャル・プランナー )

女性のためのお金と仕事の相談室「ハートマネー」代表。個人相談やメディアを通じ女性の活躍を支援。著書に「北欧式 お金と経済がわかる本」(翔泳社)他

※この記事は、2020年9月発行の「ぎゅって10月号首都圏版」に掲載した記事を再編集したものです

illustration AKIBA Akiko