/ 2017.07.12

朝の準備時間で、子どもの行動が遅くて焦ったり、イライラしたり、思わず「早く!」と叱ってしまうことはありませんか?今回は、そんなママにおすすめの、子どもを動かす声掛けテクニック、読者ママの実践アイデアを紹介します!【子どもの寝起き&食事編】

お話を聞いたのは

東ちひろさん

ひがしちひろ/幼稚園、小学校教員など教育に30年近く携わり、現在は「一般社団法人子育て心理学協会」代表理事。心理学とコーチングを使った独自のアプローチ法で2万人以上の子育てママの電話相談を受ける。著書に『子どもが伸びる!魔法のコーチング』(学陽書房)。

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シリーズ記事「平日の朝時間スムーズ乗り切り術/子どもの身支度&登園編」はこちら

子どもがなかなか起きない時の乗り切り術

手間はかかっても優しく起こして

子どもの睡眠は体内リズムに基づいているので、そもそも「◯時◯分だから起きる」というコントロールは難しいもの。まずは必要な睡眠時間がとれるように、就寝時間に気を付けましょう。

睡眠不足でないのに寝起きが悪いのは、体質が影響している場合もあります。前夜、泣きながら寝入ったりすると寝起きが悪くなるという子もいるでしょう。

朝は、多少手間がかかっても、“気持ち良く目覚めさせる”のが鉄則。体をさすりながら優しく名前を呼んであげましょう。体をペタペタ触ってあげたり、甘えるときはリビングまで抱っこしてあげたりするのもいい方法です。

避けたほうがいいのは、「早く起きなさい!」と遠くから大声で呼び掛けたり、大きな音で起こすこと。覚醒していないときに突然大きな音がすると大人でもビックリするものですが、子どもはなおのこと。

イラっとして目覚めることになり、起床後の行動もスムーズにいかなくなってしまいます。

ママの乗り切り術

●大好きな戦いごっこを仕掛けて遊びながら起こしています。(2歳、4歳のママ)

●前日に朝食のリクエストを聞いておくと、食べたいものだから早く起きてくれます。(1歳、4歳のママ)

●寝起きに泣くと引きずるので、くすぐって笑わせながら起こしています。(4歳のママ)

朝食に時間がかかる時の乗り切り術

食べやすいもの、好きなもので楽しく

食欲は個人差が大きく、食の細い子や食にあまり興味がない子は、食事に時間がかかる傾向があります。そうしたタイプでは、栄養バランスよりも、「食べやすいもの、好きなものを、楽しく食べる」を優先しましょう。

好きでないものを食べるのは「苦行」となり、余計に時間がかかってしまいます。保育園で栄養バランスの良い昼食を食べるのですから、朝はごく簡単なものでOKと割り切って。「バナナとヨーグルト」や「おにぎりと前日のみそ汁」など、作るのも食べるのも時間がかからないメニューにしましょう。

朝食を食べたがらないタイプなら、「ご飯かパンか」「パンに塗るのはバターかジャムか」など、簡単なリクエストを聞いてあげるのがおすすめです。

また、全部食べられなくても叱らないで。「よくかんでるね」「もうおしまいかな?」「ごちそうさまだね」など、承認の声掛けをして、「食べて良かった」という気持ちにしてあげてください。

ママの乗り切り術

●時計を見ながら「ここまでに食べようね」と時間を意識させるようにしています。(0歳、4歳のママ)

●パンにキャラクターの絵を描いてあげると食事がはかどります。(0歳、2歳のママ)

●メニューをおにぎりや果物など、子どもが食べやすいものにしています。(1歳のママ)

●飲み物などの自分でできる準備はやってもらうことに。コップを食器棚の手の届く高さに置いておくことで、進んで準備するようになりました。(6歳のママ)

実況中継の“承認”で気持ち良く動けるように

子どもを動かすには“承認欲求(他人に認められたいという欲求)”を満たしてあげるのがコツ。

「ママの思い通りに動いて当然、動かなければ叱る」ではいけません。よくできたことを褒めるのはもちろん、「起きたね」「食べ終わったね」など、やったことを実況中継してあげるだけでも承認したことになり、「やることに価値がある」と感じてくれます。

ノロノロしていても「◯◯しなさい!」は避けて。2~3歳なら「ママは何を手伝う?」「どっちの服がいい?」などと選ばせるのが効果的です。4歳頃からは、「何をするときかな?」「次は何をする?」と考えさせましょう。こうして自主性を育むと、自分でできることが増えていきます。

肩の力を抜いて、朝時間を乗り切る

子どもは、「正しいママ」よりも「機嫌のいいママ」が好き。「できないところ」を頑張ろうとしないで、「できそうなところ」を工夫しましょう。

朝ご飯は手抜きでもいいんです。子どもが自分でできないときは、さりげなく手伝ってしまっていいんです。

肩の力を抜いて、朝時間を乗り切りましょうね。

※この記事は、あんふぁんぷらす2016年4月号に掲載した記事を再編集したものです