わが子には「得意なことを身に付けて自信を持ってほしい」と思うのが親心。でも習い事をさせる時間がない…と感じている人も多いようです。この連載では、筑波大学教授の徳田克己さんをアドバイザーに迎え、親が子どもにできることを考えていきます。

question小さいころから教室通いが必要?

スポーツの教室に通い始めた園の友達が増えてくると、焦り出すお母さんも多いようです。けれど、ここで大切なのは、一度冷静になってみること。まずは日々の生活・体験から身に付けることの方が大切です。

advice「走る・跳ぶ・投げる」が全ての基礎。公園遊びで楽しさを知ることから始めよう

教えてくれたのは

徳田克己さん

筑波大学医学医療系教授。筑波大学発ベンチャー企業子ども支援研究所所長、教育学博士、臨床心理士。東京の私立幼稚園の先生や大学内保育所の責任者の経験も

キャッチボール相手は親こそ適任

全てのスポーツの基礎となる動きは「走る・(前や上に)跳ぶ・投げる」の3つ。本格的なスポーツを始める前に、親子でできることもたくさんあります。

例えば、キャッチボールやサッカーのパス練習は子ども同士でなく、大人が相手をしてあげる方が良いのです。それは、大人は子どもが取りやすい位置に投げ、多少の暴投も受け止めることができるから。

そのうちに、子どもは相手のことを考え、受け取りやすいボールを投げたり蹴ったりすることができるようになります。

失敗しても、「惜しかった」「だんだん上手になってるよ」などと言われると、子どもは「失敗してもいいんだ」と思い、運動の楽しさの扉を開くことにつながるはずです。

もし、習い事を始めるとしても、〝技〟の習得よりも体を動かすことの楽しさを教えてくれる教室を選びましょう。