2023.03.24 / 2023.04.04
保育園の費用はいくらかかるのでしょう?全国の平均値を紹介します。また、2019年に実施された無償化の対象条件の違いや、保育料を計算する上で影響する4つの項目、幼稚園や認定こども園との違いなどを説明します。
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保育園の平均費用は?
幼児教育の負担軽減を図る少子化対策として、2019年10月より「幼児教育・保育の無償化」が実施されました。保育園にかかる費用は、世帯所得、自治体、子どもの人数、年齢、保育時間などで大きく変わってきます。
統計局の調査によると、2歳児1人の保育所の平均保育料は26,979円でした。
エリア | 費用(月) |
---|---|
全国平均 | 26,979円 |
北海道札幌市 | 29,012円 |
東京都23区 | 21,233円 |
神奈川県横浜市 | 30,900円 |
愛知県名古屋市 | 28,050円 |
大阪府大阪市 | 28,225円 |
福岡県福岡市 | 30,075円 |
参照:統計局「小売物価統計調査(動向編)2021年」(2歳児1人が認可保育所及び認定こども園に入所の場合の費用、対象市区町村の平均費用より算出)
無償となる「利用料」には原則、通園送迎費、食材料費、行事費などは含まれていません。また、入園金が設けられている施設や、制服、体操着、用品など別途費用が必要な場合もあります。
保育料を計算する上で影響する4つの項目
認可保育園に通う場合の保育料は、住んでいる自治体や世帯の収入状況によって異なります。保育料を計算するには、4つの項目が大きく影響します。
1.住んでいる自治体
認可保育園の保育料は、住んでいる自治体によっても変わってきます。国が定めた上限額に対して各自治体が補助金を出すことで、保護者の費用負担額を減らしているためです。
たとえば、満3歳未満(標準時間)の保育料を比較すると、国の上限額は104,000円ですが、東京都中央区の上限額は64,000円、名古屋市は64,000円、大阪市は70,600円です。
2.世帯の所得
世帯所得とは、「同一の生計を立てる世帯全員の年収」のことです。シングルマザーやシングルファザーの場合は1人分の所得金額を世帯所得とします。
国の定める上限額は、世帯の所得を元に計算される「市町村税所得割課税額」によって階層が設けられています。また、自治体によっては国基準より細かく所得の階層を設けて、保育料を設定している場合があります。
市町村税所得割課税額は、毎年5~6月ごろに、勤務先などから渡される納税額決定通知書(個人事業主は自治体から郵送される「税額決定兼納税通知書」)により確認できます。保育料の切り替え時期は9月です。5~6月に届いた通知書に書かれた所得割課税金額に基づいて、その年の9月からの保育料が決定します。
3.子どもの人数
保育園を利用するきょうだいが2人以上いる世帯やひとり親世帯等については、保育料の負担軽減があります。例えば、保育園をきょうだいで利用する場合、国の基準では最年長の子どもから順に2人目は半額、3人目以降は無料となります。また、年収約360万円未満相当の世帯の場合、軽減措置が拡充されます。
4.保育時間
保育時間には、「保育短時間(1日あたり8時間まで)」「保育標準時間(1日あたり11時間まで)」という2つの区分があります。両親の就労時間が短い方で認定され、保育料が異なります。認定時間を超えて利用した場合は、延長保育料がかかります。「開所時間」「保育短時間」「保育標準時間」の設定時間については、保育施設によって異なります。
無償化の条件
0~2歳児、3~5歳児の無償化条件の違いと、認可保育園、認可外保育園などの違いを説明します。
認可保育園 | 認可外保育園 | |
---|---|---|
3~5歳 | すべての子どもが無償※ | 「保育の必要性の認定」を受けた子どもは月額37,000円まで無償化 |
0~2歳 (住民税非課税世帯のみ) |
すべての子どもが無償※ | 「保育の必要性の認定」を受けた子どもは月額42,000円まで無償化 |
※通園送迎費、食材料費、行事費等は保護者負担
参考:内閣府ホームページ
幼稚園や認定こども園との違い
「認定こども園」とは
幼稚園と保育所の両方の良さをあわせ持っている施設です。子育て支援の場が用意されていて、園に通っていない子どもの家庭も、子育て相談や親子の交流の場などに参加できます。
0歳~就学前の保護者の就労などにより保育が必要な子どもへ保育を行います。3~5歳の子どもは、保護者の働いている・いないに関わらず教育・保育を一緒に受けます。保護者の就労状況が変わっても、通いなれた園を継続して利用できます。
参考:内閣府ホームページ
保育園 | 幼稚園 | 認定こども園 | |
---|---|---|---|
目的 | 乳児、幼児を保育する | 幼児に適切な環境と教育を施す | 乳児、幼児に適した教育と保育を行う |
年齢 | 0歳~就学前 | 満3歳~就学前 | 0歳~就学前 |
保育時間 | 8~11時間 | 4時間 | 4~11時間 |
保育料 | 自治体が決定 | 無料※教材費等は別 | 自治体が決定、3歳以上は無料 |
給食 | 義務 | 任意 | 義務 |
先生 | 保育士 | 幼稚園教諭 | 保育士、幼稚園教諭 |
所管 | 厚生労働省 | 文部科学省 | 内閣府 |
■保育園、幼稚園、認定こども園の違いをさらに詳しく紹介:あんふぁんWeb「幼稚園、保育園、認定こども園のメリットと違い。家庭に合った園選びの方法」
まとめ
保育園無償化には対象範囲があるので注意が必要です。実際にかかる保育料は、住んでいる自治体や世帯収入など家庭状況によって変わるため、詳細はお住まいの自治体にお問い合わせください。
また、通園送迎費、食材料費、行事費等、保育料以外の費用が必要になる場合もあり、その費用は園によって異なります。子どもに合った園選びを優先しつつ、家庭の状況や園の方針とあわせて最適な園選びができるといいですね。
この記事を書いたライター
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